The Dairyland Initiative “酪農界の先駆け” 日本語版

The Dairyland Initiative は、Wisconsin 大学(Madison校)獣医学部が受け持っているウエブサイトです。このサイトは全世界の酪農関係者から信頼される情報源として利用されています。本サイトの責任者はNigel Cook教授です。Nigel Cook教授は跛行に詳しく、特に牛舎(牛の居住)環境と跛行についての第一人者です。そのおかげで、本サイトの構成は、以下の3部門中2部門が、Nigel 教授の得意分野で構成されています。それほどこれらの分野が重要であるとも言えるでしょう。酪農全般を語るとき、我々が携わる分野はとても重要視されているということです。
・Housing Module 牛舎部門
・Lifestep Lameness Module 跛行(蹄管理)部門
・Calf Health Module 子牛の健康部門

さて、2022年の国際蹄病学会のロビーで、私はNigel 先生に、「護蹄研究会のHPにDairyland Initiativeウエブサイトの日本語訳を掲載してかまわないか?」と、了解を取ろうと話しかけたところ、「その日本語訳をDairyland Initiativeにくれたら、日本語バージョンができるから是非やって欲しい」と、逆にお願いされた次第です。本サイトの際下欄に、・English(英語)・French(フランス語)・Spanish(スペイン語)の表記があります。それを選択すると言語が変わります。ここに日本語のページを設ける日が来るかもしれないということです。

とは言え、本サイトは膨大な量です。また内容が多岐にわたり、ページの移動も頻繁です(辞書や教科書をひっくり返しながら進むような感じ)なので、ブログにどのように編集すればよいのかまだまだ悩んでいます。しかしながら、やってみないと分からないことでもあります。

この日本語訳は、2018-2022私が酪農学園大学に在職した期間、生産動物外科ゼミの一部で勉強したこともありますので、田中健太郎獣医師など卒業生にも手伝ってもらいながら、現職の村上高志先生、福森理加先生を中心に行ってもらいます。

なかなか困難な道のりだと思います。おできになる方は原文からどんどん先に行ってください。Dairyland Initiativeの原文のページを皆様にご紹介できるだけで私は喜ばしく思っておりますし、皆様も酪農界の科学的な見地に立つことができる喜びを感じていただけるのではないかと期待いたします。

では、早速表紙を貼り付けます。PDFをJPEGにして貼り付けます。
上段に原文のページのURLを貼りますので確認に使ってください。
表紙の次に、牛舎の部門/跛行管理の部門/子牛の健康部門に大きく分かれますので、それぞれにページを作ります。まずは、跛行管理の部門を進んでまいりたいと思います・・・

The Dairyland Initiative – Dairyland Initiative (wisc.edu)

Mooving Cows – Food Animal Production Medicine – UW–Madison (wisc.edu)

カール・バーギ削蹄講習会

COW HAPPY 林タカヒト様からのご案内です。
カール・バーギ氏のアドバンスコース(削蹄上級者向け)が6月に栃木県で開催されます。
開催者によると、まだ参加枠があるそうです。
仕事の質を上げる為には勉強する必要があると自分は思います。
特に今回は削蹄の理論の大幅な変更が発表される予定です。
是非参加をご検討ください。
https://www.teamnasu.com/information.html

眞鍋弘行削蹄師 北海道産業貢献賞を受賞

眞鍋弘行指導級削蹄師が2023年度の北海道産業貢献賞の農業関係功労者:家畜衛生等功労者として、2月13日札幌京王ホテルで表彰されることが、2月1日の農業新聞で発表されました。
護蹄研究会研究会の”顔”のお一人の眞鍋さんがこのような公的な評価を受けられることは誠に嬉しい限りです。おめでとうございます!
この記事の掲載に際して連絡差し上げたところ、「受賞はありがたいこと。」とのことでした。ご本人のご許可を得てご報告させていただきました。

令和6(2024) 年始のご挨拶

護蹄研究会 会長 阿部紀次(THMS,酪農学園大学特任教授)

護蹄研究会 会員の皆様および当会ならびに牛の蹄管理に関してご興味をお持ちの皆様、

日頃から、牛の健康のため、農家経営のため、そしてご自身の経営のために尽力されておられることに敬意を表します。皆様にとって令和5年はどのような1年でしたでしょうか。新しい年にも更なるご努力でこの分野から畜産を支えていただきたいと思います。

さて、昨年8月、護蹄研究会としましては始めての地方開催(北海道)にて、削蹄師と獣医師専門コース分けした実習形式の学術集会をとりおこないました。今回の北海道大会では、実習の中身を削蹄師コースと獣医師コースに分けました。これは私の考えからでした。対象としている動物と、蹄という器官は同じであり、またその健康を望む目標も同一でありながらアプローチの仕方が異なる両者が一堂に会して垣根を越えて“喧々諤々”議論するのが”ゴテイケン”の真骨頂という観点からすると、後ろ向きに捉えられた向きもございました。世間では、削蹄班を設定して蹄病処置も含めて行っている農場もあります。そして削蹄師もできる限りの技術を発揮しています。しかしながら、いずれにしても、局面的には個体治療にせよ群管理にせよその裏に獣医師のサポートが必要なはずです。その両者の組み合わせこそ農場が欲しているコラボレーションの目指すべき形だと思うのです。蹄管理の分野で何となく削蹄師さんの方が信頼度が勝り、獣医師はそれに甘んじているように想うのは私だけではないでしょう。「獣医師として出来るべき技術の確認」のための実習でした。あえてそこを区別しなければならないほど蹄病治療ができる獣医師を養成することが急務と考えたことから、大学のスタッフと一緒に獣医師向けに実習を行いました。

削蹄師コースの方は、午前の実習では、公益社団法人日本装削蹄協会の推奨方法(日装式)を石賀信宏指導級削蹄師が解説とデモンストレーションを行う一方で、午後からはアメリカナイズされたダッチメソッド(機能的削蹄)を林タカヒト&佐藤摩耶削蹄師、他皆々様のおかげで、現在日本の2つの主流の削蹄方法をデモンストレーションできました。今回は、大学側の都合で生体を使った実習のハードルが高く、屠体蹄で行いました。そのため、機能的削蹄を当てはめづらかった部分もあったようですが、その方法論は理解されたようです。今後機会があったら実牛で行えればと願っております。

会場提供の準備、根回しの段階から、実習準備、実践。後片付けまで運営すべてに率先して関与していただいた酪農学園大学外科学ユニットの村上先生には、まず御礼申し上げなければなりません。村上先生は根室地区NOSAIに所属されていた頃からの旧知であり、その頃から真面目かつ積極的なお仕事ぶりと温厚な人柄がきわだっておいででした。酪農大では一緒に仕事はできませんでしたが、いつでも連絡し合える仲ですし、僭越ながら講師の佐藤綾乃先生も、石川高明先生も同様に、蹄管理研究・教育に、経験も実績も熱意も十分とお見受けします。酪農大のこの体制が全国の大学としては最も整っているのではないでしょうか。蹄管理に関する教育研究の拠点となっていただけるよう、当会もサポートしていきたいものです。

それから、今年の9月16日から20日は国際蹄病学会がベニスで行われます。そろそろ積み立てしないと、、です。

Lameness in Ruminants Conference 2024 – Home (lamenessinruminants2024.com)

さあ、今年も元気に頑張っていきましょう~!