第22回護蹄研究会 学術集会(発表抄録集)

2022/10/29-30 日本獣医生命科学大学(東京)にて開催された第22回護蹄研究会学術集会では多くのご参集と活発な議論を賜り開催されました。運営・会場・関係各位、ご協賛いただいた企業各位に改めて御礼申し上げます。
 ところで、今回は会場での撮影・録画を制限させていただいた代わりに、ご許可を頂いた演題に限り、この場で発表抄録と内容のPDFを掲載いたします。今後の研鑽にご活用ください。改めて、各演者のご意思に感謝申し上げるとともに、閲覧者様におかれては貴重な内容を敬意と節度を持って閲覧され、決してSNS等で拡散されることの無いようお願い申し上げます。
 また、ご質問がある方は、このHP「お問い合わせ」のコーナーから所属・お名前を明らかにされて、「演題名***についての質問」と明記した後、簡潔に質問してください。事務局から演者に伝え、HP内にて公開する所存です。ふるってご活用ください。

 2023年は、第23回の本会を、実習を取り入れた北海道大会とする予定でございます。本年も、皆様方が健康で、かつ牛蹄の健康にますます貢献されますようご祈念申し上げつつ・・
       護蹄研究会 会長 阿部紀次(2022年1月4日)

目次
基調講演1:顧客牧場における護蹄アプローチ(濱田将臣)
基調講演2:蹄病制御の現状と今後(中村聡志)
話題提供:新しい削蹄法の試み(沖田太一)
一般演題1:下腿部筋損傷・起立不能状態から回復した肉牛の1症例(伊藤ひまり)
一般演題2:有孔ラバーマットの可能性(阿部紀次)
一般演題3:乳牛の同一肢両側蹄角質疾患に対する部分的蹄底ブロック装着とキャスト固定の併用療法(菊池允人)
一般演題4:初産牛の蹄角質疾患とゲノム情報との関連(中村聡志)
一般演題5:乳牛の同一肢に生じた内外蹄病変に対してハーフリムキャストを行った13症例(鳥羽雄一)
一般演題6:ホルスタイン種育成牛の趾皮膚炎多発農場における治療効果の検証(角田偵徒)
一般演題7:自作鎌型蹄刀の耐荷重試験について(久津間正登)
一般演題8:蹄ブロックの失敗例(沖田太一)
一般演題9:市販虫除けスプレーによる牛体への忌避効果(中野目正明)
一般演題10:牛の抗菌性蹄ソックスの開発と装着効果の検討(磯 日出夫)
一般演題11:護蹄研究会の削蹄法私案(眞鍋弘行)

基調講演1
顧客牧場における護蹄アプローチ

濱田将臣
株式会社 ボーバインベットサービス 
【はじめに】
農場における護蹄の失敗は、蹄病が原因で牛が淘汰されることである。このような牛には手遅れの症例が多い。手遅れの症例の代表は深部感染とヘアリーアタックではないか。
手遅れにならないためには、早期発見早期治療が重要である。これには発見と治療が同時に行える農場スタッフによって蹄病治療が行われることが望ましい。農場が自らで蹄病治療を行なうにはどのようにサポートすればよいか。さらには、筆者の顧客牧場が実施している蹄病を予防するための環境改善について述べる
【農場が自分で蹄病を治せるように】
まずは、牛をきちんと保定できる施設が必要である。筆者はコンフォートシュートを推奨している。顧客牧場の約8割がこれを所有している。次に刃物である、これはロトクリップをディスクグラインダーに取り付けて使用してもらっている。最後にどうやって削るかである。最初は削蹄定規を使ってもらい、少し慣れると基準蹄を筆者が削蹄し、これをガイドラインに農場スタッフに切ってもらう。ブロックの取り付けや被覆材の使い方もマスターしてもらう。
ここからが重要である、ある程度蹄病を自分で治せるようになると、蹄病は治りそうで治らない疾病であることに気づく。事実、一度変形した蹄骨や蹄球枕は元通りにはならない。また、DDの原因菌は免疫と薬剤が届きにくい場所に存在している。これを踏まえ農場が予防につながる施設投資にシフトしていくことが望ましい。
【農場の環境を改善する】
蹄病に関係する因子として、固いコンクリート上での佇立時間が長い、牛床のクッション性が低い、蹄が糞尿にまみれて湿潤状態、歩行中のスリップが多いなどが挙げられる。秋に角質病変の蹄病が多いのは、夏場の佇立時間が長いことが関係している(グラフ1)。牛は体温が上昇すると放熱の為に立ち上がり、体温が下がると横臥する。牛舎を囲って日差しを遮断し、牛体に十分な風速を当てることが重要である。さらに直接水で牛を濡らして体温を奪う。これらの暑熱対策を毎年すこしずつでも更新していきたい。牛床のクッション性に関しては、砂やコンポスト、マットという選択肢がある。最近のマットは進歩しておりマットが原因で飛節が腫れている場合は非常にもったいないといえる。肢下の湿潤環境は、その農場の、堆肥舎のキャパシティや除糞にかけられるスタッフの人数と時間が直接関係している。加えて、DDで跛行する牛(跛行スコア3以上)はM2ですら3割(グラフ2)という問題が農場での予防に対しての危機感のなさとDDの症例数の間にギャップを生み出している。牛舎の通路は、日々の除糞作業による経年劣化で滑りやすくなる。滑走事故が出る前に通路の溝切りを行ないたい。

基調講演2
蹄病制御の現状と今後

中村聡志
株式会社 ノースベッツ
【はじめに】牛の蹄病は、栄養、環境・管理と牛の生体とが複雑に絡み合い発生する多因子疾患である。その病因論については、広く研究され、多くの研究成果を基にした多角的な予防策が生産現場で実践されている。蹄病予防策が奏功して、蹄病制御に成功している農場がある一方で、未だにその制御に失敗している多くの農場があるのが現状である。農場ごとに、最適な方法を模索し、高いレベルで実践していく事が重要である。 蹄病制御の方法において、外的要因からのアプローチ方法としては、ある程度確立されてきており、今後もその方向性は変わらないと考えられる。しかし、それに加えて、今後は牛の“変化”への対応について考えていく必要がある。近年、牛の遺伝的能力は飛躍的に向上しており、特に乳量の増加は著しい。今後も“高泌乳化”の流れは加速する事が予測される。このような牛の“変化”に伴って、蹄病制御の方法にも“変化”が必要になってきていると感じる。これからの蹄病制御を考える上で、“高泌乳化“は重要なキーワードになると考える。今回は、乳牛の高泌乳化に焦点をあて、高泌乳化が牛にどのような変化をもたらしその変化がどのように蹄病と関連するのか考えてみたい。
【蹄病制御の現状】蹄病制御は代謝的要因と物理的要因の両方からのアプローチが必要である。実際に酪農の現場では、代謝的要因の制御として、アシドーシスの制御と酸化ストレスへの対応、物理的要因の制御として、横臥時間の確保、暑熱ストレス対策、定期削蹄による蹄形状の維持、などが実践されている。代謝的要因と物理的要因の両方が重要である事は確かであるが、2019年に浅草で開催された「反芻動物の国際蹄病学会」で、ドイツのMülling先生は、蹄病発生には代謝的要因よりも物理的要因の方が大きく影響していることを強調した。蹄形状の維持や横臥時間の確保など、蹄真皮への機械的ストレスの低減は、蹄病制御において最も重要であることを認識する必要がある。当社顧客農場においても、これまで、アシドーシスリスクを最小限にする栄養管理にも取り組んできたが、やはり、ベットの快適性や削蹄方法の変更が蹄病制御により効果的であった事を実感している。今後も、これまでの蹄病制御の方法の精度を高め、農場ごとに最適化された方法について検討していく必要がある。
【乳牛の高泌乳化】北米の種雄牛の平均NM$は2000年から2004年の5年間で平均19.01ドル/年増加したのに対して、次の5年間では47.72ドル/年、更に次の5年間では84.87ドル/年増加しており、その改良速度は年々増している。北米の精液を主体として改良されている日本の乳牛においても、改良速度は加速しており、乳量が著しく増加している。北海道の一頭当たりの年間平均乳量は、2010年が8839㎏であったのに対して、2021年には9843kgまで増加し、この11年間で約1000㎏増加した。実際に繁殖検診を行っていても、分娩後30日から45日でのフレッシュチェックで一日の乳量が60㎏を超える牛の割合が増えており、乳量増加を肌で感じている。乳牛の高泌乳化は、蹄病リスクを高める事が報告されている。その理由として、1)高い乾物摂取量はアシドーシスリスクを高める、2)高泌乳牛は採食時間が長いため起立時間が長い、3)高泌乳牛は遺伝的にBCSが低く、結果としてデジタルクッションが薄い、などが考えられる。このような牛、もしくは牛群に対して、どのような蹄病制御の方法をとるべきか、今後考えていく必要がある課題である。
【蹄病制御の今後】蹄病制御において、これからも代謝的要因と物理的要因からのアプローチが重要である事は変わらない。しかし、牛の変化に伴ってそのアプローチの仕方は、少しずつ変化させていく必要がある。牛の高泌乳化への対応は、蹄病制御だけではなく、栄養管理や繁殖管理、乳質管理など、牛群管理全般において同様の事がいえる。
 これまでの蹄病制御に関する研究は、栄養管理や施設、削蹄方法などの外的要因を対象とするのが主流であった。今後、高泌乳化がさらに加速する事を考えると、牛側の要因についても研究を進め、蹄病に抵抗性が高い牛で牛群を構成していくための改良や選抜方法についても検討していく必要がある。また、現場での仕事においても、牛側の要因への介入が必要である。そのためには、栄養管理や飼養管理方法に加えて、改良や選抜方法についても言及できる知識と経験が重要である。

話題提供
新しい削蹄法の試み

有限会社 ライズ
沖田太一

一般演題1
下腿部筋損傷・起立不能状態から回復した肉牛の1症例

〇伊藤ひまり1) 安藤利子1) 岸田美月1) 狩野春香1) 伊藤萌楓1) 清水純奈1) 西山美優1) 
阿部紀次2)
酪農学園大学 肉牛研究会, 2)㈱トータルハードマネージメントサービス
【背景】
酪農学園大学肉牛研究会は、サークル活動の中で肉牛(和牛13頭、短角3頭、アンガス2頭)の繁殖・肥育・出荷を行っている。今回、アンガス16ヵ月(464日)齢(肥育中期526kg出荷予定5ヵ月前)が、管理失宜から脱走、転倒により両下腿部筋損傷にて起立不能状態に陥った。重度筋肉損傷を負ったことから肉牛としての予後はついえたと思われたが、部員の総意で1ヵ月間の看護を主とした治療を行うこととした。【目的】両側の重度な下腿部筋損傷・起立不能牛状態から回復した肉牛の肥育牛としての成績と、治療・看護方法の検証。
【症例】当該牛は独房で飼養されていたが、施錠の確認不足で脱走し、群飼用の連動スタンチョン前の狭く深い飼槽に入り込み転倒。ヘッドスライディング状態で約3時間もがき、両側の下腿部筋を挫滅損傷した。第1病日から第5病日においては、筋損傷の状態を調べるために血液検査や、吊り上げ、1日3回の寝返り、鎮痛剤投与を行った。これに加え、患部のマッサージ・患部消毒(キトサイド)・患部保湿(チンク油)を1日3回行った。第5病日以降は管理場所をより目が行き届く大学農場に移し滑り止めと敷料を増した。しかし、両後肢は頭側に引き付けられずに尾側方向に流れるため、両後肢を首で牽引する「ネクタイ」を装着した。第16病日に、ホブルが食い込んでいるためプラスチックガードを装着したところその夜自立した。以後は寝返りを行わず、飼養管理の目標を出荷までの期間と変更した。また、第21病日以降はトレイルカメラを用いた行動調査を行った。
【結果】事故翌日4月7日の血液検査では、GOT 6210 IU/l、CK >20000 IU/l、LDH >9000 IU/lと高値を示し、非常に強い筋損傷が疑えた(患部の皮膚が象皮状で硬化しており、痛みが強くエコー診断は行わなかった)。しかしながら献身的な看護と、ネクタイとプラスチックガードという創意工夫により自力で起立したことから、出荷を目標に方針変更できた。その後肥育し、779日齢で出荷を行った。枝肉等級はA-2であった。また、廃棄された部分は両後肢で約10㎏程度であった。
【考察】今回の症例から、家畜の回復には牛の状態(能力)と獣医師の診断治療、および飼養者の意志と労力(看護力)、これらの三要素がうまくかみ合う必要があることを痛感した。また、管理者側は人的ミスの要因をなくし、リスク管理を徹底することがそもそも大事であることも改めて認識した。
肥育中期の肉牛に対して、両後肢下腿部筋損傷・起立不能状態から、獣医師と部員による“治療と看護を皆の総意で”行い、生産動物として利用する(肥育・出荷まで成就する)ことを実体験した。

一般演題2
有孔ラバーマットの可能性

阿部 紀次1 佐藤綾乃2 片山正幸5 稲森 剛3 小松 真人4 森田 茂4 加藤 敏英2 
1.(株)トータルハードマネージメントサービス2.酪農学園大学獣医学類生産動物医療学, 3.同大附属農場, 4.同大家畜管理・行動学,5.有限会社カタヤマ
【はじめに】牛の起立時の行動学的研究では、体重のほとんどを前膝が負担した直後、後肢の蹄尖付近の小面積で大きな接地圧を負担することが解析されている。そこで、牛床面には高圧力を受けた際に変形する性質が望まれる。分娩前後、起立横臥行動がおぼつかない牛や、起立異常を呈する牛への治療・看護方針は、①基礎疾患の治療、②体圧分散、③安静を確保し、出来るだけ速やかに回復させて群に戻すことである。そこで、分娩や治療を行うための独房を有している農場は多い。一般的な独房での体圧分散(クッション性)はゴムマットや、敷料で行われているが、衛生にも考慮が必要で、体圧分散との両立は容易ではない。そこで今回、雪国の玄関マットや、搾乳パーラー内の人用クッションに用いられている「有孔ラバーマット(以下有孔マット)」を牛独房の床面に応用して、その有効性を症例で試してみた。さらに、有孔マットが削蹄枠場出口で足を滑らせることを予防できるかどうかも観察した。
【材料および方法】症例1:蹄底潰瘍。症例2:低Ca血症。症例3:腹膜炎・飛節関節炎。症例4:低Ca血症(腰角欠損)について検討した。症例1,2は酪農学園大学附属農場の牛房、症例3は同大附属家畜病院の入院房、症例4は同大学附属高校農場の牛房であり、それぞれにおいて、有孔マット設置前の床面は、症例1,2および4(2ヵ所の牛房)の床面は薄いゴムマットであり、症例3ではコンクリートで、いずれも約20㎝厚さの麦ワラが敷料として使用されていた。有孔マットの設置前後での起立動作を動画撮影して比較した。
他方、北海道のある農場での全頭削蹄時の蹄病調査時に、1台の枠場出口にマットを1枚設置し牛の行動を動画撮影した。
【成績】有孔マット設置前、全症例の体躯の下には敷料が存在していたが、後肢端の敷料は足先で掻き除かれ(必然的)下地が露出していた。症例1,2,3では有孔マット設置前の起立時に、後肢蹄尖が鉛直方向に床面を押そうとして滑ったが、持ち直して何とか起立した。症例4は横臥虚脱状態であった。その後有孔マットを設置したところ(1.5x1.0mx6枚)(麦ワラは比較的少量使用)、翌日の起立時には全症例ともに比較的スムーズに起立できた。ただし、マット同士の連結が不十分だと無効であった。
削蹄時、枠場出口の設置した事例では、「敷いてなければ、ひょっとしたら滑走していたかもしれない」例が観察できた。
【考察】足元が不安定で、疼痛を感じれば牛は寝たまま起きないし、逆にずっと寝ないこともある。起立して十分な食餌や水摂取が行われ、ストレスのない環境でゆったりと横臥反芻することで産後や疾病からの回復も早まる。逆に、軽度の低Ca血症や神経麻痺のはずが、大きな滑走や予期せぬ乳頭損傷を誘発して予後が一変することもある。有孔マットは設置が簡単なので牛が換わるたびに清掃することが可能である。分娩牛はさっさと群に戻り、治療牛は早くよく治れば牛房利用回転が良くなる。すなわち起立行動が改善することは、牛の居住環境および治療環境の改善につながると期待できる。
また、削蹄枠場から退出する牛の中には慌てて滑りかける牛もいる。枠場出口の有孔マットは、最初の一歩目を落ち着いて踏み出させることに繋がることが期待できた。

一般演題3
乳牛の同一肢両側蹄角質疾患に対する

部分的蹄底ブロック装着とキャスト固定の併用療法
菊池(キクチ) 允人(マサト)                         
千葉県 ちばNOSAI連
【背景】蹄角質疾患の治療において患肢蹄の健康側底面に木製ブロックを装着する方法は有効であるが,患肢の内外両側の蹄に病変部のある場合は不適であり,接地面を確保し病変部の安静を保つことが困難である。本研究ではそのような蹄角質疾患に対して,部分的な蹄底ブロックの装着と蹄全体のキャスト固定を併用した治療を試みた。
【材料および方法】1)対象:2015年7月から2019年7月に,管内7酪農家で飼養され患肢の内外両側の蹄に病変があり,重度の跛行を示した蹄角質疾患罹患牛7頭7症例。
2)処置および材料:枠場にて患畜の患肢を拳上し,内外蹄の病変部を確認した後,一方の蹄の病変および疼痛のない蹄尖部にのみ,長軸に対して垂直に鋸断した木製蹄底ブロックを装着した。病変部に抗生物質および軟膏を塗布し,ブロック装着面を除いた蹄底に緩衝剤として脱脂綿をブロックと同程度の厚さになるよう当て,下巻きとして伸縮性包帯を巻いた。その後蹄全体および副蹄を被覆するようにグラスファイバー製キャスティングテープ2本を巻き,水をかけてモールディングした後,患肢の保定を解除して自然な起立姿勢で硬化させた。処置後10日程度の経過観察の後,枠場にてキャスト,伸縮性包帯およびブロックを除去し,必要があれば脱脂綿と伸縮性包帯のみを用いて再度治療を行った。経過観察中に跛行が悪化したものは本法による治療を中止した。
【成績】罹患肢は全症例で後肢であった。7症例中6症例では処置直後から跛行が改善し,キャスト除去時には病変部の疼痛減少,角質形成が認められ,その後治癒となった。治癒しなかった1症例は蹄深部感染があり,本法を中止した後,通常の蹄病治療と抗生物質の全身投与を継続したが完治せず淘汰された。7症例中5症例では反対側の後肢にも角質病変がみられ,通常の蹄病治療を実施した。
【考察】同一肢の両側蹄に病変があった7症例に対して,蹄底ブロックの部分的な装着とキャスト固定を併用した結果,6症例で良好な治療成績が得られた。その内3症例は既に通常の蹄病処置が実施されていたが,本法の実施により経過が好転した。ブロック,脱脂綿,キャスト固定の併用により病変部への圧迫や歩行時の刺激など,創傷治癒の阻害要因が軽減されたことが有効であったと推察された。深部感染を伴う症例は適応ではないと考えられ,本法を実施するにあたっては慎重に病態を見極める必要がある。

一般演題4
初産牛の蹄角質疾患とゲノム情報との関連

株式会社ノースベッツ
中村聡志
【はじめに】蹄病予防においては、栄養管理、施設、削蹄、跛行牛の早期発見・早期治療が重要とされている。また、これらの要因に関する多くの研究報告があり、酪農現場でも実践されている。このような蹄病予防策が実践されている中で、蹄病に罹患しない牛がいる一方で、同じ餌、同じ環境で管理されていても蹄病に罹患する牛が一定割合存在する。つまり、蹄病は外的要因と牛の生体との相互作用によって発生する複雑な疾病であり、その制御には牛側の要因も考慮する必要がある。しかし、牛側の要因と蹄病に関する研究報告は少なく、酪農現場で実践可能な方法は提案されていない。本研究は、初産牛の蹄角質疾患罹患と、ゲノム情報との関連を明らかにすることを目的として、全頭ゲノム検査を実施している1酪農場において初産牛の蹄角質疾患とゲノム情報との関連を解析した。
【材料および方法】研究対象の酪農場は、北海道湧別町の経産牛約240頭の1軒のフリーストール農場である。この酪農場において、2015年9月から2019年7月の間に分娩した初産牛でゲノム検査を実施した400頭の内、1年間で3回以上削蹄が実施された114頭を対象牛とした。ゲノム検査は、血液、もしくは組織サンプルをZoetis社(アメリカ)に送り、その結果を得た。3回の削蹄記録において、一度でも蹄底潰瘍/白帯病の記録があった牛を蹄角質疾患あり、なかった牛を蹄角質疾患なしとした。解析は、一般化線形モデルで実施した。蹄角質疾患の有無を従属変数とし、ゲノム検査の結果(DWP$、Milk、LR:Rear Legs Rear View、FA:Foot Angle、FLS:Feet/Legs Score)、初産分娩月齢、305日乳量を独立変数として、オッズ比(OR)と95%信頼区間(95%CI)を算出した。変数の選択は、AIC(赤池情報量規準)を基準とし、AICが最小となるモデルを選択した。統計ソフトはR Studio 2022を使って解析した。
【結果および考察】3回の削蹄記録から、蹄角質疾患ありは37頭、蹄角質疾患なしは77頭であった。一般化線形モデルのモデル選択では、DWP$、Milk、305日乳量の3つの組み合わせが最小AICモデルとして選択された(AIC=116.42)。解析の結果、Milk(OR:1.040, 95%CI:1.012-1.072)とDWP$(OR:0.995, 95%CI:0.992-0.998)が統計的に有意な因子として抽出された。結果から、ゲノム検査結果を基準とした改良及び選抜により、蹄病に抵抗性が高い牛群をつくれる可能性が示唆された。また、今回の研究では、114頭という比較的少ないサンプル数にも関わらず、初産牛の蹄角質疾患とゲノム情報との関連が確認された。今後、さらにサンプル数や研究対象農場を増やして、同様の結果が得られるのか検証していく必要がある。

一般演題5
乳牛の同一肢に生じた内外蹄病変に対してハーフリムキャストを行った13症例

鳥羽雄一
知多大動物病院 三重分院
【はじめに】乳牛の能力を最大限発揮させるため、またアニマルウェルフェアの観点から跛行の早期発見治療は重要視されている。多くの蹄病(角質病変)は早期発見と適切な治療で、疼痛を取り除き治癒へ向かわせることができる。
角質病変において、健康蹄にブロックを装着し病蹄に負重がかからなくする治療方法が一般的に用いられているが、ブロックの装着が不可能・ブロックを装着するもブロック下に病変ができてしまいブロックを除去するしかなく、病変部の免重が不可能な病変では治癒に時間がかかり、疼痛コントロールの不十分により採食量の低下・乳量の低下を引き起こし廃用のリスクが上昇する。本症例ではこれらの病変に対してハーフリムキャスト(キャスト固定)を実施し治療効果が認められたので報告する。
【材料および方法】平成29年5月~平成29年11月に管内3農場で治療依頼のあった症例のうち、ブロックが装着できなかった8症例(SUSU2、SFSU2、SFうすい1、SFWD1、うすいTU1、TUTU1)、ブロック装着するもブロック下に病変ができてしまった5症例(ハードシップライン1、TU2、SF1、WD1)に対してハーフリムキャストを実施した。治療は削蹄・病変部の処置(病変部の開放・薬剤塗布・伸縮包帯でバンテージ)を行った後、オルソラップ3号(10㎝×3.6m)が2~3層になるように下巻しその上に伸縮包帯をオルソラップが半分くらい沈みこむように圧をかけながら巻き、その後キャストライト4号を転がしながら軽い緊張を加えつつ飛節下もしくは前膝下から蹄尖までを完全に覆い丁寧にモールディングしながらキャスティングした。キャストライトαは多くの症例で4本用いた。
悪化が見られなければ1週~3週の間隔でキャストを交換しつつ跛行と角質化の経過を見ながら治療を行い、病変部に十分な角質化が見られたら、その後の経過を観察した。【成績】10症例ではキャスト除去後、病変部は十分な角質化をしており治癒と判定した。2症例ではキャスト除去後、病変が軽度な蹄に十分な角質化がみられたため再度ブロックを装着しその後治癒した。1症例では跛行は改善されたが低泌乳を原因に治療期間中に廃用となった。
【考察】人医療においてギブス固定の目的は安静、固定、矯正、免荷とされている。本症例においては、ハーフリムキャストにより病変部への負荷の軽減が、疼痛のコントロール・角質化を妨げる刺激の除去・血流障害の予防を行うことできたことが治癒につながったと思われる。

一般演題6
ホルスタイン種育成牛の趾皮膚炎多発農場における治療効果の検証

角田偵徒1)前田涼汰1)山田紗也1)村上高志1)久津間正登2)阿部紀次3)佐藤綾乃1)1)酪農大生産動物医療学 2)(有)久津間装蹄所 3)トータルハードマネージメントサービス
【はじめに】感染性蹄病変である趾皮膚炎(DD)が酪農業に与える経済的影響は大きく、環境改善や予防が重要であるものの、現代の飼養形態では環境改善は難しく個体治療が不可欠である。今回、育成牛群のDD多発農場において抗菌薬による個体治療結果を報告する。
【材料および方法】試験農場はフリーストール酪農場で年3回の定期削蹄を行っており、観察期間は2021年4月から2022年4月の定期削蹄まで、2021年4月の育成削蹄牛34頭を試験対象とした。病変評価はMステージ分類に基づき正常:M0, 活動性(aDD):M1/M2/M4.1, 治癒:M3, 慢性:M4とした。調査1では、DD肢36肢を対象に2021年4月から8月の削蹄間に2種類の抗菌薬による個体治療を4回行い、各調査日におけるMステージを抗菌薬間で比較することで2種類の抗菌薬治療効果を検証した。aDD治療について、削蹄ではミネラル製剤をスプレー塗布し、抗菌薬治療ではオキシテトラサイクリン(OTC):20mg/gもしくはセフチオフル(CTF):40mg/gを白色ワセリンに練り込んだ2種類の軟膏どちらかを選択し塗布した。調査2では、aDD肢36肢中後肢27肢と同時期削蹄育成牛でM0後肢41肢の経過を比較した。統計処理としてχ二乗検定もしくはFisherの直接法を用い、P<0.05で有意差ありとした。
【結果】調査1では、aDDは観察開始2週間後には有病率0%まで減少し、抗菌薬治療期間内では2.8%に留まったが、最終治療から2か月の間隔が空いた4カ月後の削蹄では22.2%まで増加した。OTC治療群22肢とCTF治療群14肢による抗菌薬治療の比較において、aDD、M0、M4肢数に有意差は認められなかった。調査2において、aDD肢はM0肢に比べ8カ月後も有意にaDDの割合が高かった一方で、M0肢はaDD肢に比べ4,8,12カ月後もM0の割合が有意に高かった。
【考察】抗菌薬によるaDDの個体治療は一見すると良好な結果が得られたが、M0に推移せずM4に推移する肢が半数程度生じたことから、真の治療効果については課題が残る結果となった。CTFは、OTCと同等の治療効果しか示さず優位性は認められなかった。一方で、初回観察でM0だった肢の多くがM0で推移したことから、育成初期における予防の重要性が示唆された。

一般演題7
自作鎌型蹄刀の耐荷重試験について

有限会社 久津間装蹄所 久津間正登
トータルハードマネージメントサービス 阿部紀次
【はじめに】祖父が北海道で馬の装蹄から始めた家業は私で3代目となり、現在では年間18,000頭の牛削蹄を、日本の伝統的削蹄方法で行っている。すなわち、欧米のような保定枠を使わず単独保定で、鉈と鎌型蹄刀(以後鎌とする)を主に用いる方法である。単独保定で削蹄する場合、いかにも素早く・正確に・静かに蹄負面の削切を行う必要がある。そのために鎌の切れ味と耐久性は必須である。鎌は、昭和6年(1931年)に旧日本陸軍によって単独装蹄用に製作された日本独自の削蹄用具である。比較的非力な日本人でも扱えるようにテコの原理を応用できる鎌型になっており、鋭い切れ味を持つように刃先は鋼になっている。現在入手可能なのは、市販の量産品と、ほんの数名の削蹄師が自作しているものである。私も、祖父を知る佐藤寛信先生から鎌の製作方法を教わり、受け継いだ方法で自作している。
【目的】鎌は切れ味と強さが必要である。量産品は、切れ味は良いものの、使用している間に折れることがあると聞く。そこで、自作の鎌が量産品とどう違うのか。今回強度について試してみたので、その概要を報告する。
【材料および方法】試験には、量産品(I);佐藤師匠の造った品(S);自作品(K)、それぞれ3丁ずつを用いた。実際に削蹄時にかかる耐荷重を再現するように、鎌の刃が入るよう角材に切り込みを入れ、刃を固定し、刃の付け根から170㎜の柄の部分に金具を取り付けて引っ張ることで実験を行った。鎌とレバーブロックの間に測定器をはさみ、レバーブロックで荷重をかけると、荷重のピークで明瞭な音がして限界点が観測された。それぞれの鎌の耐荷重の平均と標準誤差を求め、ペアワイズの多重比較t検定を統計ソフトRで実施、検討した。
【結果】耐荷重試験において(I)23.7±3.1 Kg;(S)45.3±4.0 Kg;(K)は73.7±2.5 Kgであり、(I)-(S)間、(I)-(K)間、(S)-(K)間で、それぞれ統計学的に有意差を認めた。したがって丈夫な鎌を造る上で、自作の(K)は比較的に優れた強度を持つことが分かった。
【考察】(I)では刃(地金と鋼が貼り付いた板を打ち抜いたもの)と首を溶接していて製作する。対して(S)および(K)は1本の軟鋼に鋼を着け、その1本を曲げながら鍛造してする(鋼が首の部分まで入る)。そのため(S)および(K)は(I)よりも丈夫であった。すなわち、佐藤先生に伝授された1本から造る方法は手間がかかるが、強いということが証明できた。さらに(S)よりも(K)は、首幅を1.7mm太く改良したことが強度向上につながったと思われた。この自作鎌を、今後とも心を込めて作製し、鎌で削蹄を行う人たちへ1本でも多く提供し、伝統的な日本の削蹄を今後とも自信をもって伝承していきたいと考えている。なお、切れ味については今後の課題としたい。
【謝辞】丹精込めて造られた鎌を壊す実験にご賛同くださった今井製作所、師匠の佐藤先生に深謝致します。

一般演題8
蹄ブロックの失敗例

沖田 太一
有限会社ライズ
 蹄病処置において、蹄ブロックを健康蹄に装着することは患部を免重し治癒を促進するために有効な手段であるが、着け方を誤ると逆効果の場合がある。今までの経験から失敗例を紹介したい。
ケース1: 健康蹄だと思ってブロックを装着したが、装着した蹄にも蹄病があった
  対策 ブロック装着前にテスター(検蹄器)で痛みがないかチェックする
 (正しい削蹄とマドリングをせずにブロックを着けると、蹄病を見逃しやすい)
ケース2: ブロックが蹄病のある蹄側に干渉している
  対策 干渉しない位置に装着する。干渉の可能性がある部分を削り、調整する
ケース3: 健康蹄の負面、またはブロックの面が蹄病のある蹄側に傾いており、患部が免重できていない
  対策 ブロックの面が趾軸に垂直あるいは患部が免重できるように削り傾ける
ケース4: 長期間、装着していて健康蹄に新たな蹄病が発症してしまう
  対策 必要がなくなったら速やかにブロックを外す

演題番号9
市販虫除けスプレーによる牛体への忌避効果
福島県装削蹄師会  中野目正明
削蹄作業中、競技会のハエ、さしばえ、アブ、蚊の防虫殺虫対策については通常市販の殺虫スプレー(キンチョール等)を用いて殺虫しているが現状です。殺虫スプレーの使用では、使用薬剤、ストレスにより気分が悪くなったり、頭が痛くなる方も多いのではないでしょうか。
何か良い物がないか?
市販虫除けスプレーを試してみました。
まず比較から
殺虫スプレー  成分ピレスロイド  価格¥500程度  使用頭数90頭程度
虫除けスプレー 成分ディート   価格¥400程度  使用頭数100頭程度
虫除けスプレーの方が安全性、経済的に有効であります。
動画流します。
わかりやすいように管にスプレーしてみました。これは九月に撮影したものです。管にハエが付いていますが、虫除けスプレーかけると瞬時に居なくなります。スプレーがからないかった藁の部分にはまだハエがいます。効果が一時間は続きます。動画はありませんが、アブにも同じ結果が出ています。噴霧量は微量(サッとかける程度)で効きますので、気分が悪くなることもありません。
これは、削蹄はもちろんのこと、共進会、セリ、測尺、人工授精、診察、競技会、等にも応用できるのではないでしょうか

一般演題10
牛の抗菌性蹄ソックスの開発と装着効果の検討
  
〇磯日出夫1)、山下洸輝1)、北山しおり1)、内山史一1)成田卓2)、木村隆太3)
磯動物病院、2)野澤組、3)イフォス
はじめに
近年、乳牛の疾病は著しく減少傾向にあると言われている。その要因として、飼養管理技術の向上と遺伝的ゲノム改良の成果によるものとされている。しかし、蹄病については飼養管理に加えて牛舎環境の劣悪性に起因するところが大きいため、発生を減少させることは困難な場合が多い。よって、牛削蹄師による早期の定期蹄検査と処置で対応していることが一般的である。その時に蹄保護および蹄病処置の目的で、伸縮性包帯の使用が汎用されているが、それ自体には抗菌性はなく、耐久性が低いとの問題点がある。そこで今回、蹄保護および蹄病治療効果の目的で、蹄ソックスを考案したのでその概要について報告する。
材料および方法
蹄ソックスの素材はナノレベルの多孔性物質に純銀と純銅を担持させた繊維で編んだもの。従来の銀イオンによる抗菌性繊維にくらべて、今回のものは表面の銀の露出面積が高く、さらに高い抗菌・抗ウィルス性を有し、高い耐久性のあるものを供した。また、形状はソックス型で、外蹄および内蹄部分は露出させ、副帝まで被覆できるもの。性質は伸縮性があり、蹄の大きさにより密着させるためにそれぞれS,M,Lの3種類を供した。試験対照として、汎用されている伸縮性バンテージを用い、試験区1の蹄保護として、装着性、脱着性、持続性、耐久性。試験区2の蹄病治療効果は蹄低潰瘍、疣状皮膚炎、趾間腐乱について比較した。
成績 

試験1抗菌性装着性脱着性耐久性持続性
対照区××××
試験区
試験2蹄低潰瘍疣状皮膚炎趾間腐乱
対照区
試験区×

考察
今回の試験では十分な期間および多くの個体で行うことは難しい状況であったため、詳細な試験結果は得られず、主観的な結果となった。蹄保護での結果では蹄ソックスは有用であった。しかし、蹄病治療効果では蹄ソックスでの抗菌性の特徴による違いは不明であったが、疣状皮膚炎および趾間腐乱による有用性は蹄ソックスによる保護性によるものと考えられた。よって、今後さらなる詳細な試験および客観的なデータの必要性があるものと考えられた。

一般演題11
護蹄研究会の削蹄法私案

削蹄塾 わたりがらす
眞鍋 弘行
目的
日本装削蹄協会の削蹄法は、単独保定による削蹄を中心に構成されている。つまり、保定枠場・電動グラインダーを用いず、鉈・鎌等による削蹄法である。しかし、枠場・グラインダー削蹄ならば、単独保定では作業が難しい牛でも、固い大きい蹄でも、さほどの個体差による違いはなく削蹄できる。道具は違っても、牛は同じなのだから削蹄の結果、つまり出来上がった蹄は同じでなければならない、という考え方もあるが、グラインダー削蹄用の削蹄法を導入すべきだと考える。
削蹄の目的
平らな負面を内外蹄それぞれに作る
基本削蹄
 内外蹄の大きさがバランスした、安定した負面を持つ蹄に対する削蹄法
蹄の最大横径部と同じ長さを負面の後端部から測り、
蹄の中線と直角になるように内外の蹄尖を切る。
切断面は負面と45度になるようにする。
蹄尖の断端の厚さを5mmとり、負面の後端に向かって
平らな面を作る。今ある負面の蹄尖部を削り蹄角度を立てる。
蹄尖に蹄形に合った丸みを持たせる。
土踏まずを作る位置は最大横径部の仮想線上の軸側から
外蹄1/2、内蹄1/3を削り内外蹄の負面面積がバランス
するようにする。深さはゆで卵の半割をイメージして
削り取る。土踏まずの先端は軸側蹄壁の終わる
ところ(軸側溝の始まるところ)より先には作らない。
討論
一つの削蹄法に集約するのを目的とせず、討論の中で各自の
削蹄法を言語化することで、より良い削蹄法を作り上げてはどうだろうか。


第22回護蹄研究会(2022/10/29・30

第22回護蹄研究会(2022/10/29・30:日本獣医生命科学大学)
が無事終了しました。関係各位、ご協力いただいた企業の皆様、ご参加された皆様にあらためて感謝いたします。
「ウシの蹄を取り巻く現状認識」についての基調講演・話題提供もありがとうございました。
また、総会では私、阿部紀次の会長と副会長(石賀・中村)を含む新体制が承認されました。昨年8月からの2年が任期ですが、その間出来るだけのことをしたいと身を引き締めたところです。現在「護蹄研究会公式ホームページ」のリニューアル中です。「活動」の部分からお知らせや技術・情報まで、幅広く、“敷居を低く”発信できたらと思っています。お問合せのコーナーからお寄せ下さった内容を、会長・副会長・事務局長がチェックしできるだけ速やかに更新・掲載する方針です。

★今回の護蹄研究会のプログラム(抄録集)を掲載いたします。さらに、発表演者から了承を得た内容についてご発表内容のPDFを掲載いたします。技術の発展のためご許可頂いた貴重なものですので、公開・伝達には細心のご配慮を頂き、むやみな拡散はお止めください。

★次回(第23回)の護蹄研究会ですが、条件が許せば「北海道(札幌)大会」が開催できないかと考えております。理事会では、「東京大会も利点は多い」との意見も出ました。もちろん今回の大会も申し分はございません。しかしながら、「もう少し時間が欲しい」「実習形式で技術論を深めたい」との意見も多くありました。今から調整に入り、進行具合は追々ご報告いたします。

国際蹄病学会の抄録 日本語訳

酪農学園大学獣医2年落合勇斗訳(阿部紀次監訳)

訳者注:右端のページ番号は原版のものです。翻訳は演題番号に適合しています。

ようこそ……………………………………………………….. 7

Lameness In Ruminants Conference 2022 実行委員会……………………………………………………….. 8

科学的審査委員……………………………………………………….. 9

スポンサー……………………………………………………… 11

企画団体……………………………………………………… 12

1. 牛群レベルでの蹄の健康状態を示すグラフィカルユーザーインターフェースの開発と利用

Peter Raundal1 and Tine Hejgaard Sorensen2 ,1 SEGES Innovation P/S, Livestock Innovation, Aarhus N, Denmark,2 SEGES Innovation P/S, Digital, Aarhus N, Denmark………………………………………… 13

2. 行動が制限された環境で飼育された臨床的に跛行していない牛の歩行と蹄の健康に、屋外へのアクセス頻度の違いはどのように影響するのか?……………………………………….. 15

Shabnaz Mokhtarnazif1 and Elise Shepley2 ,1 McGill University, Montreal, Quebec, Canada,

2ミネソタ大学獣医学部(米国ミネソタ州、セントポール市

3. 3Dキネマティクスと機械学習アプローチによる乳牛の運動能力予測………………………17

エルザ・ヴァスール、ディラン・ルバットゥ、アマンダ・A・ボーツウェイン・ジャック

4. カメラによる自律行動のスコア推移に基づく早期介入プロトコルの評価……………………………………………………… 19

Gerard Cramer、Elise Shepley(ミネソタ大学獣医学部、米国ミネソタ州セントポール市

5. 泌乳期ホルスタイン牛における趾皮膚炎感染と遺伝子変異の相関による遺伝子抵抗性の予測評価…………………………………………………………………………………………………………21

バーバラ・ジョーンズ、グレース・キャニー(タールトン州立大学、テキサス州スティーブンビル、米国

6. 乳牛の跛行検出における音による手法の活用を模索する……………………………………………………… 22

バーバラ・ジョーンズ、ハイサム・アブ・ガザレ、タールトン州立大学、米国テキサス州スティーブンビル

7. センサー技術を用いた乳牛の跛行の初期指標としての行動パターンの逸脱……………………………………………………… 23

Nokuthula Mhlongo, Henjo de knegt, Wageningen University & Research, Wageningen,

Netherlands

8. 乳牛の最初の3泌乳期における趾脂肪クッションの超音波画像化……………………………………………………… 24

A.プロマー、A.フィードラー、J.マイアール

9. カメラによる運動量スコアと蹄病変の全国データベースへの組み込みに関する予備的評価と進捗状況……………………………………….. 26

K.L. Parker Gaddis1 , J.F. Burchard1 , E. Shepley2 , R. McMillan3 , and G. Cramer2 ,1 Council on Dairy Cattle Breeding, Bowie, Maryland, USA,2 University of Minnesota, St.Paul,

Minnesota, USA,3 CattleEye, Belfast, United Kingdom

10. 乳牛の跛行の初期兆候を特定するためのBluetooth対応マルチモーダルセンサボード、データ収集ソフトウェアスタック、機械学習モデル……………………………………….. 27

Santosh Pandey, Jan Shearer, Iowa State University, Ames, Iowa, USA

11. PythonのLibrosaを用いた牛の発声の音声信号解析とgradient

boostingアルゴリズムによる跛行牛の異常音シグニチャの特定……………………………………………………… 29

Richa Pathak, Jan Shearer, Iowa State University, Ames, Iowa, USA

12. 広帯域赤外線サーモグラフィによる立位乳牛後肢のM2趾皮膚炎病変の検出について……………………………………………………… 31

Arne Vanhoudt1 and Casey Jacobs2 ,1 Animal Health Service, Driebergen-Rijsenburg, Netherlands,2 More Than Just Feed, Calgary Alberta, Canada.

13. 行動制限のある環境で飼育された非臨床跛行牛の歩行と蹄の健康に及ぼす1日1時間の屋外アクセスの有効性の検討……………………………………….. 33

Amir Nejati1 and Elise Shepley2 ,1 McGill University, Montreal, Quebec, Canada,2 University of Minnesota College of Veterinary Medicine, St. Paul, Minnesota, USA.

14. ビデオ解析による歩行牛の体勢推定と跛行の視覚的徴候の特定……………………………………………………… 35

Ankita Ankita、Jan Shearer、アイオワ州立大学、アイオワ州エイムズ、アメリカ

15. 乳牛の趾皮膚炎に対するリアルタイム物体検出アルゴリズムの比較解析

………………………………………………………. 37

Srikanth Aravamuthan, Preston Cernek, Kelly Anklam, and Dörte Döpfer, University of Wisconsin School of Veterinary

Medicine(ウィスコンシン大学獣医学科).アメリカ、ウィスコンシン州マディソン

16. クレフタベット-趾間裂のコンフォメーション評価……………………………………………………… 39

Nynne Capion、Victor Daniel コペンハーゲン大学(デンマーク、コペンハーゲン

17. 中西部上流域の未経産牛におけるコークスクリュー・蹄症候群の有病率とリスクファクター………………………………………………….. 41

Nigel B. Cook, Adam Strebe, and Kyle Karlen, University of Wisconsin-Madison, School of Veterinary Medicine, Madison, Wisconsin, USA.

18. 行動性の変化した肉牛における蹄葉のグローバルトランスクリプトーム評価……………………………………………………… 43

Marcela M. de Souza1 , Paul Plummer2 , Hamid Beiki1 , Jennifer, Schleining3 , Jan Shearer2 , Michelle Calvo-Lorenzo4 , and James E. Koltes.Koltes1 ,1 Department of Animal Science, Iowa State University, Ames, Iowa, USA,2 Veterinary Diagnostic and Production Animal Medicine, Iowa State University College of Veterinary Medicine, Ames, Iowa, USA,3 Texas A&M University College of Veterinary Medicine, College Station, Texas, USA,4 Elanco Animal

Health, Hudson, Ohio, USA.

19. 高運動量体重牛の蹄葉の強度と歪みに関する研究……………………………………………………… 45

Jennifer A. Schleining1 , Ray J. Lee2 , Paul J. Plummer2 , Jan K. Shearer2 , and Michelle Calvo- Lorenzo3 ,1 Texas A&M University, College of Veterinary Medicine, College of Texas, USA,2 Department of Veterinary Diagnostic and Production Animal Medicine, College of Veterinary Medicine, Iowa State University, Ames, Iowa, USA,3 Elanco Animal Health, Hudson, Ohio, USA.

20. 乳牛の跛行歴と低いボディコンディションスコアは、磁気共鳴画像法で測定される趾クッション体積の減少と関連している47。…………………………………………………………..

James Patrick Wilson, L.V. Randall, M.J. Green, C.S. Rutland, and C.R. Bradley, Herd Health Consultancy, Cornwall, United Kingdom.

21. 泌乳動物の前肢に発生した大きなメラノーマの腫瘤……………………………………………………… 49

H.Ruiz1 , D. Zalduendo2 , P. Cano1 , M. Vitoria3 , E. Perez1 , A. Rodrígez-Largo1 , L. Luján1 , A. González2 , and D. D.Lacasta1 ,1 Veterinary Faculty of Zaragoza, Zaragoza, Spain,2 ANKA,

Orcoyen, Navarra, Spain,3 Tauste Ganadera Originia Foods, Zaragoza, Spain

22. サンクチュアリで問題となる跛行 -事例研究……………………………………………………… 51

Andrea Fiedler1 , Katharina Grimm1 , Charlotte Kröger1 , and Johann Maierl2 ,1 Praxisgemeinschaft für Klauengesundheit / Hoof Health Associates, Munich, Germany,2 Department of Veterinary Sciences, University of Munich, Munich, Germany.

23. ホルスタイン・フリージアンの未経産牛の蹄骨骨折の治療に関する症例報告……………………………………………………… 53

Charlotte Kroger, Praxisgemeinschaft für Klauengesundheit / Hoof Health Associates,

ミュンヘン, ドイツ

24. 乳用ヤギの削蹄時に発見された足病変の調査……………………………………………………… 55

Richard Laven, Neil Chesterton, Massey University, Palmerston North, New Zealand

25. 実際の跛行スコア。カテゴリーを増やせば、より良いデータになるのか?……………………………………………………… 57

Richard Laven, Neil Chesterton, Massey University, Palmerston North, New Zealand

26. 乳用ヤギの足病変に対する抗生剤不使用の治療法……………………………………………………… 59

Daisy Roijackers、Anne  Seinhorst、Intracare、Veghel、オランダ

27. 飼育下のエルクにおけるトレポネーマ関連蹄病の環境伝播……………………………………………………… 61

Margaret Wild、Zachary Robinson(ワシントン州立大学、米国ワシントン州プルマン市

28. COM-Bモデルによる農家とアドバイザーの跛行管理行動の探索……………………………………………………… 62

Beth Clark, Niamh Mahon, ニューカッスル大学, 英国、ニューカッスル・アポン・タイン

29. 牛のオークションにおけるDDの普及状況調査-

外部家畜の購入による農場へのDD導入のリスク……………………………………………………..64

Andrea Fiedler1 , Katharina Grimm1 , Charlotte Kröger1 , and Johann Maierl2 ,1

Praxisgemeinschaft für Klauengesundheit / Hoof Health Associates, Munich, Germany,2 Department of Veterinary Sciences, University of Munich, Munich, Germany.

30. 乳牛未経産牛における初産前5週間の運動とコンクリート上での起立が初回跛行発生までの時間に及ぼす影響を検討した無作為化臨床試験…………………………………………….66 Winston Mason1 and Richard Laven2 ,1 VetEnt, Waikato, New Zealand,2 Massey University, Palmerston North, New Zealand.

31. アンターゲットメタボロミクスによる乳牛未経産牛の跛行予測……………………………………………………… 68

Laura Randall and Martin Green, University of Nottingham, Nottingham, United Kingdom

32. ホルマリンフットバスに対する一つの健康観……………………………………………………… 70

Arne VanhoudtとEsmée Janssen(オランダ、Driebergen-Rijsenburg、Animal Health Service

33. 牛趾皮膚炎病変のMスコアのためのオンライントレーニングツール……………………………………………………… 71

Arne Vanhoudt1 and Dörte Döpfer2 ,1 Animal Health Service, Driebergen-Rijsenburg, Netherlands,2 University of Wisconsin School of Veterinary Medicine, Madison, Wisconsin, USA.

34. オランダの19の酪農家におけるリスク評価と獣医師のアドバイスによる趾皮膚炎の管理に関する観察研究72。……………………………………………………………………………………….

Arne VanhoudtとKarin Orsel(オランダ、Driebergen-Rijsenburg、Animal Health Service

35. 乳牛跛行の改善に向けたファームアドバイザーの関与と行動の促進

………………………………………………………. 74

Gerard Cramer、Erin

Wynands(米国ミネソタ大学獣医学部、セントポール、ミネソタ州

36. 職場の運動介入による体力向上効果。蹄ケア企業「アンカ」の事例……………………………………………………… 75

D.Zalduendo1 , A. Lecertua.2, G. Delgado-García3 , and O. García-Taibo3 ,1 Duck,2 Witrein,3 Pontifical University of Comillas (CESAG)

37. イングランド北部における畜産動物の跛行の多重スケールな現実……………………………………………………… 76

Niamh Mahon, Beth Clark, University of Hull, England

38. 非劣性試験によるフリーストール乳牛の趾皮膚炎抑制に対する2種類のフットバス濃縮液の有効性の評価(被験薬の有効性が対照薬に比較して劣らないことを示すための試験……………………………………….. 78

Sair Ordaz、Kelly Anklam(ミネソタ大学獣医学部、米国ミネソタ州セントポール市

39. 泌乳初期の乳牛に夏場に使用する新しい水冷式キュービクルマットレスは、牛の行動に影響を与え、跛行の発生を減少させるか?臨床無作為化試験………………………………..80

Anne Relun, Anne Lehebel, Lucas Bougle, Mélanie Tourillon, Nadine Brisseau, and Raphaël Guatteo, Oniris, Nantes, France.

40. 蹄マットによる皮膚保護剤および消毒剤の間欠塗布が乳牛の趾皮膚炎有病率に及ぼす影響について……………………………………….. 82

H.A.G. van den Boomen and R.H.P.H.M. Jansen、MS Schippers、Etten-Leur、Noord-

Brabant、Orland

41. 事例紹介:低ストレスでの牛の扱いに関するトレーニング。スペインの削蹄師に対する認識と影響……………………………………….. 84

Daniel Zalduendo、Adrián González Sagüés、ANKA、Orkoien、Navarra、Spain

42. 乳牛の趾皮膚炎に対する有機酸とティーツリーオイルによる局所治療と認可されたオキシテトラサイクリンによる局所治療の有効性を比較する無作為化対照臨床試験……………………………………….. 86

Nick Bell and Jenny Allan, Bos International Ltd, Long Crichel, England, United Kingdom

43.乳牛の白帯病治療における経皮吸収型フルニキシン・メグルミンの評価……………………………………………………… 88

Roger Bellet Elias、Gerard

Cramer(ミネソタ大学獣医学部、米国ミネソタ州セントポール市

44. USDAオーガニック認可の療法が趾間フランに及ぼす影響の評価……………………………………………………… 90

Cassie Krebill, Jan Shearer, Iowa State University, Ames, Iowa, USA

45. DD病変の予防を目的としたアルミニウムおよび亜鉛を含む製品のミルキングパーラーにおける予防散布の予備的結果……………………………………………………………………………..92

Charlotte Kröger, Praxisgemeinschaft für Klauengesundheit / Hoof Health Associates,

ミュンヘン, ドイツ

46. 牛におけるTylosinの局所静脈内投与による趾間フラン(footrot)の治療法94 …………….

M.Pineda1 , Y. Trillo2 , A. Pico1 , and P. Malet3 ,1 PicoVets, Spain,2 Lideres Bienestar, Spain,

3削蹄師、スペイン

47. ホルスタイン牛の蹄角病変誘発モデルの開発。治療および予防的介入の評価を可能にする跛行研究の次のステップ……………………………………….. 96

Elise ShepleySarah

Wagner、ミネソタ大学獣医学部、米国ミネソタ州セント・ポール市

48. 牛の趾皮膚炎。トリック・オア・トリート……………………………………………………… 98

Arne VanhoudtMirjam Nielen(オランダ、Driebergen-RijsenburgAnimal Health Service

49. USDAオーガニック認証の外用剤による蹄底潰瘍への効果の評価……………………………………………………. 100

Cassie Krebill, Jan Shearer, Iowa State University, Ames, Iowa, USA

50. バイオメカニクス的に設計されたウシの蹄のための新しい装具……………………………………………………. 102

Jan Steils1 and Christoph Mülling2 ,1 Tec2-Fit GmbH, Magdeburg, Germany,2 Institute of Veterinary Anatomy, Faculty of Veterinary Medicine, Leipzig University, Leipzig, Germany.

51. 趾皮膚炎治療における抗生剤代替としての一般家庭用品と新規可逆性殺菌剤..104

Jennifer Wilson-Welder1 , Steven Olsen1 , David Alt1 , Rohana Dassanayake2 , William Hart- Cooper3 , and James McManus3 ,1 Infectious Bacterial Disease Research Unit, National Animal Disease   Center,   Agricultural   Research   Service,   U.S.   Department, U.S.(米国農務省農業研究所動物病害センター、伝染病研究ユニット), U.S.D. Department of Agriculture.2 Ruminant Diseases and Immunology Research Unit, National Animal Disease Center, Agricultural Research Service, U.S. Department of Agriculture, Ames, Iowa, USA,3 Bioproducts Research Unit, Western Regional Research Center, Agricultural Research Service, U.S. Department of Agriculture, Albany California, USA, USA

52. スウェーデン製削蹄機の蹄の形状・寸法に関する性能について

……………………………………………………. 105

Frida ÅkerströmEvgenij ThelezhenkoVäxaUppsala、スウェーデン

53. 削蹄の評価-削蹄方法への適合性……………………………………………………. 107

デンマーク、コペンハーゲン大学 Nynne CapionO.S. Nicolajsen

54. 跛行の進行。有痛性蹄病の初発症状と明らかな跛行との時間的な関係……………….. 109

Katharina GrimmIsabella LorenziniPraxisisgemeinschaft für Klauengesundheit、ミュンヘン、ドイツ

55. 全米削蹄師協会(National Association of Cattle Foot Trimmers)。プロの削蹄師のための英国代表組織…………………… 111

James Patrick Wilson and Neil Barrett, Herd Health Consultancy, Cornwall, United Kingdom

56. 堆肥消化槽のメタン生成細菌に及ぼす蹄浴製剤の影響……………………………………………………. 112

Gerwen Lammers, Intracare, Veghel, オランダ

57. ブラジルの肉牛における足の怪我と姿勢の障害。治療の実際的な展望……………………………………………………. 114

Luciano M. Marega, Marega Hoof Care, Marília, São Paulo, Brazil

ようこそ

21st Symposium and 13th Conference on Lameness in Ruminants

の組織委員会は、皆様を美しいミネソタ州ブルーミントンにお招きすることを歓迎いたします。ミネソタ州は、アメリカ中西部の大都市ミネアポリスの郊外にあり、果てしない自然の美しさ、大河ミシシッピ川の源流、アメリカでも有数の大規模で革新的な酪農場を擁しています。この数年、世界各地で未曾有の出来事や苦難がありました。反芻動物の跛行2022」にご参加いただけることを大変嬉しく思います。初めて参加される方も、21st 、歓迎します。

この国際的なプログラムは、”Embracing Excellence in Mobility and Wellbeing”の最新情報とベストプラクティスを紹介するために厳選されています。カンファレンスでは、様々な講演、ポスター発表、インタラクティブなパネルディスカッション、サマリーディスカッションが行われます。月曜日と火曜日のプレカンファレンスでは

、参加者はクライアントのモチベーションを高めるためのコミュニケーション、削蹄の基礎と応用技術、蹄の健康における栄養の役割など、実践的なワークショップでスキルを磨くことができます。3日間のプログラムは、火曜日の午後、実際に農場で起こっている跛行のケーススタ ディの発表から始まり、参加者のディスカッションを開始します。水曜と木曜のセッションは研究トラックと応用トラックに分かれ、各セッションは対話型のまとめやパネルディスカッションで締めくくられます。水曜日の研究トラックでは、卓越した運動性を取り入れるためのデータ活用について基調講演が行われ、午前後半と午後のセッションでは、削蹄と創傷治癒に話が移されます。応用トラックでは、肉牛と肥育牛における跛行の問題に焦点を当てます。木曜日の午前中の基調講演は、コミュニケーション戦略から始まり、コミュニケーションに関するアブストラクト、リサーチトラックでの小型反芻動物のプレゼンテーションが続きます。木曜日の応用トラックは削蹄師に焦点を当て、フットバスに関する基調講演、削蹄プログラムに関するパネル、蹄の力学に関するショートトークが予定されています。閉会基調講演はダノンのジェニファー・ウォーカー氏が行い、”Excellence in Mobility”について加工業者の視点から語ります。金曜日のポストコンファレンス・ワークショップでは、参加者は地元の革新的で生産性の高い酪農場の見学や、複数セッションによる削蹄ワークショップを、楽しくインタラクティブな形式で体験することができます。

新しい情報、技術、ベストプラクティスを提供するだけでなく、古い仲間に会い、新しい仲間に出会うための十分な時間を提供したいと考えています。この会議の核心は、参加者のユニークで多様な背景と、跛行治療に対するビジョンの共有にあります。

この場をお借りして、スポンサーおよび出展者の皆様に感謝申し上げます。皆様の寛大なご支援のおかげで、このような素晴らしいプログラムを開催することができました。また、科学的査読者の方々にも感謝いたします。演題の審査にご協力いただくことで、この学会を一流の学会にするための科学的厳密さの高い水準を維持することができるのです。

組織委員会では、皆様が帰国される前に、ミネアポリス周辺での滞在を楽しみ、米国を旅する機会を得ていただきたいと願っています。私たちが用意したプログラムを楽しんでいただければ幸いです。

よろしくお願いします!そして、安全な旅を次の会議まで。

Lameness In Ruminants Conference 2022 組織委員会

カンファレンスチェアパーソ

ジェラルド・クレイマー(DVM, DVSc)

ミネソタ大学獣医学部 酪農学科 准教授

クリス・アッシュワース(DVM

ジンプロ社 ディスカバリーリサーチャー(牛肉担当

カール・ブルージ

Save Cows Network/Comfort Hoof Care, Inc.の創設者兼会長

ナイジェル・クック(MRCVS

ウィスコンシン大学マディソン校獣医学部 食用動物生産医学科 教授

アン・ディードリック

ジンプロ社 エグゼクティブ・アシスタント

Dorte Dopfer, DVM, PhD.

ウィスコンシン大学マディソン校獣医学部 食用動物生産医学科 教授

キンバリー・エバート

Save Cows Networkのビジネス開発ディレクター

アルトゥーロ・ゴメス、DVM、PhD

ジンプロ社 ディスカバリーリサーチャー(乳製品担当

ジャスティン・ハウズ

ジンプロ社 グローバルマーケティングマネージャー(反芻胃)担当

ジャン・シアラー(DVM, PhD

アイオワ州立大学 教授・酪農普及獣医師

カサンドラ・ストラップ

ウィスコンシン州プロフェッショナル・デイリー・プロデューサーズプログラム・マネージャー

ジェイミー・サリバン

カナダ、マニトバ州、Rippleview Hoof Care、オーナー、プロの削蹄師

ジェニファー・ウィルソン-ウェルダー(PhD

米国農務省農業研究事業団 研究微生物学者 会議幹事・共同運営者

クリスティ・マッハ

カイル・ウィスクス

スー・シャッツ

ジョディ・サトラー

レニー・ブロート

クリスティ・ニッセン

サンドラ・オルーク

Scientific 査読

デビッド・アルト農林水産省農業研究事業団。 米国農務省アイオワ州エイムズ米国
クリス・アッシュワースジンプロミネソタ州ミネアポリス市米国
ニック・ベルボズ・インターナショナル・リミテッドドーセット英国
ホセ・ボルカート オソルノチリ
ナイン・キャピオンコペンハーゲン大学獣医臨床科学科タウストラップデンマーク
ナイジェル・クックウィスコンシン大学マディソン校マディソン(ウィスコンシン州米国
ジェラルド・クレイマーミネソタ大学ミネソタ州セントポール米国
ロリス・デ・ベッキスミラノ大学 イタリア
ドーテ・ドープファーウィスコンシン大学マディソン校マディソン(ウィスコンシン州米国
ジェニファー・ダンカンリバプール大学獣医科学研究所リバプール英国
マーシャ・エンドレスミネソタ大学動物科学部ミネソタ州セントポール米国
アルトゥーロ・ゴメスジンプロミネソタ州ミネアポリス市米国
ジョン・ハクスリーマッセイ大学パーマストンノースニュージーランド
ヨハン・コーフラーウィーン獣医科大学 家畜・獣医公衆衛生学科ウィーンオーストリア
  シャロレット・蹄ガー  ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン校  ミュンヘン  ドイツ
リチャード・レイヴンマッセイ大学パーマストンノースニュージーランド
ルチアーノ・マレガマレガ獣医科サンパウロブラジル
クリストフ・ミュリ ングライプツィヒ大学ライプツィヒドイツ
ゲオルギオス・オイコノモウリバプール大学獣医科学研究所リバプール英国
カレン・オーセルカルガリー大学アルバータ州カルガリーカナダ
シャハブ・ランジバルクイーンズランド大学ブリスベン(クイーンズランド州オーストラリア
ミゲル・サルガドチリ・アウストラル大学バルディビアチリ
ジャン・シアラーアイオワ州立大学アイオワ州エイムズ米国
ジェイミー・サリバンリップルビュー・ヒーフケアマニトバ州カナダ
リック・ファン・デル・トールワーヘニンゲン大学・研究ワニンゲンオランダ
ジェニファー ・ウィルソン – ウェルダー農林水産省農業研究事業団。米国農務省アイオワ州エイムズ米国

1. 牛群レベルでの蹄の健康状態を示すグラフィカルユーザーインターフェースの開発と使用

Peter Raundal1 and Tine Hejgaard Sorensen2 1SEGES Innovation P/S, Livestock Innovation, Aarhus N,

Denmark2 SEGES Innovation P/S, Digital, Aarhus N, Denmark pra@seges.dk

目的

農場レベルで蹄の健康をモニターし、蹄の健康管理介入を評価するためには、有効で一貫性のある削蹄記録と、記録の概要と詳細を表示するツールが重要です。デンマークの農家では、削蹄と蹄の病変の趾記録がすでに可能ですが、このプロジェクトの目的は、削蹄プロファイルを表示する対話型グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)と、農場レベルでの蹄の病変を提示する対話型GUIを開発することでした。また、2つのGUIの使用方法についても言及する予定です。

材料と方法

当初、農家、削蹄師、牛の獣医師、牛の生産指導員、研究者が参加したワークショップで、GUIに必要な機能の概要を確認した。GUIのドラフト版は、ソフトウェアアプリケーション(Microsoft Power Business Intelligence (Power BI)、Microsoft©)を使用して作成されました。デンマークの牛のデータベース(DCDB)から抽出した匿名化された蹄の記録を基にしたドラフト版は、農家、牛の獣医師、牛の生産アドバイザーからなるユーザーグループによってテストされました。調整が行われ、GUIはSEGESが畜産農家に提供する趾管理ツールであるDairy Management System(DMS)に組み込まれました。蹄の健康GUIは、2020年9月に蹄の削蹄プロファイル、2021年9月に蹄の健康インターフェイスの2段階で提供開始されました。削蹄と病変は、北欧共通の蹄記録システム、(Nordic Claw App, Anonymous,2022)、スマートフォン、またはDMSを使用して記録することができます。すべてのデータはDCDBにアップロードされます。セカンドローンチから4ヶ月間、GUIが何回使われたかを示す記述統計は、DMSの統計機能を使って、2月7日th ,2022に収集されました。

結果

削蹄プロファイルは、未経産牛と母牛の削蹄の割合を分娩との関連で示したものです。2 つのセクションに分かれており、1つ目は分娩前日数に対する削蹄の割合で、分娩前 0 ~ 100 日を対象としています。

過去 12 ヶ月以内に分娩した牛が含まれています。第2章では、分娩後の日数に対して、1 ~ 4回の削蹄を行った牛の割合を示しています。過去 12ヶ月間の削蹄回数のみが含まれています。デンマークが推奨する分娩予定日の 60 ~ 80日前、分娩後 60 ~ 90 日、180 ~ 210 日の削蹄も表示されています(Raundal,2020)。ソート機能を搭載しており、全頭を表示することも、パリティ0から3番目以上までパリティグループを分けて表示することも可能です。

蹄の病変 GUIは、牛群に記録された削蹄と蹄の病変を表示し、病変、パリティ、期間、泌乳ステージなどの概要や詳細を示すさまざまな動的機能を備えています。病変の種類ごとに、病変をコントロールするための推奨事項の短いリストを表示することができます。また、病変を繰り返した牛をリストアップすることもできます。

記述統計によると、GUI は発売後 4 ヶ月間で 422 牛群に 1,258回使用され、これは削蹄と病変を趾記録している牛群の約 3 分の 1に相当する。GUI は獣医師(443 回)、農家(420 回)、牛生産アドバイザー(130回)、その他(265 回)により使用されています。

結論

蹄GUIの開発は、主要なエンドユーザーである農家、獣医師、牛生産指導員から必要な機能を定義してもらい、その上でGUIを作成した。また、GUIを作成する際には、これらの団体をテストパネルに加えました。GUIは年間2~4回の利用を想定しているため、最初の4ヶ月でGUIを利用した牛群の割合が比較的多くなっています。これは、開発プロセスにエンドユーザーを取り込んだ結果であると考えられる。蹄の病変が乳量

、繁殖、淘汰のリスクなどの生産パラメータに与える影響を農場レベルで表示する

GUI の第 3 の機能は現在構築中です。

参考文献

匿名希望さん2022.Nordic Clawアプリ(mtech.fi)、バージョン1.0.1.14(12:31)です。

ラウンダル、PMLandbrugsinfo.2020.Tjek i DMS, om I klovbeskærer køerne på de bedste tidspunkter (landbrugsinfo.dk) (in Danish).

2. 屋外に出る頻度の違いが、行動制限のある環境で飼われている非臨床跛行牛の歩行 と蹄の健康にどのような影響を及ぼすか?

Shabnaz Mokhtarnazif1 and Elise Shepley 21

McGill University, Montreal, Quebec, Canada

2ミネソタ大学獣医学部、米国ミネソタ州、セントポール  amir.nejati@mcgill.ca

目的

本研究の目的は、動きが制限された環境で飼養されている牛のモデルとして、タイストールに収容されている非 跛行牛の歩行と蹄の健康に、屋外運動場への週 1 日と週 3日のアクセスによる影響を評価することであった。我々の以前の研究では、同様のデザインで異なる治療群(1時間5日/週の屋外アクセス対屋外アクセスなし)を用い、5週間の屋外アクセスを受けた牛の歩容が全体で1点改善することが示された。このことから、行動制限のある牛に低い頻度で屋外に出すことで、歩様にも良い結果が得られるという仮説を立てました。また、屋外へ出る機会を与えても蹄の健康に悪影響はないだろうという仮説も立てました。

材料と方法

タイストール飼育の泌乳期ホルスタイン牛 36 頭を試験に登録し、パリティと DIMでブロック分けした(n=6/block)。牛は2つの運動処置のうち1つに無作為に割り当てられた:1h/d 1d/week (Exercise1x) または 3d/week (Exercise3x)の屋外アクセスを5週間受ける牛であった。試験開始前(Pre-trial)、試験終了時(Post- trial)、試験終了8週間後(Follow-up)の3回のデータ収集時に、歩行全体および6つの歩行特性(振り出し、背中のアーチ、トラッキングアップ、関節屈曲、非対称ステップ、体重負荷への抵抗)を5段階視覚歩行スコアーを用いて観察者1人が評価した。蹄病変の臨床的評価は、Pre-trialとFollow-upの削蹄時に実施した。

蹄の病変の数、位置、重症度スコアが記録された。歩行全体、歩行属性、病変の重症度は線形混合効果モデルを用いて分析し(α <  0.05)、一方、病変は混合効果ロジスティック回帰モデルを用いて分析した(α <0.05)。

結果

試験前、試験後、追跡調査期間中の牛の平均歩行スコアはそれぞれ 2.13 (Min: 1.5, Max:3.5), 1.98 (Min: 1, Max: 3.5), 2.02 (Min: 1, Max:3)であった。スコア3以上の牛については、試験前に3頭、試験後に3頭、フォローアップ期間中に2頭であった。総合的な歩様および歩様属性スコアの変化については、処置群間および期間間で統計的に有意な差は認められなかった(P > 0.05)。実験期間を通して、歩行総合スコアの観察された変化は、Exercise1xとExercise3xでそれぞれ-0.13±0.18と-0.13±0.17であった(P >0.05)。蹄の病変は、足底(n=39、平均重症度スコア=1.26±0.36)および白帯出血(n=2、平均重症度スコア=1.5±0.29)しか観察されなかった。試験前とフォローアップの間で、鉤蹄障害の有病率は、Exercise1x(5.56%→6.62%)またはExercise3x(9.72%→6.94%)で変化がなかった(P  >  0.05)。同様に、鉤蹄病変の重症度スコアは、治療群間および期間間で統計的な差はなかった(P > 0.05)。

結論

我々の仮説に反して、本研究の歩行に関する予備評価では、1h 1d/week、3d/weekを与えた牛の歩行スコアの変化はごくわずかであることがわかりました。このことは、1 h 5d/weekの屋外アクセスと比較して、低い頻度の屋外アクセスでは歩行に十分な効果が得られない可能性を示唆している。しかし、登録時に臨床的に跛行した牛を対象としていないことから、5週間の適用期間中に治療群間で起こるかもしれないわずかな歩様の変化は、視覚的な歩様スコアリングだけでは認識できないかもしれない。そこで、屋外へのアクセス提供による歩行への影響を正確に把握するため、歩行の運動学的および運動学的測定値を圧力マッピングシステムおよび3D動作解析システムを通じて取得し、さらなる解析を行いました。蹄病変の評価結果は、私たちの以前の研究を裏付けるもので、屋外へのアクセス頻度が低くても、運動制限牛の蹄病変発生にほとんど影響を与えないことがわかりました。しかし、蹄の病変を早期/不顕性段階で検出するため、現在、牛の蹄の熱画像の解析が進められています。

3. 3D-kinematicsと機械学習アプローチを併用した乳牛の運動能力予測

Elsa Vasseur, Dylan Lebatteux, and Amanda A. Boatswain Jacques anna.bradtmueller@gmail.com

目的

跛行は酪農産業で広く見られる問題で、経済的にも福祉的にも深刻な影響を及ぼしています。数値評価システム(NRS)のような、目視で行う従来の運動スコアリングシステムは、乳牛の歩様を簡単に評価する方法を提供します。しかし、この方法は信頼性が低く、跛行を評価する自動化アプローチと比べると、比較的主観的になりやすい傾向があります。この検証研究の目的は、歩行時に牛の特定の20関節について取得した運動データを機械学習アプローチで使用し、運動量のスコアを高い精度で予測できるかどうかを判断することです。具体的には、CNN(Convolutional  Neural Network)を用いて同様の運動データを用いたこれまでの研究を継続し、運動データから乳牛の運動量を予測できるLSTM(Long Short-Term Memory)アーキテクチャのモデルを開発することを目指した。仮説は、運動量データは、運動量採点を通じて視覚的に観察される牛の歩様を反映するとするものであった

材料と方法

6台のビデオカメラとモーショントラッキングソフトウェアからなるキネマティックシステムにより、牛の特定の20関節の3次元スケール座標を取得した。12頭の牛のうち、 7mの歩行路を歩行した74回の記録を解析処理用に保持した。運動量の採点は、0.5間隔で5段階のNRSスケール(9歩行クラス)に従って行い、1点は最も質の高い運動量、3点以上は臨床的跛行、5点は重度の跛行とした。訓練された観察者は、運動学的システムを通じて記録された対応するビデオを用いて、個々の歩容の点数を割り出した。最終的に、すべての通路において、2点から3.5点までの連続した4段階の歩容のクラスが割り当てられました。

モデルの検証およびテストのために、全通路の 25% (n = 19)の運動データを検証セットとして残し、残りの 75% (n = 55)をトレーニングセットとして使用した。訓練データセットを拡張するために、合成サンプルを生成するデータ拡張戦略を実施した。訓練セットの運動軌道に、確率的に決定された行に対して、元の値の1%または5%の大きさに変化するランダムなノイズを加えた。人為的に作成した行の数はNRSクラスごとに変化させ、各歩行カテゴリの2,50 0サンプルで2つのバランスのとれた最終学習データセットを作成し、1%または5%のランダムノイズを加えた合計10,000行の学習データを作成しました。CNNとLSTMの2種類のモデル全体がテストされ、それぞれ、モデルアーキテクチャの1層で拡張データの変動が1%、1層で5%、2層で1%変動、2層で5%の変動の4バージョンがテストされました。モデルの評価には、精度、正確さ、再現性、F1スコアなどの性能指標を使用した

。結果

テストした全てのモデルは、学習データの精度では良い結果を示したが、検証データでは悪い結果を示した。LSTM (2 layer, 5% var) モデルは精度 (0.378 ± 0.106) とF1スコア(0.299 ± 0.067) の性能指標で最も良い結果を出した。LSTM (2 layer, 5% var) と CNN (1 layer, 5% var) モデルは、すべてのモデルの中で最も精度が高かった (それぞれ 0.403 ± 0.109 と 0.403 ± 0.031) 。CNN (1 layer, 5% var)モデルは、すべてのモデルの中で最も高い再現性 (0.327 ± 0.029) を有していた。

結論

今回の検証では、CNNやLSTMモデルを用いて特定の運動スコアを高い精度で予測できるほど、運動スコアリングを行う個人が視覚的に観察できるものは3D運動学データには反映されていないことが明らかになった。運動学的データは、乳牛の運動能力を予測するモデル開発の理想的な出発点となるが、このデータを最大限に活用するためには、さらなる研究が必要である。このようなモデルは、運動機能障害の早期発見を可能にし、視覚的な運動機能スコアリングにありがちな時間拘束、トレーニング、低い信頼性を伴わないため、農場と研究目的の両方に有益であると思われる。

4. カメラを用いた自律行動のスコア推移に基づく早期介入プロトコルの評価

ジェラルド・クレイマー、エリス・シェプリー 米国ミネソタ大学獣医学部ミネソタ州セントポール校

gcramer@umn.edu

目的

このプロジェクトの目的は、カメラによる自律行動スコアの変化を利用して、跛行の期間を短縮できるかどうかを確認することでした。

材料と方法

2021年7月から、2300頭の牛群をカメラベースの自律行動性スコアリング(CattleEye)を用いて連続的にスコアリングを行った。カメラ式行動性スコアリング(CMS)は、0~100のスコアを出力し、0は行動性異常なし、100は重度の行動性異常を示す。49点以上は跛行と判断されます。同時に、牛群の削蹄師は病変を記録するための命名法の研修を受け、削蹄技術の標準化が行われました。2021年12月から、直前14日間のCMSが増加傾向にある牛を週単位で試験に登録した。この増加傾向は、各牛にトレンドスコアを与えるCMSの線形モデルに基づいて決定された。トレンドスコアが 20点以上の牛が登録の対象となった。新たに跛行を発症した牛のみを登録するため、登録前の 14 ~ 28 日間に CMS が 50未満の牛のみを登録対象とした。その他の登録基準としては、泌乳日数が 14日以上であること、「繁殖しない」と記録されていないこと、病気を併発していないこと、が挙げられます。これらのデータは酪農場の管理ソフトウェアから取得しました。適格な牛をトレンドスコアの高い順に並べ、奇数番の牛を削蹄リスト(TEST)に登録しました。偶数番号の牛は試験に登録されましたが、削蹄リストには登録されず、対照群 とされました。削蹄能力の関係で、傾向スコアが最も高い 5 ~ 12頭の牛を削蹄リストに登録し、同数の牛を対照群に登録しました。登録前の 14日間に、牛が最大スコアで過ごした日数の割合が重要な結果でした。登録が継続されているため、最初の分析では登録後 14 日間のみを対象としました。データは平均値を比較し、治療法、泌乳期間、泌乳日数、トレンドスコア、登録時の最大スコア を交絡因子とした線形モデルを用いて分析しました。

結果

合計 128 頭の牛が試験に登録され、65 頭が対照群、63頭が試験群になりました。対照群では 22 頭、18 頭、28 頭がそれぞれ、1st 、2nd 、3+の泌乳期に該当しました。試験群では 22 頭、12 頭、30 頭がそれぞれ 1st 、2nd 、3+の泌乳期であった。登録時の平均泌乳日数は対照群 144 日(95% CI 103-150)、試験群 144 日(95% CI 120-167)であった。対照群の牛は平均して 16%の得点が登録前の最大値を上回ったのに対し、テスト群 の牛は8%の得点が登録前の最大値を上回った。この結果を線形モデルで交絡因子で調整したところ、テスト群の牛は登録前 の最大スコアより 7.7% (95% CI 0- 16.1)日数が少なかったという結果が得られました。

結論

この結果は、CMSの増加傾向に基づく早期介入により、登録後14日間の牛の行動性が改善されることを裏付けています。

5. 泌乳期ホルスタイン牛における趾皮膚炎感染と遺伝子抵抗性を予測するための遺伝子 の変異の相関性の評価

Barbara Jones and Grace Canny Tarleton State University Stephenville, Texas, USA bwjones@tarleton.edu

目的

指趾皮膚炎(DD)は伝染性の細菌性蹄葉炎です。DDに対する遺伝的抵抗性を発見することで、酪農家はこの形質を選択できるようになり、DD感染による跛行を減らすことができる。本研究では、テキサス州中央部の商業酪農場で飼養されているホルスタイン牛のDD感染と遺伝的変異の相関を評価し、DDに対する遺伝的抵抗性を予測した

。材料と方法

泌乳牛は、0(病変なし)~4(慢性病変)のスケールで採点された。泌乳牛(n = 45)の血液サンプルを尾骨静脈から採取した。牛は、病変がある(n =35)、病変がない(n = 10)と識別された。ゲノム DNA は、200 uLの全血から単離された。ゲノムDNAは、泌乳牛(n= 45)の全血試料から精製された。DD耐性との相関を調べるため、以前に報告された4つのSNPをqPCRメルトカーブ解析で評価した。インターロイキン8IL8)の3’UTRおよびToll-Like Receptor4TLR4)のエクソン3におけるSNPを、SAS(Version 9.4 SAS Institute, Inc, Cary, NC)のカイ二乗によって解析し、耐性動物および感染動物の間に存在する異なる遺伝子型の頻度を決定した。

結果

Bta-IL8 Exon 3 SNPのカイ二乗検定の結果、確率値は0.0382であった。しかし、Bta- T4CRBR2、Bta-T4CRBR1SNPsは、集団内で検出可能な変異を示さなかったため、耐性に関する解析は行えなかった。以上の結果から、ホルスタイン牛のIL8遺伝子には、DDに対する抵抗性と遺伝的な相関があることが示された。

結論

この研究は、遺伝的に趾皮膚炎に耐性のある牛を選択するための遺伝子型分析法につながる可能性があります。

6. 乳牛の跛行検出のための音を用いた手法の利用方法の検討

Barbara Jones、Haitham Abu Ghazaleh Tarleton State University Stephenville, Texas, USA

bwjones@tarleton.edu

目的

この探索的研究の目的は、乳牛の跛行を検出するために音響を利用することを検討するために、音響測定システムを開発することであった。

材料と方法

この研究は、南西部地域酪農センター(Tarleton State University, Stephenville, TX)で交雑種の乳牛(n=10)を使って行われたものです。この探索的実験では、牛を跛行と非跛行のいずれかに分類し、点数を簡略化した。5頭の牛を跛行、5頭の牛を非跛行とし、サウンドシステムの前を歩く前に採点した。牛は、出口付近の路地に設置されたサウンドシステムの前を通った。音響装置には、周波数特性 20Hz~18kHzの指向性コンデンサーマイクを使用した。音声信号は24bit/96kHzのZoomH6ハンドヘルドレコーダーで録音された。趾録音されたデータは、MATLAB©の信号処理ツールを用いて解析された。フーリエ解析は、趾信号の特徴的な部分を特定するための一般的な処理方法です。解析の焦点は、各オーディオ信号の片側振幅スペクトルと共にパワースペクトルを評価し、顕著な差異がないかどうかを比較することにありました。

結果

周波数領域での解析は、300Hz以下の周波数帯域を中心に行いました。信号のパワーのほとんどはその特定の範囲にありました。跛行牛と非跛行牛の音声記録には違いが見られました。しかし、それらの違いは非常に微妙で、検出が複雑でした。また、これらの違いは低周波の領域に集中しているようで、ノイズの影響を受けやすいため、複雑な理由になっていると思われます。また、音声収録の仕組みや分析手法、収録数が十分でなかったことなどにより、支配的な特徴や区別できる特徴がなかったことも原因であると考えられる。

結論

今回の調査結果は、サンプル数の増加の必要性を示しています。音声録音に固定式マイクを使用することにはメリットがあるが、固定式であるがゆえに発見が弱く、マイクに近づいたり離れたりする牛の自然な位置の行動によって信号強度が影響された可能性がある。この概念を強化するために、さらなる研究が必要である。

7. センサー技術を用いた乳牛の跛行の初期指標としての

行動パターンの偏差

Nokuthula Mhlongo and Henjo de knegt Wageningen University & Research Wageningen, Netherlands nokuthulalorraine.mhlongo@wur.nl

目的

早期警告システムがあれば、跛行牛の特定と治療が間に合い、抗生剤の使用と牛の苦痛を最小限に抑えることができます。しかし、早期跛行を分類するための賢明な指標は、利用可能な自動化システムにはまだ到達していません。不正確で不十分な行動性データは、信頼性の高い実用的なシステムを開発するための大きな制限事項として残っています。既存の自動化システムは、1つのセンサーで記録された本格的な跛行牛の情報に限定されている。単一センサーのデータでは、跛行の分類に利用できる運動特性のいくつかを識別することができない。この研究の目的は、複数のセンサーを同時に使用して、早期跛行警告システムを開発することである。

材料と方法

春から初秋にかけて、Wageningenの南部にある6つの酪農場を訪問した。健康な牛、跛行した牛、健康で後に跛行した牛のうち、約94頭にセンサーを装着した。各牛に頸部装着型加速度計とGPSセンサーを組み合わせて1週間装着し、行動特性に関するデータを取得した。この間、スマートフォンのソフトウェアと行動分類のためのエソグラムを使用して、視覚的な行動観察も行われました。様々な情報源から得られたデータセットは、統計分析に使用されました。これらの分析において、単一または統合されたデータセットを用いて、様々な機械学習技術により予測モデルを開発しました。

結果

私たちの観察によると、健康な牛と健康でない牛では行動が異なるため、牛群間の行動パターンの違いが予想されます。例えば、跛行牛は健康な牛に比べて動きが鈍く、横になって草を食べることが少なくなると思われます。このような行動の変化は、当初健康で後に跛行した牛で着実に進行・増加することも予想されます。すべての異なるデータソースを統合したモデルは、特に跛行の初期段階において、分類精度の向上を示すことが期待されます。

結論

いくつかの研究により、単一のウェアラブルセンサーが目視による観察に取って代わる可能性が既に示されています。しかし、統合されたデータは、自動跛行分類をさらに改善し、単一のセンサーの限界を減らすことができます。

8. 乳牛の最初の3泌乳期における趾脂肪クッションの超音波画像化

A.Pfrommer, A. Fiedler, and J. Maierl a.pfrommer@posteo.de

目的

蹄の病気は酪農場の経済的損失の原因としてよく知られています。蹄の病気は成績の低下、高い獣医学的コスト、さらには淘汰の理由となります(1- 3)。病変を早期に診断することで、蹄の健康を改善し、ひいては乳牛のアニマルウェルフェアを向上させることが可能です(4)。そこで、診断方法としての超音波診断が試されることになります。

皮下脂肪クッションの検査に重点を置いています。この組織は、1回の泌乳期間中に厚さが変化する(5)。この調査の目的は、3回の泌乳期間にわたる趾脂肪クッションの厚さの動態を分析することである。さらに、脂肪体の厚さ、体調、血液値の変化との相関関係を調べるとともに、これらの測定値と蹄疾患の原因となる病的変化との関連も調べます。この研究の第二の側面であり、実験的な部分は、組織学的切片のための蹄の準備で す。

材料と方法

Thuringia と Lower Saxony の 3 つの酪農場の 80 頭の牛を、3 回の泌乳期(第 1 ~第 3期の泌乳期)に定期的に検査しました。すべての牛の蹄は、機能的削蹄の原則に従って削られました。検査プロトコルは以下の通りです。

  • 体調判断
  • 体重測定
  • 歩行パターンの評価(ロコモーションスコア) (6)
  • 背中の脂肪の厚さを超音波で測定
  • 趾クッションの超音波画像(右後肢外側蹄、右前肢内側蹄)

縦断面超音波画像における標準的な測定位置として、2つの位置を定義した。

  • 弯曲部最薄部
  • 足底の最大凹曲線部での最も厚い測定値 追加測定値。
  • 各標準点における脂肪体の断面画像。
  • 蹄のソアマークを利用した趾クッションの長さ。

そして、超音波画像内の蹄の構造をソフトウェアImageJ(NIH)を用いて計測する。

結果

これまでに評価されたデータによると、初産婦の泌乳期には趾球部厚さがダイナミックに変化することが示されています。分娩の少し前に最大値に達する。前蹄の妊娠 220 日目頃の平均値は屈曲結節で 7.2mm であった[最小-最大(min-max)]。4.2 13.2mm)、最厚部では10.0mm(最小-最大:6.313.4mm)であった。後蹄の場合、屈曲結節の平均値は 5.8mm(min-max:3.812.0mm)、最も厚い部分で 9.2mm(min-max:5.2 14.9mm)であった。

分娩後1週間以内に測定値は低下した。前蹄の屈筋結節の平均値は5.8mm(最小値:3.6 9.9mm)、最も厚い部分で9.2mm(最小値:5.8 11.8mm)であった。後蹄の場合、屈曲結節の平均値は5.7mm(min-max: 3.711.9mm)、最も厚い部分で8.6mm(min-max: 6.411.0mm)に減少した。場合によっては、検査開始時の脂肪クッションの厚さ以下まで低下することもあった。趾ファットパッドの厚さと背中の脂肪の厚さの相関関係も明らかになりつつあります。

まとめ

蹄の診断法としてのソノグラフィーは、適切で実用的な機器です。ほとんどの場合、趾脂肪膜を可視化することができ、実際の厚みや長さを測定することができます。このように、蹄組織の変化を長期的に観察することで、蹄底潰瘍のような蹄の病気につながる病的変化をより理解できる可能性があります。さらに、遠位趾節骨(骨折など)や深趾屈筋腱の生理的・病理的な状態についての説明も可能です。一般的な体調と動物の脂肪体の厚さには正の相関関係があると考えられます。脂肪体の厚さの正確な経時的変化や、脂肪パッドの薄さが将来の蹄底潰瘍の発生を示唆するという仮説に関する分析は、まだ調査中です。

参考文献

  1. Booth, C.J., L.D.Warnick, Y.T. Gröhn, D.O. Maizon, C.L. Guard, and D. Janssen.2004.跛行が乳牛の淘汰に及ぼす影響。J. Dairy Sci. 87(12): p. 4115-4122.
  2. Bicalho,     R.C.,     F.     Vokey,                   H.N.      Erb,  and                   C.L.       Guard.2007.泌乳後       70日間の視覚的運動量得点:妊娠および生存率への影響、J. Dairy Sci.
  3. Kossaibati, M.A.,  and R.J. Esslemont.1997.イングランドの乳牛群における生産性疾病のコスト。Vet.J.  154(1):p. 41-51.
  4. Bicalho, R.C., V.S. Machado, and L.S.Caixeta.2009.乳牛の跛行。乳牛の跛行:衰弱した病気か、衰弱した牛の病気か?跛行の有病率と趾瘤の厚さに関する横断的研究。J. Dairy Sci. 92(7): p. 3175-84.
  5. Toholj, B., M. Cincovića, M. Stevančevića, J. Spasojevica, V. Ivetićb, and A. Potkonjaka.2014.ホルスタイン・フリージアン乳牛における蹄底潰瘍形成の予測因子としての太陽軟部組織の厚さを測定するための超音波検査の評価。Vet.J. 2014.199(2): p. 290-4.
  6. Sprecher, D.J., D.E. Hostetler, and J.B.Kaneene.(スプレッチャー・D・J・ホステトラー、J・B・カネーン)。1997.乳牛の繁殖成績を予測するための姿勢と歩様を利用した跛行スコアリングシステム。T heriogenology.47(6): p. 1179-87.

9. カメラを用いた運動量スコアと蹄病変の全国データベースへの組み込みの予備評価と進捗

K.L. Parker Gaddis1 , J.F. Burchard1 , E. Shepley2 , R. McMillan3 , and G. Cramer 21

乳牛育種協議会、米国メリーランド州ボウイ市。

2University of Minnesota, St. Paul, Minnesota, USA3 CattleEye, Belfast, United Kingdom kristen.gaddis@uscdcb.com

目的

ビデオ解析プラットフォーム(CattleEye)を使って、削蹄機や牛群管理ソフトウェアで収集した病変データと合わせて乳牛の運動量を評価するパイロット試験の予備データを提供する。このプロジェクトの最終目的は、これらのデータを農場での蹄の健康管理に活用し、遺伝学的評価に使用するデータを提供するパイプラインに流すことです。

材料と方法

2021年7月から、主にホルスタインの大規模牛群において、ビデオ解析プラットフォームを使用して、464,360件の運動機能スコア(LS)がユニークな4,047頭の牛からルーチンに収集されています。スコアは0~100の範囲で、50以上のスコアは、検証研究に基づきプラットフォームが跛行と判断します。

さらに、趾皮膚炎(DD)、潰瘍、白帯病(WLD)、趾間フラン(FR)、足指(薄底・足指潰瘍を含む)、コークスクリュー蹄(CC)、怪我(LEG)、その他の蹄トラブル(OTHER)などの病変データを削蹄時に収集し牛群管理データに統合しているのです。収集されたデータには、患肢も記載されています。2020年1月から2022年にかけて収集されたユニークイベントは合計101,021件で、968件は跛行(LAME)イベント、8,598件は削蹄(TRIM)イベントとしてコード化されたものである。関連する泌乳データは、United States National Dairy Cooperatorデータベースから取得した。

これらのデータにより、動物の識別、生年月日、分娩日、パリティを相互に確認することができました

結果

ロコモーションスコアの平均値は 35.6 点、標準偏差は 12.9点であることがわかった。削蹄の際に収集された病変データは、WLD333、ULCER207、DD20 5、TOE74、FR73、CC13、LEG10、OTHER3であった。患肢は左後方 44%、右後方24%、左前方 16%、右前方14%と報告された。その他の記録は報告仕様に合致していないが、現在のプロトコルの実施前に報告されたことが判明した。LAMEイベントが報告され、イベント当日の運動量スコアが記録されている動物では、平均運動量スコアが平均LSより12ポイント以上高い(47.9)ことが判明した。一方、TRIMイベントが報告され、同じ日にLSが報告された動物では、平均運動量はL Sのデータとほぼ同じ(35.9)であった。LAME事象を病変別に分類すると、平均運動量スコアが高いのはTOE(51.0)およびULCER(50.2)であった。趾皮膚炎は平均運動量スコアが39.4と最も低かったが、それでも牛群全体の平均スコアより大きい。

結論

これらの異なるタイプのデータを収集し、組み合わせることにはハードルがあります。利用可能なデータ量を増やすため、収集は継続中である。ビデオ解析プラットフォームが生成する運動量スコアと特定の病変の記録との関係を明らかにするために、さらなる研究が必要です。しかし、予備的な結果では、蹄の病変と関連して運動量スコアが高いことが示されています。これらのデータは現在、牛群管理の目的に有用であることが証明されています。次のステップとしては、これらのデータを入手可能な泌乳量や血統情報 と組み合わせ、予備的な遺伝の検討をする。

10. 乳牛の跛行の初期兆候を特定するためのBluetooth対応マルチモーダルセンサボード、データ収集ソフトウェアスタック、および機械学習モデル

Santosh Pandey、Jan Shearer Iowa State University

米国アイオワ州エイムズ市 pandey@iastate.edu

目的

カスタム電子センサーボードとソフトウェアスタックを使用して、複数の牛からリアルタイムの運動データを自動的に収集し、収集したデータを処理して跛行の初期兆候を特定するための機械学習モデルを開発することを実証する。

材料と方法

3軸加速度センサーとジャイロスコープ、エレクトレットマイクロフォン、赤外線温度センサーなど、最先端のセンサーを組み込んだ電子センサーボードを開発しました。各センサーボードは、オンチップのBluetooth対応2.4GHz Nordic Semiconductorマイクロプロセッサーで制御され、3.3ボルト、800mAhのコイン電池で駆動されました。ソフトウェアスタックはPythonで構築され、特定のセンサーボードを起動するモジュール、目的のセンサーを起動するモジュール、事前に指定した時間分のデータ収集、ユーザー定義のファイル形式での記録データの保存が含まれていました。各センサー、センサーボード、ソフトウェアスタックの性能は、電気計測研究所で数日間にわたり、感度、解像度、温度範囲、振幅範囲、動作周波数と範囲、消費電力、電池寿命など、さまざまな性能指標を評価するために特性評価された。センサーボードは個々の牛の両耳朶に取り付けられ、頭部加速度、頭部回転、頭部傾斜、発声、耳介温度、周囲温度などのマルチモーダルなセンサーパラメータが記録された。ローカルサーバーは10頭の牛のセンサーボードと通信し、50~100フィートの動作範囲内で 1秒ごとに各センサーからのデータを収集した。また、センサーボードから記録されたデータを外部で検証するために、携帯型ビデオカメラによるビデオ撮影を特定の時間帯に実施した。

結果

ローカルサーバーに保存されたセンサーのデータは前処理され、モニターされている牛の個体別に分類されました。データのラベリングは専門家の立会いのもとで行われた。学習用データセットを機械学習モデルに送り込み、異常な動きや頭上げのインスタンスを識別するためのモデルを学習させた。異なるセンサーパラメーターの重要性は、異常な動きと頭上げの事例を予測する役割に基づいてランク付けされました。また、呼吸が速くなる、声が枯れる、皮膚温が上昇するなどの行動指標も学習モデルとして検討した。センサーボードは、跛行の初期兆候を検出するためのより有益なパラメータに焦点を当て、データ解像度、データ収集頻度、データ処理アルゴリズムの変更などが行われました。ウェブベースのソフトウェアアプリは、農場の世話人やユーザーのための自動意思決定支援ツールとして、モデルの予測を表示するために開発されています。

結論

複数の牛から、Bluetooth Lowエネルギー通信プロトコルは、カスタム電子センサーボードとPythonベースのソフトウェアスタックに実装されています。機械学習の学習モデルを開発し、早期跛行の指標となる有益なパラメータを特定しました。これにより、個々の牛の健康と福祉のリスクに対する、農場配備型の非侵襲的な連続モニタリングツールの開発に向けて、データ収集とモデリングのステップを調整することができました。

11. PythonのLibrosaを用いた牛の発声の音声信号解析

跛行牛の異常音信号の識別のための勾配ブースティング・アルゴリズムによる解析

Richa Pathak、Jan Shearer Iowa State University

米国アイオワ州エイムズ市 pandey@iastate.edu

目的

牛の個体から高品質の音声データを記録する方法を開発し、音声信号を前処理するプラットフォームを検討し、異常な発声を識別する機械学習ツールを構築します。

材料と方法

Zoom H4n Pro Handy Recorder

を用いて、酪農場の牛一頭一頭から生の音声データを収集しました。このシリーズの Zoom レコーダーは、XY マイク、プリアンプモジュール、強化されたノイズキャンセラーなど、フィールドレコーディングのための高度な機能を備えています。各音声は約30秒間録音され、ローカルサーバー内に.wavファイル形式で保存されました。保存されたデータは、最初に信号品質の悪い音声記録を破棄するためのスクリーニングが行われた。その後、専門家の立会いのもと、データのラベリングが行われ、録音された音声が異なるカテゴリーに分類された。次の段階は、ラベルのエンコーディング、特徴のスケーリング、データベースの分割(テストセット、トレーニングセット、検証セットに分割)を含むデータの前処理であった。すべてのモデルは python3を用いて構築された。モデル開発には、音楽と音声信号解析のための強力なPythonパッケージであるLibrosaを使用した。

結果

前処理されたオーディオデータはLibrosaに供給され、短時間フーリエ変換(STFT)、逆短時間フーリエ変換(ISTFT)、瞬時周波数スペクトログラム(IFGRAM)、メルスペクトグラム、蹄ムグラム、トンネッツ表現など、いくつかの特徴を抽出するために使用された。音楽とオーディオの信号処理に利用できる内蔵ツールを調査し、テンポやビートイベントの位置を推定する方法、サンプリングレート、フレームレート、ホップ長を最適化するパラメータなどを検討しました。パワースペクトル解析は、ラベル付けされたオーディオ録音に対して行われ、周波数帯域に渡る信号パワーの広がりを推定しました。時間領域解析と周波数領域解析の両方に基づくノンパラメトリックアプローチを適用した。また、メルスペクトログラムを可視化した。その後、抽出された特徴量を用いて機械学習モデルを開発した。音声信号を正常な発声か、痛みに関連した発声かなど、適切に分類するために、学習データセットを機械学習モデルに与えた。音声の分類には、XGB(Xtreme Gradient Boosting)とLight GBM(Gradient Boosting Method)を適用した。音声記録を時間領域と周波数領域で可視化し、モデルからの予測結果を表示するために、ウェブインタフェースを使用した。その結果、XGBモデルを用いて音声分類を行ったところ、高い精度を達成することができた。また、Light GBMは、より少ない実行時間でより高い精度を達成しました。このように、我々の最初の結果は、ライトGBMが大規模なオーディオデータセットを処理し、リアルタイムでオンファームエッジコンピューティングのアプリケーションに適した分類モデルであることを示しています。

結論

PythonのLibrosaソフトウェアパッケージをベースに、酪農業、特に痛み、苦痛、跛行などに関連する牛の異常発声の特定に適用できる音声信号処理のフレームワークを実証しました。音声の録音、ラベリング、前処理、特徴抽出、可視化、音声分類、モデル開発の方法について説明しました。その結果、現在他の機械学習アプリケーションで使用されている分類ツール、例えばLightGBMは、牛の異常な発声をそれなりの精度で予測することが可能であることが示された。

12. 広帯域赤外線サーモグラフィーによる立位乳牛後肢のM2趾皮膚炎病変の検出

Arne Vanhoudt1 and Casey Jacobs2 1Animal Health Service, Driebergen-Rijsenburg,

Netherlands2 More Than Just Feed, Calgary, Alberta, Canada vanhoudt.arne@gmail.com

目的

赤外線サーモグラフィ(IRT)測定値とM2病変の関連性を農場条件下で試験し、最終的に病変を検出することを目的とする。本研究の第一の目的は,搾乳パーラーで起立した牛の未洗浄後肢のM2病変を広域スペクトルIRTで効果的に検出できるかどうかである.また、副次的な目的として、洗浄前の立位牛の後肢におけるM2病変とIRTの関連性、および立位牛の未洗浄および洗浄後の後肢における趾皮膚炎(DD)病変の有無とIRTの関連性を調査した。

材料と方法

カナダの5つの牧場で飼育されている牛の、洗っていない後足529頭と洗った後足558頭の足底面から赤外線画像を収集した。洗浄後、ミルキングパーラーにいるときの足も M-score されました。これらの足から、洗っていない足 205 頭と洗った足 229頭の運動量スコアと下腿清潔度スコアも得ら れた。

最大IRT値とM2病変の有無の関連は,多変量ロジスティック回帰分析を用いて評価した.従属変数は M2 病変(1 = 存在、0 = 存在しない)、独立変数は最大IRT、清潔度スコア、運動量スコアとした。農場の影響と農場内の牛のクラスタリングを考慮し、農場は平均値としてモデルに固定された。最終的な縮小モデルは、後方消去法を用いて、最も低い赤池情報量規準に基づくものとした。この多変量ロジスティック回帰分析を、任意のDD病変(1=存在、0=存在しない)を従属変数として繰り返した。

結果

IRTの最大値が高いほど、洗っていない後肢と洗った後肢の両方でM2病変の発生確率が高くなり、後肢下部の乾燥肥料の存在も同様であった。

IRTの最大値が高いほど、洗っていない後足と洗った後足の両方でDDが存在する確率が高くなることがわかった。

結論

後肢のM2病変の有無は,立位乳牛の非洗浄足と洗浄足の両方で,pastern領域の足底側面の最大IRT値が高いことと関連していた.M2病変のように真の有病率が低い疾患では、非常に高い特異性を持つ診断検査が必要である。IRTmaxのカットオフ値でこれを達成することはできないと思われる。最高赤外温度はリスクのある足を特定する潜在的な役割を担っている。

このツールは、乳牛の足の健康状態のモニタリングの自動化を支援するものです。

欧州ウシ会議2019(オランダ、’s Hertogenbosch)において、予備的な結果が発表されました。

13. 行動制限のある環境で飼育された非臨床跛行牛の歩行と蹄の健康に、毎日  1時間の屋外アクセスが有効であることを調査する。

Amir Nejati1 および Elise Shepley 21McGill University, Montreal, Quebec, Canada

2ミネソタ大学獣医学部、米国ミネソタ州、セントポール  amir.nejati@mcgill.ca

目的

この研究の目的は、動きが制限された環境であるタイストールに収容された泌乳期のホルスタイン牛の歩行と蹄の健康に、屋外運動場へ定期的にアクセスすることがどのように影響するかを評価することであった。我々は、行動制限のある牛に屋外の運動場を提供することで、歩容が大きくなり、歩様や行動能力が改善されると仮定した。さらに、屋外に出ることで蹄の健康(蹄の病変の有病率や重症度、蹄の表面温度で測定)に悪影響はないだろうという仮説も立てました。

材料と方法

30頭のホルスタイン牛(平均歩行スコア:2.17、最小:1、最大:3.5)をパリティとDI Mでブロック分け(n=6/ブロック)し、2つの処置のいずれかに無作為に割り付けた。運動負荷(1時間/日、5日/週、5週間屋外アクセス)および非運動負荷(屋外アクセスなし)。歩数計を用い、試験期間中の歩数を連続的に記録した。試験開始前(Pre- trial)、試験終了後(Post-trial)、試験開始後8週間(Follow-up)の3回のデータ収集時に、5点満点の視覚的歩行評価により6つの歩行属性と全体的な歩行を評価した。蹄の健康状態は、蹄の病変評価と蹄表面のサーモグラフィーで評価した。試験前と追跡調査時の削蹄時に、蹄の病変の数、位置、重症度を記録した。試験1週目と5週目に全蹄の冠状動脈帯(CB)背面から赤外線サーモグラフィーを撮影し、CB部分から4つの温度変数を抽出した。歩容、全体歩行、歩行属性、蹄病変の重症度、蹄のサーモグラフィーデータを線形混合効果モデルで分析した(α <0.05)。蹄病変は2値変数として扱い、混合効果ロジスティック回帰モデルを用いて分析した(α < 0.05)。

結果

歩数は処置間で差はなかったが、運動牛は非運動牛よりも歩数が多い傾向があった(それぞれ 705 ± 71.4 対 518 ± 67.9 step/d、P =  0.07)。総合的な歩様および歩様属性に関する得点の変化については、処理間および期間間で統計的有意差は認められ なかった(P > 0.05)。しかし、運動負荷牛は 5週間屋外に出た後、総合歩行スコア(試験前と試験後でそれぞれ 2.78 対 1.78)と主要な 3 つの歩行属性に数値的な改善を示した。歩行の改善はFollow- upの時点でも持続した。2回のデータ収集時(Pre-trialとFollow-up)に合計38個の蹄の病変が観察され、すべての病変が足底出血であった。蹄病変の有病率は、運動牛(7.50% vs 6.67%; p = 0.58)、非運動牛(10% vs 8.04%; p =     0.16)ともに試験前と追跡調査の間で変わらなかった。同様に、時間や治療群による蹄病変の重症度への影響は見られなかった(P >0.05)。蹄浴サーモグラフィーによる分析ではCB面積の温度変数に、処理群間および時間間で有意な変化はなかった(P> 0.05).

結論

屋外への立ち入りが歩行スコアに良い影響を与えることは、私たちの仮説と一致し ています。この研究では、登録時に臨床的に跛行している牛や重度の蹄病変を持つ牛は対象としていませんでした。それにもかかわらず、運動群で定期的に屋外に出る機会を与えられた行動制限のある牛は、総合歩行スコアと複数の歩行属性にわたって数値的な改善を示しました。しかし、より詳細な歩様解析のための運動学的技術の導入により、屋外への立ち入りが歩様に与える影響を完全に把握することは、現在進行中である。蹄病変の評価結果では、屋外アクセスが蹄病変の発生に与える影響はほとんどなく、これは私たちの仮説に沿ったものでした。蹄サーモグラフィーの結果も、私たちの蹄病変の評価を裏付けるものでした。行動制限のある環境で飼育されている跛行性のない乳牛に、どの程度の頻度や期間で屋外に出られるようにすれば良い結果が得られるか、さらに調査が必要です。

14. 歩行牛の体勢推定のためのビデオ解析による、跛行の視覚的な兆候の特定

Ankita AnkitaとJan Shearer Iowa State University

米国アイオワ州エイムズ市 pandey@iastate.edu

目的

このプロジェクトの目標は、牛の跛行の検出を自動化または容易にすることである。この目標を達成するために、歩いている牛の動画を収集し、時空間特徴を抽出し、牛の頭を上げる、頭を垂れる、背中を反らすなどのインスタンスを識別するためのディープニューラルネットワークを構築することを目的としています。

材料と方法

我々は、動いている人間や動物のスタンス(または姿勢)推定のための現在のアルゴリズムに触発され、深い残差ニューラルネットワークを構築した。我々のモデルの訓練とテストのための視聴覚データリポジトリを構築するために、牛からビデオストリームを収集した。記録された映像は.mp4ファイル形式で保存され、スケルトンシーケンスに変換された。ビデオデータは前処理され、冗長なセグメントを削除するためにクリーニングされた。各ビデオは、「TensorFlow Object Detection Application Programming Interface」と「OpenCV」プログラミングプラットフォームを使用して、より小さなビデオフレームに削蹄された。画像フレームはトレーニングビデオから抽出され、対応するタグとともに.csvファイルに保存された。データのラベリングは、専門家の立会いのもとで行われた。学習データセットは、ラベル付けされた情報を含むPandasデータフレームを基に作成された。検証データセットにおける牛の姿勢を推定するために、オープンソース環境である「TensorFlow」を用いてモデルを学習させた。

結果

蹄、四肢の関節、背中のアーチなど、跛行の既知のマーカーを含む個々の牛の体上の明確なキーポイントに、マーカーベースのシステムを用いてラベル付けを行った。wxPythonで記述されたグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)を用いて、各ビデオ録画の画像シーケンスから24点のキーポイントを抽出した。さらに、歩行中の牛の体に沿った座標を抽出した。抽出したキーポイントと座標を用いて、牛の左前肢、左後肢、右前肢、右後肢、骨盤、頭部の動作軌跡を生成した。解析されたデータは、分類モデルの学習に用いられ、クラス分布が得られた。モデルの予測値は、異なるクラスの真のラベルの周りに正規分布を持ち、我々のモデルが十分な性能を発揮していることが示唆された。混同行列には、予測値、実測値、分類結果の精度が表示されました。また、異なる身体部位を分類する際の信頼度を分析しました。ほとんどの部位が高い信頼度を得ており、特に牛の鼻と目が高い信頼度を得ていました。その後、各肢の跛行の確率を推定し、総合跛行スコアを算出した。画質や解像度が異なる複数の牛の歩行映像に対して、本モデルを検証した。1000以上のサンプルを含むデータセットに対して、トレーニング/バリデーションの損失関数と精度曲線を求めたところ、それなりに高い精度が達成された。我々のモデルは、1頭の牛が左から右へ歩く動画に対して最も良い予測スコアを与え、モデルの損失関数は以下のように低かったといったケースを想定しています。現在、複数の牛を追跡することの難しさ、牛の動きが不規則な映像の解析、牛の運動量スコアが1と2の区別など、本モデルにおけるいくつかの課題の解決に取り組んでいるところです。

結論

私たちのディープラーニングモデルは、ビデオストリームから主要な特徴を抽出し、牛の頭を上げる、頭を垂れる、背中を反らすといった跛行の視覚的指標を合理的な精度で特定することが出来ました。ビデオデータの量と質は、モデルの性能に大きな影響を与えた。特に、跛行と関連する特定の行動特性を描写した、より多くの良質なビデオデータを用いて、モデルをさらに洗練させる余地があります。

15. 乳牛の趾皮膚炎に対するリアルタイム物体検出アルゴリズムの比較分析

Srikanth Aravamuthan, Preston Cernek, Kelly Anklam, and Dörte Döpfer

ウィスコンシン大学獣医学部米国ウィスコンシン州マディソン市 aravamuthan@wisc.edu

目的

趾間皮膚炎(DD)は、蹄の趾間と蹄の冠状帯の皮膚角の境界部に潰瘍性病変を生じます。DDは牛群の大規模な跛行の発生に関連し、福祉と生産に影響を及ぼします。早期発見は迅速な治療につながり、コストを削減し、跛行を減少させることができる。本研究では、乳牛のDDをリアルタイムで検出するアプリケーションを構築することを目的としています。我々は、推論時間を用いたスピードと、様々な性能指標を用いたスコアリングについて、様々なコンピュータビジョン(CV)モデルを比較した。ダウンロードしたビデオとライブス削蹄ビデオを使用して、最適なモデルを自動検出した。このツールが、早期発見、予防、迅速な治療によって、すべての牛のDD関連跛行の悪影響を最小化するのに役立つことを期待している。

材料と方法

画像は商業的な酪農場から、蹄の趾間部の後足に面して収集された。画像はM-stage DD分類システムを用いて訓練された調査員により採点された。この分類システムは、健常期、活動期、治癒期、慢性期の間の形態学的観察に基づいて、疾患の経過に伴う様々な臨床段階を記述するものである。1画像につき1つの蹄と2つのクラスラベルからなる一次ライブラリには、1,177枚のM0/M4画像と1,050枚のM2画像が含まれています

。また、1画像あたり複数の蹄と5つのラベルからなる二次ライブラリは、M0 240枚、M2 17枚、M2P 51枚、M4H 114枚、M4P108枚、合計409枚から構成されています。より高速なリージョンベースの畳み込みニューラルネットワーク(R-CNN)、カスケードR-CNN、シングルショットマルチボックス検出器(SSD)、SSD Liteに加え、You Only Look Once(YOLO)の最新バージョン4種を追加しました。YOLOv3、TinyYOLOv3、YOLOv4、TinyYOLOv4はすべて、それぞれのデータセットについて、DDのMステージを検出するように学習させました。推論時間にはFPS(Frames per second)を用い、画像中の位置するオブジェクトのバウンディングボックスとクラスラベルを予測する時間を評価した。また、画像内のオブジェクトの境界ボックスとクラスラベルを予測する時間を評価するために、Frames per second (FPS)を用いて推論を行った。0.5を性能指標として用い、CVモデルによる予測値と訓練された調査員(グランドトゥルース)を比較した。

結果

TinyYOLOv4は、333FPSと、推論時間に関して他のモデルを大きく上回りました。次に近いモデルはSSDとSSD Liteで約100FPS、次いでYOLOv4で65FPSでした。YOLOとR-CNNモデルは、1画像につき1つのオブジェクトと2つのクラスラベルからなるオブジェクト検出の主要データセットを用いて、グランドトゥルースと比較して優れた性能を示しました。YOLOモデルとR-CNNモデルは0.964から0.998のmAPを達成したのに対し、SSDとSSDLiteはそれぞれ0.371と0.387のmAPを達成しました。全体として、YOLOv4とTiny YOLOv4は、ほぼ完全な精度0.980、完全な再現率1.000、最高のmAPで、他のすべてのモデルより優れていました。また、YOLOv4とTiny YOLOv4は、実環境の画像ごとに複数のオブジェクトが存在し、オブジェクト検出のためのクラスラベルがより多く存在する二次データセットを使用したアプリケーションでも同様の結果が得られました。YOLOv4とTinyYOLOv4は、それぞれ0.896と0.895という非常によく似たmAPを達成し、両モデルともグランドトゥルースと比較して良好な性能を示しました。しかし、TinyYOLOv4は0.870という高い精度と0.920という高い再現率を達成しました。

結論

YOLOモデルは、搾乳パーラー内のDD病変を高い性能と速度で同様に検出することができました。TinyYOLOv4は、ユースケースに最適なコンピュータビジョンモデルであり、乳牛のDDをリアルタイムに検出するために実装されました。TinyYOLOv4は、5つのクラスラベルをすべて合理的に検出することができました。しかし、このモデルはM2P、M4H、M4PをM2よりはるかによく検出することができました。概念実証として、MP4ビデオを使い、Webカメラを介してDDの異なるMステージを検出することができました。この結果は、CVアルゴリズムを獣医学に応用し、酪農場にリアルタイム検出を実装するための小さな一歩となる。提案するCVツールは、酪農家や生産者が早期介入のためにDD予防戦略を改善するだけでなく、牛の福祉と生産の向上に貢献することができます。

16. cleftabet – 趾間裂の評価 コンフォメーション

Nynne Capion and Victor Daniel University of Copenhagen

デンマーク、コペンハーゲン

nyc@sund.ku.dk

目的

牛趾皮膚炎(BDD)の動態と感受性の変動(Döpferら、2012;Capionら、2012)には、複数の要因が関連しています。遺伝的変異(Scholeyetal., 2013)や後肢の形態は、個々の牛に関連する要因の可能性があると述べられている。また、この観察モデルは、前脚と後脚の間の BDD感染率の偏差と同様に、乳牛群に見られる変動のいくつかを説明できるかもしれません。趾間裂の幅に関する研究では、趾間裂が狭いと BDDのリスクが高く、趾間裂の中には体重がかかると持ち上げられた脚に比べ、幅が広くなるものがあることが示されています(Daniel, 2011)。この研究の目的は、趾間裂の形状を採点する観察者間の一致を評価することである。

材料と方法

デンマーク人削蹄師14名とカナダ人削蹄師8名が研究に参加した。それぞれの国において、16体の足を並べ、番号をつけ、各削蹄師は数時間の間隔をおいて2回、立脚の趾間裂のコンフォメーションを採点した。最初の採点の前に、参加者はcleftabetについて簡単な説明を受けた。趾間断端のコンフォメーションは次のように採点された。

D – 菱形で、上部が狭く、冠状帯が狭く、中央に鋭角的な開口部がある。

I – クレフトはトップから冠状動脈まで狭く、Iの形を成しています。

n – 裂け目はアーチ状で、上部から開口し、各蹄の冠状帯の間が開いている。

O -裂け目がリング状になり、2つの蹄の冠状帯の間にほとんど/全く隙間がない。

S – 裂け目が狭く、S字のような形をしています。

体重をかけた脚の趾間はD、O、nとなり、趾間は広いか開いている。持ち上げられた脚の趾間の裂け目はIとSで、体重をかけるとIまたはAになり、頂部から冠状動脈まで狭い裂け目か、頂部が狭く冠状動脈で広がる裂け目であることがわかる。

第2回目のセッションの前に、趾間裂の形状とDDの発症しやすさの関連性についての仮説の背景が参加者に説明されました。また,Victor Daniel と Nynne Capionによるスコアをゴールデンスタンダードとした.この黄金律をもとに,観察者間および観察者内のばらつきを加重カッパで算出した.

結果

一致度は中程度で、重み付け=0.43であった。しかし、DとOの区別がつきにくいという結果が出た。DとOを一つのカテゴリーとみなすと、カナダとデンマークでそれぞれ相当からほぼ完全な一致 =0.54、=0.86)を示した。

観察者内一致度は、全削蹄師で平均重み付け=0.84(SE 0.02)とほぼ完璧であった。

結論

本研究は、趾間裂の形状を限られたトレーニングで観察者間で高い一致率でスコア化できることを示している。趾間形状の個体差は、感染性蹄葉炎に対する感受性や治療

・予防戦略の有効性に重要な役割を果たす可能性がある。DD、裂蹄の形態、牛の個体差、脚の構造との関連を理解するために、この要素を今後の研究に含める必要があります。削蹄によって趾間裂の形状が改善されるかどうかは、さらに評価する必要があります。

参考文献

Capion, N., M. Boye, C.T. Ekstrøm, and T.K.Jensen.2012.感染牛群における初産ホルスタイン牛の趾皮膚炎の感染動態。J. Dairy Sci. 95 :6457-6464

Daniel, V.2011.ホルスタインの趾間裂隙の減少に伴い、趾間皮膚炎および趾間皮膚炎感染リスクが増加する。Proceedings from the Lameness in Ruminants – International Symposium and Conference, New Zealand, 2011.

Döpfer,D.,M.Holzhauer,andM.vanBoven.2012乳牛の集団における指趾皮膚炎の動態。モデルによる移行率の推定と制御への示唆。The Veterinary Journal 193 (2012) 648-65.

Scholey, R.A., N.J. Evans, R.W. Blowey, J.P. Massey, R.D. Murray, R.F. Smith, W.E. Ollier, and S.D. Carter.(以下、Scholey とする)。2013.RNA-Seq解析による牛趾皮膚炎における宿主病原性経路の特定。2013 The Veterinary Journal 197, 699-706.

 

17. アッパー中西部の乳牛未経産牛におけるコークスクリュー・蹄症候群の

有病率および危険因子

Nigel B. Cook, Adam Strebe, Kyle Karlen

ウィスコンシン大学マディソン校獣医学部

米国ウィスコンシン州マディソン市 nigel.cook@wisc.edu

目的

本研究の目的は、成長期の未経産牛と成牛の乳牛における新たな蹄病変の有病率と関連する危険因子を明らかにすることである。コークスクリュー蹄症候群(CCS)は、後趾と前趾の内側蹄のコークスクリュー変形が組み合わさったもので、主に成長期から成牛にかけて未経産牛に発生する。これは、高齢牛の外側外側の蹄に見られる伝統的なコークスクリューの蹄とは対照的である。未経産牛が出産する頃には、この症状がひどくなり、後部内側の蹄が体重を支える主要な蹄となることもある。このような状態になると、解剖学的な変化は永久的で修復不可能と思われます。趾骨は不可逆的に変化し、骨外形を形成し、趾袋の中で狭くなり回転するようになります。

材料と方法

Dairyland Hoofcare Institute (Baraboo, WI) の削蹄師から、削蹄した酪農場で CCSの有病率が高い牛群と低い牛群を教えてもらい、中西部の酪農場から便利なサンプルを集めまし た。最初に連絡を取った 83の酪農家リストから、未経産牛と母牛の後部内蹄の病変をスコア化 する訓練を受けた2人のオブザーバーが訪問することに同意した牛群を 43  牛群に選びました。繁殖年齢、妊娠中、未経産牛、そして高泌乳の成牛のグループが調査されまし た。訪問時に、様々な環境と管理のリスク要因の詳細を把握し、専用の Microsoft Accessデータベースに入力しました。データは Excel にエクスポートし、SAS (SAS version 9.4; SAS Institute, Inc., Cary, NC) を用いて分析した。PROC MIXEDを用いて、繁殖牛、妊娠牛、未経産牛の CCS有病率を平方根で変換し、調査対象の未経産牛の頭数で重み付けした一変量線形回帰モデルを構築した。各未経産牛群に有意な変数(P<0.15)を用い、有意でない影響(P>0.05)の後方消去法で多変量モデルを構築し、残差プロットのグラフ評価により、CCSの有病率を説明した。未経産牛のサブグループの一変量解析から有意な効果(P<0.15)を用いて、全未経産牛グループの CCS 有病率を説明する最終モデルを同様の方法で構築した。

結果

調査の結果、牛群全体の CCS 有病率は未経産牛で 16%、成熟搾乳牛で 33%でした。繁殖牛、妊娠牛、未経産牛のデータから、有病率は年齢とともに増加し、それぞれ13%、18%、 23%であることがわかりました。最終的な混合モデルで有意な CCSの危険因子は、全グループで繁殖期の敷料(P<0.005)、妊娠中と未経産牛の全グループを合わせた搾乳頭数(P<0.05)、プレフレッシュ有病者のストールの幅(P=0.0049)でした。繁殖ペンで再生砂の敷料を使用した場合の全未経産牛の最小二乗平均CCS有病率は45.4%で、新砂の 場合は21.5%、その他の有機敷料の場合は6.2%、マットやマットを敷かない場合の4.3%であった。

牛群の規模が大きく、プレフレッシュストールの幅が狭いほど、CCSの有病率に正の効果があった。

結論

CCSは、中西部上流のよく管理されたフリーストール牛舎で未経産牛に見られる新しい病変で、その多くは他の一般的な跛行の原因を抑制しています。調査した牛群では、ほぼ1頭の未経産牛が

未経産牛の 4 分の 1が罹患しており、重症度には幅があった。この研究で明らかになった危険因子は、砂床式のフリーストール飼育施設を使用している大規模な牛群では、未経産牛の発育初期に病変が発生し、繁殖期以降に大きな影響を与えるという仮説を裏付けています。砂床(特に粗い再生砂)は蹄の摩耗と薄い蹄底を生じさせ、骨格の発達期に異常な体重負荷力を受けやすい内側蹄のペダル骨に炎症を起こさせるという仮説が立てられた。

18. 肉牛の蹄葉のグローバルトランスクリプトーム評価行動性が変化した場合

Marcela M. de Souza1 , Paul Plummer2 , Hamid Beiki1 , Jennifer, Schleining3 , Jan Shearer2 , Michelle Calvo-Lorenzo4 , and James E. Koltes1

1アイオワ州立大学動物科学科(米国アイオワ州エイムズ市

2アイオワ州立大学獣医学部獣医診断・生産動物医学教室(米国アイオワ州エイムズ市

3テキサスA&M大学獣医学部、テキサス州カレッジステーション、米国

4Elanco Animal Health, Hudson, Ohio, USA pplummer@iastate.edu

目的

2013年秋、包装工場に到着した牛の行動障害に注目が集まりました。歩行が硬く、動きたがらないことに加えて、牛は呼吸数の増加や筋肉の震えを呈した。最も深刻なケースでは、輸送中または保管中に、1つまたは複数の蹄(蹄角カプセル)が脱落している牛が観察されました。影響を受けた動物は大きな不快感を感じ、梱包工場で蹄が剥がれ落ちた場合、これらの動物を処理することができず、動物福祉の問題と梱包業者への経済的損失の両方が発生します。この症状の分子的な原因をより良く理解することは、この病気を予防するために、給餌業者がより良い給餌と管理方法を開発するのに役立つと考えられている。本報告では、肉牛の行動性スコアの変化の根底にある遺伝子とパスウェイを特定するために、差次的発現および共発現ネットワークアプローチによる蹄葉のトランスクリプトームの評価から得られた知見について述べる。

材料と方法

21匹の各後肢の側蹄を切開し、冠状帯と足底の中間に位置する蹄壁/層状角質/P3の切片を採取した。蹄壁とペダル骨はラミナから鋭く剥離し、ラミナサンプルはRNA-Seq解析に向けた。DESeq2(Rpackage)を用いて、行動性に影響のない動物(対照群;N=4;行動性スコア1)と、行動性に任意のレベルの変化を示す動物(跛行群;N=17;行動性スコア2、3、4)との間の差次的発現遺伝子(DEG)を特定することにより、グローバルなトランスクリプトームが評価された。偽発見率はBenjamini and Hochberg法を用いて制御した(調整済みp<0.1)。異なる行動性スコアレベルにわたって遺伝子発現に同様の変化を示す遺伝子群(モジュール)を同定するために、共発現ネットワーク解析を行った(WGNCA)。モジュールは色名でラベル付けされた。PROCGlimmix(SAS)を用いて、性差を考慮した上で、行動度スコアと統計的に関連する( P <0.05)モジュールを同定した。機能エンリッチメント解析は、CytoscapeプラグインClue GOを用いて、過剰に発現している遺伝子機能またはパスウェイオントロジー用語を同定した。

結果

これらの2つのグループの間では、マトリックスメタロプロテアーゼタンパク質(MMP2およびMMP11)を含む合計1793個のDEGが同定された。対照群では、プロテアソーム、小胞体でのタンパク質処理、オートファジー、ユビキチンを介したタンパク質分解など、タンパク質のホメオスタシスに関連する経路に最も豊富に存在するDEGが確認された。その跛行群に存在量の多いDEGの濃縮は、VEGF、甲状腺シグナル伝達経路、癌のプロテオグリカンなど、主に血管の変化に関連するものであった。Co-expression解析により、タンパク質の恒常性と血管の変化に富むモジュールが同定され、これらの結果が補完された。行動度スコアレベルと関連する6つのモジュールのうち、3つはパスウェイに統計的に濃縮されていた。

行動度1で多く、行動度3で少ないモジュールは、ホメオスタシスとストレス応答に富む(青3、緑色のモジュール)。逆に、行動度1が最も低く行動度3が最も高い遺伝子は、VEGFを介して血管新生に働くことが知られているmTOR経路の遺伝子に富んでいた

(暗紫色モジュール)。MMP2MMP11に加えて、他の4つのDEGが早期疾患予測のための潜在的なバイオマーカーとして同定された。KDRPLCG1MAPK1NOTCH1高行動度スコア動物で発現レベルが高く、VEGFや甲状腺などの主要なシグナル伝達経路に濃縮されていた。また、PLCG1とNOTCH1暗紫色モジュールで共発現していた。

結論

発現量の異なる遺伝子と共発現経路を検討した結果、運動量が変化した動物の蹄葉では、恒常性維持やストレス反応に関わる遺伝子の発現が減少し、血管の形成やリモデリングに関わる遺伝子の発現が増加していることが明らかになった。VEGFシグナルは、mTOR、MAPK、PI3K、甲状腺ホルモンなどのシグナル伝達経路とともに、血管のリモデリングや血管新生を制御する中心的な経路である可能性がある。したがって、我々の発見は、内皮機能不全をもたらすかもしれない蹄葉の血管の変化を示しており、馬と乳牛におけるこれまでの知見を裏付けるものである。我々は、可動性が変化した肉牛の蹄葉の主な相違点として、血管の変化とタンパク質の恒常性に関連する経路と遺伝子を示唆しており、跛行との因果関係を確立するためには、さらなる研究が必要である。

19. 行動性スコアの高い市場体重牛における牛蹄のラミナのバイオメカニクス的強度と歪みの評価

Jennifer A. Schleining1 , Ray J. Lee2 , Paul J. Plummer2 , Jan K. Shearer2 , and Michelle Calvo-Lorenzo3

1Texas A&M University, College of Veterinary Medicine, College of Veterinary Station, Texas, USA2 Department of Veterinary Diagnostic and Production Animal Medicine, College of Veterinary Medicine, Iowa State University, Ames, Iowa, USA

3Elanco Animal Health, Hudson, Ohio, USA pplummer@iastate.edu

目的

2013年秋、包装工場に到着した牛の行動障害に注目が集まりました。歩行が硬く、動きたがらないことに加えて、牛は呼吸数の増加や筋肉の震えを呈した。最も深刻なケースでは、輸送中または保管中に、1つまたは複数の蹄(蹄角カプセル)が脱落している牛が観察されました。罹患した動物は大きな不快感を覚え、包装工場で蹄が剥がれ落ちた場合、これらの動物を処理することができず、動物福祉の問題と包装業者への経済的損失の両方が発生しました。この病態の分子的な原因をより良く理解することは、この病気を予防するためのより良い給餌・管理方法を開発するのに役立つと考えられている。本報告では、市場重量牛の運動性と層状角膜の生体力学的特性の関係について、実験的に評価した結果を述べる。

材料と方法

86頭の市場重量牛が商業食肉処理施設にて評価された。北米食肉協会が規定する行動性スコアを、訓練を受けた従業員が割り当てた。動物は死前検査中に観察され、点数をつけられ、その後、点数ごとにカラーコードを用いて印をつけられた。病気または失明の兆候がある動物はすべて除外された。屠殺後、両前蹄を包装工場内で採取し、研究施設に輸送するために冷凍保存した。無作為化表を用いて左右の蹄を選択し、テストフレームを用いて生体力学的試験を行い、蹄角がペダル骨から外れるのに必要な力を測定した。試験結果は、死後の運動量に基づいて比較された。

結果

生体力学的試験では、すべての試料が真皮と表皮のラミナの接合部で破損した。このことは、動物が採取された時点で、角質と基底膜が健康な状態であったことを示している。破断時のひずみは、可動性スコアに基づき有意差があり(p値=0.0001)、可動性スコアが高いほど、破断前のラミナの弾性(ひずみ)が大きいことを示している。破断時のピーク荷重は、可動性スコアが高くなるにつれて減少する傾向を示したが、統計的に有意なレベルには達しなかった。これらの結果を総合すると、モビリティスコアが高くなるにつれて、ラミナは最小限の抵抗で伸びやすくなり、最終的には破断する可能性があることが示されました。

結論

破断時のひずみの増加は、行動性スコアの高い動物のラミナが伸びてペダル骨が沈み込むという臨床症状と一致します。この研究の結果から、他の病気や失明の原因を除くと、行動性スコアとラミナの生理的弱化、硬い蹄角の陥没や剥離の可能性には直接的な相関があることが示唆されました。この知見は、運動能力の高い動物が蹄を失うという臨床報告と一致しています。これまでの研究では、観察された臨床症状の根本的な問題として、筋肉に関連する病理学に焦点が当てられてきた。今回報告された研究は、蹄の剥落(観察された徴候のうち最も深刻なもの)の潜在的原因を説明するだけでなく、運動能力低下の原因が真皮-表皮接合部の変性や壊死に関連している可能性もあるとしている。

20. 跛行の既往と低いボディコンディションスコアは、磁気共鳴画像で測定される趾クッション体積の減少と関連している。

James Patrick Wilson, L.V. Randall, M.J. Green, C.S. Rutland, and C.R. Bradley Herd Health Consultancy, Cornwall, United Kingdom james.herdhealth@gmail.com

目的

本研究は、淘汰期の成乳牛において、動物レベルの変数(跛行歴を含む)と趾節骨量および趾節骨内脂肪量との関連性を調査することを目的としたものである。帰無仮説は、淘汰期の乳牛の後肢の趾瘤体積は、蹄角病変(CHL)や泌乳期間中の跛行歴と関連性がない、というものであった。この研究の第二の目的は、淘汰された乳牛のサンプルで趾節骨の体積と脂肪率を定量化することであった。

材料と方法

このレトロスペクティブ・コホート研究では、研究用牛群から淘汰されたホルスタイン種の成牛から採取した102対の後肢を、3テスラの研究用MRIスキャナーでスキャンしました。体積と脂肪の測定値は、修正DIXON量子シーケンスから各蹄の各趾クッションについて算出された。跛行スコアとボディコンディションスコア(BCS)を少なくとも2週間に1回収集し、その牛の泌乳期間中に動物レベルの変数を構築した。多変量線形モデルでは、側蹄の趾クッションの体積の合計を結果変数として使用した。

結果

淘汰された動物の側蹄に含まれる趾クッションの量にはかなりの幅があった(0 – 29.86 ml)。側蹄に含まれる趾クッションの容積は、跛行事象または記録されたCHLの回数と負の相関があった。各 CHL 処置は、屠畜時の側蹄の趾クッション体積を 0.89ml 減少させた(P > 0.001, 95% CI: -1.2 -0.6ml)。泌乳期間中に跛行スコアが音として記録される割合が高い動物ほど、屠畜時の側蹄の趾瘤の容積が大きくなっていた。跛行スコアが1%増加するごとに、屠畜時の側蹄の趾クッションの容積は0.08 ml増加した(P = 0.02, 95% CI: 0.01 – 0.15 ml)。

さらに、BCS>3の動物、泌乳後期に淘汰された動物、体重の多い動物は、側蹄の趾瘤の量が多い傾向があった。泌乳期間中に記録されたBCS>3の割合が高い動物ほど、淘汰時の趾節骨の体積が大きくなる傾向があった。BCS > 3の割合が1%増加するごとに、0.31mlの趾節クッション量の増加が観察された(P = 0.06, 95% CI: -0.02 – 0.65 ml)。

結論

後肢の外側蹄の趾瘤の体積は、成牛の乳牛によって大きく異なる。観察されたばらつきの大部分は、後肢の趾節骨量と関連しているようである。

動物の跛行歴。我々は、今回の研究で得られた観察結果は、遺伝的、発育的、疾患関連の入力に広く関連する様々な要因の影響であることを提案します。成牛の乳牛が将来的に CHLになるリスクを減らすために、遺伝的により丈夫な牛を選ぶ方法と、初産前に蹄を事前調整する方法についての理解を深める必要があります。さらに、最適な治療レジメンとそれが蹄の構造に与える影響を理解することで、現在の泌乳期と将来の泌乳期における CHL の再発を抑制することができるかもしれません。

21. 乳牛の前肢に発生した大きなメラノーマの腫瘤

H.Ruiz1 , D. Zalduendo2 , P. Cano1 , M. Vitoria3 , E. Perez1 , A. Rodrígez-Largo1 , L. Luján1 ,

  1. González2 , および D. Lacasta1

1スペイン、サラゴサ市、サラゴサ獣医学部

2スペイン・ナバラ州オルコエン市「ANKA」。 3Tauste Ganadera Originia Foods, Zaragoza, Spain hectorruiz353@gmail.com

目的

フリージアン種の乳牛が左前肢の遠位部に侵襲性の腫瘤を発症し、最終的に死亡に至った。この牛はスペインのサラゴサ州にある集約的な酪農場に永続的に飼養されていた。

2018 年 3 月 20

日に出生した。繁殖・飼育期間中の牛の発育は正常であった。匹は、2020年5月、生後26ヶ月で初出産した。2 回目の分娩は 2021 年 4月であった。この牛の平均乳量は1日あたり39リットルでした。これまでの生涯を通じて、何の障害や体調不良もなかった。

しかし、2021年7月、この乳牛は左前肢の蹄に近い部分に急速に成長する奇妙な形の腫瘤ができ始めた。それ以来、この牛はわずかな跛行を呈するようになり、腫瘤の進展とともに強度が増していきました。.当初、血流を遮断して病変部を壊死させるために、腫瘤の挿入部にゴムバンドが装着されました。しかし、それは効果的ではなかった。瘤が少しでも物に接触すると出血した。この動物は次第に悪化し、流産までしてしまった。

こうしたことから、跛行の専門医が腫瘤を徹底的に調べ、他の会社の獣医師と相談した結果、腫瘤を切除することになった。この時、20cm以上あった腫瘤を除去するための手術方法が提案されました。

ゴムバンドによる保存療法でサイズダウンを試みた結果、2022年1月最終週に手術が計画されました。しかし、その前の日に牛が事故に遭いました。そのため、手術を行う可能性がないまま、その時点で人道的な犠牲となった。

この腫瘤の原因と由来を知るために、開業医は左前肢をサラゴサ大学獣医学部の臨床反芻動物サービスに送り、徹底的な死後調査を行うことを決定したのである。

材料と方法

蹄の健康状態はプログラム「Hoof Manager」を使って記録しました。2 スライス CTスキャナー(BRIVOCT385,General Electric Healthcare)を用いて、病変の全体像を得るために死後コンピュータ断層撮影(CT)検査が行われました。病変の巨視的な外観と、病変がどこに根ざしているかを知ろうとしたのです。その後、死後の検査が行われた。この検査は、組織学的サンプルの収集とそれに続く顕微鏡検査で補完された。

結果

前肢の遠位部、副指骨の上方に広い茎を持つ密な細胞様腫瘤が付着していることがCT検査で確認されました。

死後の肉眼観察では、外見上も断面上も均一な黒っぽい色調を呈していた。腫瘤を切開すると、黒色の細胞組織に白色の線が浸潤しており、繊維質が密生しているように見えた。挿入部では、腫瘤は前肢の後外側で、皮膚に由来して成長していることが理解された。

顕微鏡的には,真皮表層から深層にかけて,高細胞性,非円形,非包埋性,中程度の色素沈着性の結節性腫瘤として描出される.28-35µmのシート状の多角形から星形の高分化メラノサイトからなり、細胞質は様々な粒状の暗色色素で、核は円形から卵形、点状の蹄マチンと1-2個の顕著な核小体を有しています。これらの細胞は、多かれ少なかれコラーゲンと浮腫のある真皮間質上に配置され、多数の脂肪細胞と混在しています。

腫瘤は毛包附属器を埋め込んでおり、浸潤性増殖が見られ、高い新生血管が認められる。メラノサイトはしばしば新生血管を取り囲み、血管周囲のカフを形成している。

これらの所見から、腫瘤はメラノーマと診断された。

結論

メラノーマは、メラノサイトに起源を持つ皮膚の新生物である。牛ではあまり一般的な問題ではありませんが、時々観察されることがあります。そのほとんどは良性と定義されています。しかし、時には巨大化したり、他の場所に転移することもあります。

このケースでは、転移は検出されませんでしたが、サイズが大きいため、患畜の健康に深刻で直接的な影響を及ぼしました。

22. 保護区における跛行の問題 – 事例 研究

Andrea Fiedler1 , Katharina Grimm1 , Charlotte Kröger1 , and Johann Maierl 21 Praxisgemeinschaft für Klauengesundheit / Hoof Health Associates, Munich, Germany2 Department of Veterinary Sciences, University of Munich, Munich, Germany info@praxis-klauengesundheit.de.

目的

ドイツでは、いわゆるサンクチュアリファームでの牛の飼育が増加している。乳牛は食肉処理から「救出」され、雄の子牛は動物愛護団体や動物愛護活動家、民間人が買い取り、サンクチュアリに回されてから肥育業者に売られるのである。

これらのオスは、人間に対する攻撃的な行動を防ぐため、そしてもちろん交尾を防ぐために去勢されます。多くの場合、この去勢は生後数ヶ月の非常に早い時期に行われます。その結果、これらの雄牛は去勢されていない雄牛よりも成長が遅く、足が非常に長くなり、時には非常に重くなります。また、コンパニオンアニマルのように扱われることもある。このような背景から、サンクチュアリの住居環境は動物のニーズを満たしているのか、蹄の手入れを含むケアは常に適切なのか、病気になったときに適切な対処ができるのか、という疑問が生じます。以下のケーススタディは、これらの疑問がなぜ現実的に高い関連性を持つのか、そして所有者が投資する意思があれば、どのような対策が可能なのかを示す一例である。

材料と方法

ドイツのある聖域では、10頭の牛が約100平方メートルのL字型のシェルターの片側を開放した敷地内で飼育されている。泥だらけの800平方メートルの牛舎は、調査の1年前に不十分ながら改修された。厚さ20cmの砂の層で覆われ、その下にある排水層は機能していない。雨が降るとすぐに大きな水たまりやぬかるみができ、冬にはそれが凍って氷の塊のようになる。このような状況の中、肩幅2m、体重約1400kgの牛が夜間に足を滑らせ、翌日スタッフが発見しました。動物病院での初診時、右膝の腫脹は高度で、疼痛も強く、動作時にはカクカクと音がする状態でした。メロキシカム(0.5 mg/kg s.c.)による即時鎮痛療法により、歩様はLS 5からLS4に改善し、牛群に復帰させることができました。蹄や他の関節の損傷を除外するために、この動物は適切な傾斜台で検査されました。両膝の比較超音波検査では、右膝にエコーの悪い液体が強く充満し、その中に外側半月板の一部と側副靭帯が浮いていることが確認されました。これらの所見と体重・体格から、予後は悪いと判断されました。しかし、痛みのコントロールが可能であれば、この非常に友好的な動物を維持し続けたいというのが飼い主の希望でした。メロキシカムによる恒久的な投薬のもと、4週間後に膝のいわゆるオルソカイン治療が行われた。患者から100mlの血液を採取し、市販の血清吸引器(オルソカインベトシリンジ)を使用した。

36℃で12時間培養すると、血球が刺激されて抗炎症作用や再生作用を持つ保護タンパク質が産生されると考えられています。膝を穿刺した後、約150mlの漿液を排出した。その後、滅菌フィルターを注射器のアタッチメントとして使用し、調製した血清10mlを関節内に塗布した。これを3週間後に繰り返した。

結果

メロキシカム(0.5mg/kg、48時間ごと)の経口投与と、刺激血清による2回の局所接種療法を続けたところ、変形性関節症は当初悪化せず、当初は追加の臨床変化さえなかった。残念ながら、5ヶ月後には介護スタッフの注意力が低下したため、当初は状態の悪化が見過ごされていた。そして、健康な3本の手足に、使いすぎによる蹄の潰瘍が発生。獣医師への相談が遅すぎた。予後が非常に悪いため、安楽死となった。

結論

原則的に、早発性去勢雄牛の飼育は、スペースやケアの必要性など、飼い主に特別な要求がある。特に、滑りやすい走行路面は常に転倒の危険性を伴い、その大きさと重量から重大な怪我につながる可能性があります。原則的に、抗炎症対策、つまり全身的にNSAIDsを投与し、局所的にいわゆる自己防御蛋白を使用することで、外傷性膝損傷では一時的に痛みの軽減につながることがあります。しかし、これも対症療法であって原因療法ではなく、動物の大きさや体重の関係から長期的な解決策にはならない。したがって、これらの動物の飼育と医療は、アニマルウェルフェアの観点から特に注意を要する。

23. Holstein  Frisian  の未経産牛のペダル骨骨折の治療に関する症例報告

シャーロット・蹄ジャー

ドイツ・ミュンヘン 蹄の健康協会(Praxisgemeinschaft für Klauengesundheit

c.p.kroeger@web.de

目的

未経産牛はどの農場でも将来を担う存在です。多くの農場では、未経産牛の劣悪な住環境が、若い動物のニーズとその可能性とは対照的です(1,2)。床材は、動物のニーズに合っていなければなりません。特に、すのこ状の床の隙間は、収容される動物の蹄の幅より小さくなければならない(3)。隙間の広すぎるスラットフロアに蹄がはまり込んでしまうことによる足骨の骨折は、劣悪な住居の問題として知られており、しばしば角カプセルが角膜から部分的に破壊されることを伴います(4)。これは、不適切な床材によりペダル骨骨折を起こした若い雌牛に関する研究である。

材料と方法

ある繁殖農場で、遺伝学的に高検査で価値のある雌の未経産牛(9ヶ月)が突然ひどく跛行し、獣医師のもとを訪れました。患部の蹄を X線撮影しました。趾骨の骨折が見つかったため、蹄は合成キャスティングテープで固定され、健全な内蹄にはブロックが取り付けられました。被覆骨折であること、重量のある成牛で両蹄があることは動物にとって価値があること、そしてオーナーがこの牛をショーカウとして育てるつもりであることから、治療計画は損傷した蹄の保存を目的としたものでした。

結果

未経産牛が重度の跛行を示した直後に行われたX線検査では、右後肢外蹄のペダル骨を貫く横方向の骨折線が確認されました。治療開始時には、患側の蹄の角カプセルが角膜から破壊されていないように思えた一方、合成鋳造テープで患側の体重を完全に支えることができました。合成キャスティングテープを貼った状態で、未経産牛は患肢に完全な体重支持を示しました。一方、遠位指節間関節を通る軸の変位とトーラス部の強い圧痛は、診断されたペダル骨骨折に加え、関節の脱臼を示唆するものであった。未経産牛が重度の跛行を示してから 20日後、軸索の冠状バンドは緩んでおり、プローブで角を全長にわたってアンダーランすることが可能であった。治療開始から 41日後、軸索角膜の亀裂と潰瘍が角膜の下に形成されました。この日の再X線検査では、ギプスとブロックによる7週間の歩行により、ペダル骨の骨折線にカルス形成が認められたが、同時にsequestrumも確認された。遠位指節間関節の治癒が長期化し、開腹手術となること、また担当者のコンプライアンスが低いことから、動物の苦痛を軽減するために損傷した蹄を切断することになった。切断された蹄は、遠位指節間関節と靭帯の損傷を評価するために、すでに磁気共鳴画像装置(MRI)スキャンが予定されています。

結論

一般的に、合成キャスティングテープは、若い雌牛のペダル骨の骨折をケアするのに適した、経済的に興味深いツールであり、骨折が原因で良好に治癒する可能性があります。

仔牛の体重を減らし、成長を続けることができます。骨折をスプリントして必要なカルスを形成し、損傷した蹄を保存することは可能です。しかしこのケースでは、遠位指節間関節の変位や骨膜の下に後遺症がない場合にのみ、この治療法が意味を持つということが印象的に示されました。損傷した蹄をすぐに切断すれば、その後の経過観察が大幅に短縮されたことでしょう。

特に発情期の若い未経産牛をすのこで飼う場合は、蹄の幅がすのこの隙間より少なくとも数ミリ広いことを確認することがさらに重要です。他の未経産牛の背中に飛び乗ると、足の指先がすのこの隙間に入り込みやすくなり、挟まれる可能性が高くなります。このような動きをすると、蹄に大きな損傷を与え、獣医による高い治療費、時間のかかるフォローアップケア、初回受精率の遅れによる莫大な経済的損失、あるいは貴重な未経産牛の全喪失につながる可能性があります。

参考文献

  1. Gomez, A., N.B. Cook, M.T. Socha, and D.Döpfer.飼育期間中に趾皮膚炎に罹患した牛の初産成績。飼育期間中に趾皮膚炎に罹患した牛の初妊婦成績。J. Dairy Sci. 2015 Jul;98(7):4487-98. doi: 10.3168/jds.2014- 9041.Epub 2015 May 7.pmid: 25958279.
  2. Svensson, C., and J.Hultgren.スウェーデン南西部における乳牛の飼育環境、管理、および飼育中の疾病とその後の初産乳量との関連性。J. Dairy Sci. 2008 Apr;91(4):1510-8. doi: 10.3168/jds.2007-0235.pmid: 18349244.
  3. Pfeiffer, J., M. Gandorfer, and J.F.Ettema.発情検出のための活動量計の評価。確率的生物経済学的モデリングによるアプローチ。J. Dairy Sci 2020.103:492-506.
  4. Dirksen, G., H.D. Gruender, and M. Stoeber.Innere Medizin und Chirurgie des Rindes.Parey.本。943-946.

24. 乳牛の削蹄時に発見された足病変の調査  ヤギ

Richard Laven、Neil Chesterton

マッセイ大学

ニュージーランド・パーマストンノース r.laven@massey.ac.nz

目的

飼育されている成山羊の蹄病変の報告はほとんどなく、そのほとんどは跛行が問題となっている牛群の跛行山羊です。著者が知る限り、乳用ヤギの蹄病変に関する集団ベースの研究で、査読を受けたものは 1999年に発表された 1件のみです。飼育されている乳用ヤギの蹄病変、特に跛行していないヤギの蹄病変について、もっと情報が必要です。乳用ヤギの全頭または大部分を定期的に削蹄することは一般的な方法であり、ヤギの足病変を評価する機会を提供する。本研究の目的は、ニュージーランドのTaranaki地域にある4つの乳用ヤギ農場で2回にわたり、定期的な削蹄時に観察される足病変を分類・評価することであった。

材料と方法

この調査は、搾乳ヤギが飼育されている農場の中から便宜上選ばれたものです。すべてのデータは、定期的な牛群の削蹄時に搾乳ヤギから収集された。データは、2019年 1月15日~2019年2月14日の間に4つの農場すべてから収集され、その後、3つの農場のみで再び~15週間後に収集されました。削蹄の際、4つの足すべてを検査し、観察された病変を記録した。病変データは、i)分離(部位、すなわちつま先、白帯、軸足、足底または踵を記録)、ii)肉芽(部位を記録)、iii)感染関連(やけど、足病変または二次感染病変の3つのカテゴリーで収集した。すべての病変を記録したため、1頭のヤギが複数の足に病変を持ち、同じ足の中に複数の病変がある可能性がある。

結果

両日とも全農場での削蹄記録数は3,850件であった。1,328件/3,850件(34.5%)でいずれの足にも病変は観察されなかった。少なくとも1つの剥離病変が2,126/3,850件(5 5.2%)で観察された。肉芽形成病変は706/3,850例(18.3%)であった。二次感染を伴う病変は471/3,850(12.2%)で観察された。腐蹄病にかかったヤギはおらず、scaldは20頭のみであった。

白帯剥離は最も多く記録された病変で、3,850頭中1,599頭(41.5%)に少なくとも1つの白帯剥離病変が認められました。2番目に多く記録された剥離は、303回(7.9%)記録されたつま先の足底角の剥離であった。足趾の剥離は、白帯肉芽腫の剥離よりも足趾肉芽腫に関連することが非常に多い。足趾分離症303例のうち277例に足趾肉芽腫を認めた(91.5%)。一方、白帯分離症1,599例のうち白帯肉芽腫を認めたのは169例に過ぎなかった(10.6%)。足指分離症は、白帯分離症が白帯肉芽腫を伴うのに比べ、8倍以上の確率で足指肉芽腫を伴っていた(相対リスク(RR)=8.6(95%CI 7.5~10.0))。この状況は、踵と足底の肉芽腫についても同様で、それぞれ82%と88%の分離症に肉芽組織が見られた。

結論

足病変はニュージーランドでは牧場の羊やヤギによく見られ、他の地域では家畜のヤギにもよく見られるにもかかわらず、今回の調査では非感染性疾患が最も多く、伝染性の蹄病は非常に稀でした。ニュージーランドやその他の地域で飼育されている乳用ヤギの蹄病の流行と影響について、さらなる調査が必要であることは明らかです。

非感染性病変の定義について合意が必要である。私たちは病変を発生部位とタイプで定義しました。このシステムはヤギの蹄病変の病因を理解するのに役立つと思われますが、このシステムの再現性をより多くの農場と観察者で検証する必要があります。また、ヤギの蹄角病変の病因に関する長期的な研究が必要です。この研究では、肉芽腫と剥離の関係を調べる必要があります。肉芽腫は角の剥離部位によって異なること、また病変の有病率が時間と共にどのように変化するか、その変化に影響を与える要因は何かということが、我々の研究で示唆されています。

25. カテゴリーを増やせば実際の跛行スコアのデータは良くなるのか?

Richard Laven、Neil Chesterton

マッセイ大学

ニュージーランド・パーマストンノース r.laven@massey.ac.nz

目的

歩容の採点にはロコモーション・スコアリングが一般的に用いられていますが、どの ようなシステムが最適なのか、実際のスコアがどの程度価値があるのかについては、 限られた意見しかありません。牛の場合と異なり、ヤギの場合はよく開発され、確立 された歩様採点システムがありません。最近のある論文では、歩行が不揃いであると いうカテゴリーがないことが、ほとんどのヤギのロコモーション採点システムの欠点 であると指摘しています(跛行ヤギの3カテゴリーを含む4点システムから5点システムを作成する)。この論文の目的は、4つの商業ヤギ農場で行われたロコモーション採点のデータを用いて、この結論が正しいかどうかを評価し、単純な跛行/非跛行の二分法ではなく、実際の点数を用いることの重要性について考察することである。

材料と方法

牛で使われている 4 段階のスコアリングシステム(AHDB/DairyNZ lameness score)を応用し、跛行牛の 2つのカテゴリーと不完全歩行のカテゴリーを設けました。次に、4つの乳用ヤギ農場で運動機能のスコアリングを試みた。各農場のヤギは、搾乳後に歩いてペンに戻り、オブザーバーは歩くヤギから約 10m離れた車両に乗り、気が散らないようにしながら採点した。これにより、毎回最大数のヤギが採点され、すべてのヤギが硬い地面を歩いて採点されることが確認された。

結果

ロコモーション測定が可能な農場は全体の4分の3に過ぎない。4番目の農場では、パーラーからペンまでの距離が短かすぎた。2回の測定で、80%のヤギが正常な歩様を示し、13%が跛行しながらも体重を支えることができた。跛行を伴わない不完全歩行は稀で(4%)、体重をかけない跛行や歩行速度に明らかな影響を与える跛行も3%であった。ロコモーションのスコアリングシステムは、牛の場合と同様に、多数の動物をスコアリングすることが可能な方法であることが証明された。

結論

これらの結果から、ロコモーションシステムの実際のスコアが農場の文脈で(さらには研究の文脈で)有用であるかどうかという疑問が浮き彫りになった。私たちが使用した上位の点数は、5点システム(およびそれを応用した4点システム)の上位2点に相当するものでした。実用的な観点からは、前進や体重負荷に消極的な跛行ヤギは、やる気のないヤギやできないヤギとすぐに同じように扱うべきでしょう。両者を区別することは、農場スタッフにはほとんど関係がありません。研究の観点からは、このような最高得点は非常に稀です。5 点システムの研究では 5 点のヤギはおらず、拡張した4 点システムを開発した元の研究では、最高得点はわずか3%でしたので、最高得点を重度の跛行の広いカテゴリに含めることによって失うものはほとんどないかもしれません。牛の場合も同様で、最も一般的な5段階評価(1肢または2肢以上で体重を支えることができない、または極端に嫌がる)のトップスコアが記録されることは非常に稀です。単に点数がないことが問題なのではなく、採点システムの比較では、5点満点のトップスコアと5点満点が同一視されることが多いのです。の上位2点が5点の上位2点と同等であることが記述から明らかであっても、4点の上位 2点が4点の上位2点と同等であることが記述から明らかであっても、4点の上位2点が5点の上位2点と同等である。

不完全歩様に関しては、このカテゴリを含めることで、農場での跛行の早期発見につながる可能性が示唆されました。牛ではこのようなことは起こりませんし(システムによっては感染牛を記録するのではなく、不完全歩行を集計するだけ)、私たちの結果から、ヤギでは牛よりも不完全歩行の方がはるかにまれであることが示唆されます。これは、正常歩行と不完全歩行のヤギの数が同等であると示唆した、オリジナルの5ポイント調査とは正反対です。しかし、これは集団で観察するのではなく、個別にヤギを観察したもので、多数のヤギを調べるにはこれしか方法がありません。つまり、ヤギの不完全歩行は初期の跛行を反映しているが、農場で検出するのはほぼ不可能である。あるいは、個々のヤギを観察することで、臨床的に重要ではなく、ヤギが集団で歩くときには検出できないヤギの歩行のクセを特定することができる。

26. 乳牛の足病変に対する抗生剤不使用の治療法  ヤギ

Daisy Roijackers、Anne Seinhorst

イントラケア

Veghel、オランダ droijackers@intracare.nl

目的

乳用ヤギの跛行は乳牛や羊ほど研究が進んでいないため、情報は他の種から外挿されることが多い。一定の類似性は見いだせますが、飼育システム、栄養、足の解剖学的構造に違いがあります(Groenevelt,2017)。発表されているデータでは、乳量の減少など、福祉と生産に大きな影響を与えることが示されています(Christodoulopoulos etal.)農場内での有病率は最大67%と高いことが報告されています(Groeneveltら、2015;Sullivanら、2015)。

効果的な治療の代替手段がないため、抗生剤は依然として個別治療によく使用されています。キレート銅と亜鉛は、乳牛の趾皮膚炎の治療において、抗生剤スプレーの代替品として証明されています(Holzhauerら、2011年;Dotingaら、2017年)。本研究の目的は、乳用ヤギの足病変に対して、非抗生剤スプレーが抗生剤スプレーと同等の治癒をもたらすかどうかを調査することである。

材料と方法

この非劣性試験は、オランダのヤギイノベーションセンター(GIJS  Mekkerhof BV)で実施されました。銅と亜鉛のキレートを含む非抗生剤スプレー(イントラエピジン)はIEと呼ばれる。ポジティブコントロールは抗生剤スプレー(エンゲマイシンスプレー)であり、OTCと呼ばれる。ヒツジの足病変についてStewart and Claxton(1993)が開発した、病変を0(健康な足)から5(最も厳しい段階)に分ける採点システムに従って、跛行ヤギを選別し、刈り取り、採点を行った。スコア0となった跛行ヤギは、試験に参加させなかった。

削蹄後、スコア1~5のすべての蹄を写真撮影し、治療群に割り振った。両群とも0日目にスコア1、2(軽症)は包帯なし、スコア3、4、5(重症)はガーゼと包帯で治療した。各病変のスコアには、IEまたはOTCを交互に投与しました。合計で、IE群46足、OTC群46足となった。7日目に病変部を再度採点しました。治癒は、軽度の病変では7日目にスコア0、重度の病変では感染がないことと定義された。統計解析は、Fisherの正確検定を用いて、治療群間の治癒に有意差があるかどうかを分析した。p値<0.05を統計的に有意とみなした。

結果

試験には43頭のヤギから得た92の病変が含まれ、そのうち30.4%が軽度の病変、69.6%が重度の病変に分類された。43頭のヤギのうち、69.8%は1つ以上の病変に侵されていた。4本の脚の病変はほぼ均等に分布しており、すべての脚に20~30%の病変が認められた。

治療7日後,IEで80.4%,OTCで73.9%の病変が治癒し,相対リスクは1.22となった。有意差はなかった。

結論

乳用ヤギの足病変に対する銅および亜鉛キレートと抗生剤スプレーの治癒効果に有意差はなかった。したがって、IEは抗生剤を使用しない代替薬として使用でき、日々の診療に取り入れることが可能である。

27. 飼育下のヘラジカにおけるTreponeme関連蹄病の環境感染

Margaret Wild and Zachary Robinson Washington State University Pullman, Washington,

USA margaret.wild@wsu.edu

目的

トレポネーマ関連蹄病(TAHD)は,米国北西部の放し飼いエルク(Cervus  elaphus)で確認された新興の病気である。トレポネーマ属菌が病変に関連しているが,決定的な病因は特定されておらず,伝播も確認されていない。我々は,TAHDが,罹患したエルクの蹄で汚染された土壌を介して,健康な飼育エルクに伝播するかどうかを調べることを目的とした.

材料と方法

ワシントン州立大学(WSU)プルマンの研究施設において、WSU施設動物管理使用委員会の監督と承認を得て、6頭の飼育エルクをコンクリートで裏打ちした個別ストールに収容した。2020年10月から2021年3月の間に、4頭の治療用エルクを、TAHD陽性エルクの蹄ホモジネートを用いて調製し、土壌と混合した接種物に暴露した。接種物のアリコートを擦り切れた趾間(IDS)に塗布し、軽いフットラップで一時的に固定した。さらに、接種物をペンの土壌と混合した。対照となる2頭のヘラジカには、TAHD陰性の蹄を用いて調製した接種物を用いた以外は、同じようにチャレンジを行った。試験期間中、2~4 週間の間隔で 8

回のチャレンジを実施した。毎日跛行を測定し、顕著な跛行には非ステロイド性抗炎症薬を経口投与した。各試験時に、蹄に肉眼的病変が発生していないかを検査し、DN Aの16Sアンプリコンシークエンス用にIDS掻爬を採取した。実験終了時に IDS生検を行い、組織学的検査と DNA の 16S アンプリコンシークエンシングを行った。

結果

対照群のエルクには病変が見られなかったのに対し、処理群のエルク4頭はすべてTAH Dと一致する肉眼的・組織学的病変を発症した。TAHD病変は4カ月までにすべての治療対象エルクで観察され、試験開始後5カ月半までに重度の病変に進行した。3頭の治療対象エルクは人道的エンドポイントに達した時点で安楽死させられたが、1頭は回復した。

トレポネーマ属菌は、すべての処理エルクのIDSスクレイピングと生検で検出されたが、対照エルクでは検出されなかった。放し飼いヘラジカのTAHDに関連する他の細菌群も、処理ヘラジカで過剰発現していた。

結論

この結果は、TAHDが伝達性感染症であることを証明するものである。TAHD陽性の蹄で汚染された土壌に初めて曝露した後、5.5ヶ月以内に放し飼いのエルクと区別できない重度の病変が発生した。

28.  COM-B  モデルによる農家とアドバイザーの跛行管理行動の探索

Beth Clark and Niamh Mahon

ニューカッスル大学

ニューカッスル・アポン・タイン、イングランド beth.clark@newcastle.ac.uk

目的

羊や牛の跛行は、英国やその他の地域で最も一般的な健康状態の一つです。これまでの研究で、跛行の管理と治療に関するベストプラクティス(最良の実践方法)の知識が向上していることが明らかにされていますが、この一連の知識を農場で実践するにはいくつかの障壁が存在します。これには農家とアドバイザーの行動、跛行を管理し対応する際の相互作用が含まれます。既存の研究では、行動変容理論を農場での管理方法に適用しようと試みています。そのようなフレームワークの一つが行動変容の輪(BCW)であり、行動のCOM-Bモデルを中心に、ある行動における能力、機会、動機の役割を探ろうとするものである。本研究では、このモデルを用いて、以下の点を調査した。

1)羊、肉牛、乳牛の跛行に対する農家とアドバイザーの認識

2)能力、機会、動機がこれらの跛行管理方法にどう影響するか

3)農家とアドバイザーの相互作用がこれらの跛行管理にどう影響するのか。

材料と方法

データ収集に先立ち、両研究機関から研究の倫理的承認を得ており、参加者全員が参加することに同意している。質的なアプローチとして、農家とそのアドバイザーとの半構造化面接を実施した。参加農家は全員、乳牛、肉牛、羊のいずれか1つ以上を飼育しており、イングランド北部(英国)を拠点としていた。また、彼らのアドバイザーはイングランド北部に拠点を置くか、全国レベルで活動していた。合計で29名の酪農家と21名のアドバイザーが参加した。インタビューは、Covid-19の流行前は直接会って(n=13)、Covid-19の規制後はオンラインまたは電話で(n=37)行われた。

インタビューはすべて録音、転写され、Nvivoにアップロードされ、テーマ分析が行われた。次に、特定されたテーマを COM-Bモデルとの関連で検討し、跛行管理における能力、機会、動機づけの役割を明らかにした。

結果

跛行は、肉牛、乳牛、羊の各セクターにおいて、複雑かつ多因子であると考えられています。跛行に関する知識は、様々な管理技術によって証明されているように、十分であると思われる一方で、この知識を応用し、ベストプラクティスを実施するには、物理的・社会的機会、心理的能力、動機、そしてこれらの相互作用に関連したいくつかの課題が確認された。

社会的能力に関連する要因としては、農家の慣れ、業界の跛行率の目標値や要件(保証制度)、農家とアドバイザーの良好な関係、特に獣医との関係の必要性などが挙げられます。畜産業界では、跛行を低く抑えようという社会的圧力がありますが、それを実現するのは困難な場合があります。

物理的な跛行管理の機会は、時間、資金、環境など農場での現実的な制約によって制限される場合があり、その中には酪農家の手に負えないというものも含まれていました。また、アドバイザーが農場に出向く機会も物理的に限られており、会話の機会も少なくなっていました。

さらに、特に羊の分野では、跛行に慣れるという文化があり、跛行のレベルは実際の有病率より低く認識されることが多いということをアドバイザーは認識していた。このことは、農家が動物の跛行は避けられないと認識していること、跛行が慢性的であること、感情的であること(誰も残酷であると見られたくない)なども農家の心理的能力や管理への意欲に影響を及ぼしている。

上記を解決するための中心は、農民とアドバイザーの良好な関係の必要性であった。その中で、アドバイザーのコミュニケーション能力や対人スキルは、良好な関係を築き、農民のモチベーションや個々の状況における自分の能力を取り巻く信念を管理する機会を生み出す重要な促進因子と見なされた。

結論

本研究は、跛行管理における農家の物理的・社会的機会、心理的能力、モチベーションの重要性を明らかにするものである。特に、農家とアドバイザーの良好な関係を構築することの重要性が認識されたことは意義深い。これらの結果から、跛行管理の改善には、農家が能力を発揮できるようにする戦略(例:障壁を減らして能力を高める)が重要であり、アドバイザーは農家の支援において重要な役割を果たすことが示唆される。特に獣医は農家の変化を可能にする重要な役割を担っていると思われるため、今後の戦略では獣医間の関わり合いの機会を最大化することを検討する必要があると思われる。

29. 牛のオークションにおけるDDの普及状況調査  –

外部家畜の購入による農場へのDD導入リスク

Andrea Fiedler1 , Katharina Grimm1 , Charlotte Kröger1 , and Johann Maierl 21 Praxisgemeinschaft für Klauengesundheit / Hoof Health Associates, Munich, Germany2 Department of Veterinary Sciences, University of Munich, Munich, Germany info@praxis-klauengesundheit.de.

目的

トレポネーマの感染によって引き起こされる趾皮膚炎は、酪農場の経済的損失の原因としてよく知られています。急性病変(DD-M2)は跛行の原因となり、アニマルウェルフェアの問題にもなっています。

初期段階(DD-M1、小型 DD-M2)を診断することで、治療結果を改善することができます。DDの初期段階を発見するためには、蹄の健康状態を定期的に評価する必要があります。例えば、パーラーでの搾乳時に蹄をチェックします。酪農家にとって DDを排除する鍵は、牛を購入せずに閉鎖的な牛群管理を行うことです。既に DDに感染している農場では、スーパースプレッダーを牛群に入れることは避けてください。

家畜のオークションでは、感染した家畜を購入するリスクは感染した農場の割合で推定できます(ドイツの農場と同様に、米国の酪農場の 70 ~ 90% が DDに感染しています)。そのため、南ドイツの繁殖協会では、毎月開催するオークションで出品されるすべての動物の足を DDでスクリーニングすることにしました(主に初産牛、少数の未経産牛、少数の多産牛)。

材料と方法

すべての動物はオークション会場に入る前に急性期(DD-M2)および慢性期(DD- M4)のスクリーニングが行われた。すべての売り手はこのプロトコルについて知らされていた。目に見える急性期(M2)の動物はオークションから除外され、慢性期の病変は記録され、この情報は売り手/入札者が入手できるようになった。

02-2018 年から 02-2020 年にかけて 12 回の競売が行われ、平均 125 頭の乳牛(67-148、合計 1503頭)が競り落とされた。競売前の朝、牛はパーラーを通過して競売会場のロビーに入りました。すべての足をホースから出る温水で洗浄し、懐中電灯と望遠鏡の鏡を使って、立ったまま採点しました。目に見える趾皮膚炎の病変は、よく訓練された獣医師が M ステージに従って採点した。M0は、いかなるDD-病変の徴候も観察できない場合に記録され、しかし趾間裂にアクセスすることなく、記録された。M2病変が観察された場合、追加で足と耳札の写真を撮った。

結果

検査した牛の 5.5%は最低でも片足に DD-M2の病変があった。オークションのレベルでは、この数字は 2 % から 7.3 %の間で変動している (M2) 。M4 ステージでは、より高い発生率を示した。42,7 %の牛が M2 を発症していないが、少なくとも片足に M4を発症していた。少なくとも片足に M2 の病変がある牛は、多くの場合、他の片足にも M4 の病変がありました。50,4% の牛は全ての足に M0(定義通り)があり、M1 や M3の病変がはっきりしている牛はわずかしかいませんでした。当初、最初の 3回のオークションで、売り手と診断について議論になったがすぐに解決できた。売り手側の態度の変化が顕著だった。診断プロトコルは受け入れられ、かつての急性病変の治療も観察された。とはいえ、急性疾患のない市場は一つもなかった。

結論

DDは非常に広く蔓延している病気です。急性および慢性の病変は、よく訓練された人であればパーラーで簡単に発見することができます。DDの管理には、外部のバイオセキュリティが必要です。急性期の罹患牛は牧場に入るべきではありませんし、慢性期の罹患牛は再発を防ぐために特別な注意が必要です。乳牛オークションの入札者は、急性のDD病変を持つ牛を購入しないよう安全でなければならない(M2, M4.1)。オークション前に DD病変のスクリーニングを行うことは、これを管理する 1つの方法かもしれません。オークションの記録から、全ての出品者がプロトコルを知らされているにも関わらず、かなりの数の牛が M2病変と診断される可能性があることがわかりました。同等の酪農場に対しての明確な推奨は、農場を閉鎖しておくことです。酪農場は閉鎖したままにしておくこと。一頭も持ち込まないこと。

30. 乳牛未経産牛における初産前5週間の運動とコンクリート上での起立が初回跛行発生までの時間に及ぼす影響を検討する無作為化臨床試験

Winston Mason1 and Richard Laven 21

VetEnt, Waikato, New Zealand

2マッセイ大学、ニュージーランド、パーマストン

ノース winston.mason@vetent.co.nz

目的

最近の国際的な研究により、跛行の重要な危険因子の1つは過去に跛行を経験したことであることが証明されています。このことから、未経産牛の移行期に特に重点を置いて、初回跛行発症までの期間を延ばす努力が必要であることがわかります。未経産牛の移行期はニュージーランドでは比較的特殊で、未経産牛の大部分(80%以上)が約2ヶ月という短期間で出産し、これらの牛は通常、初産前の生活の大部分(全てではないにしても)を放牧で過ごします。しかし、分娩後、未経産牛は多くの新しい環境と管理のストレス要因にさらされ、分娩が蹄に与える影響も今ではよく知られるようになりました。

この研究の第一の目的は、分娩前 5週間にコンディショニングと運動を行うことで、放牧牛の初跛行までの時間が短縮されるかどうかを評価することです。実際、初産牛の分娩前の移行期管理を変更することで、分娩後に起こる蹄の健康に関する生理学的・管理学的変化に耐えられるかどうかを調査しました。

メソッド

本研究は、ニュージーランド北島にある春期分娩の酪農家6軒のコンビニエンス・サンプルを対象に実施された。

試験開始日(各農場とも分娩開始の約5~6週間前)に登録されたすべての未経産牛を無作為化臨床介入試験に登録し、各農場で1:1の割合で介入群または対照群に無作為に割り付けた。介入群の未経産牛は、農家から割り当てられたパドックから農道を歩いて(片道約 0.5~1.0 km)コンクリートの集積場へ向かい、そこで約 1時間コンクリートの上に立っていた。その後、徒歩で放牧パドックに戻された。介入は週5日、5週間行われた(すなわち、35日間で25日の介入日)。対照群は通常の農作業と同様に分娩前の牧草地で管理した。介入段階が終了し、未経産牛の分娩開始予定日の直前に、2つの治療群 を一緒にして分娩に備えた。すべての試験動物を最長 210日間追跡調査した。

各牛群の最初の雌牛が出産した 2 週間後から、訓練を受けた 2 人の技術者のうちの 1人が、隔週で跛行スコア (LS) のデータを収集し、15 回の LS イベント(LS 0- 3)を継続した。また、農家は、農場で診断したすべての跛行の症例の家畜番号と日付を記録するように指示された。これらの農家が記録した跛行の症例は以下のように分析された。

LSの状態に関係なく跛行した。結果は、生存分析法を用いて、最初に跛行が発生するまでの時間として分析された。

結果

治療群には 392 頭、対照群には 390 頭の未経産牛が登録されました。合計102/782頭(13.0%;95%CI10.9-15.6%)の未経産牛が跛行と診断されました。このうち51頭はLSイベントで診断され、残りの51頭は農家で診断されました。

跛行のうち53頭は治療群の未経産牛に属し、対照群では49頭であった。治療群間の跛行のハザードに差はなく、治療群の跛行のハザードは対照群の跛行のハザードの1.12倍(95%CI 0.65-1.95)であった。

結論

多数の未経産牛を対象とした研究にもかかわらず、真の跛行リスクは予想より低いものでした。そのため、治療群間のわずかな違いを見出す力は弱くなりました。しかし、今回の介入によって初産牛の跛行率が生物学的に重要な程度まで低下することは考えにくく、乳牛の跛行率を低下させるには、科学的根拠に基づいた他の実用的な方法が早急に必要だと結論付ける必要があります。

31. アンターゲット  メタボロミクスによる未経産牛の跛行予測

Laura Randall and Martin Green University of Nottingham Nottingham, United Kingdom laura.randall@nottingham.ac.uk

目的

本研究は、アンターゲットメタボロミクス(液体蹄マトグラフィー-質量分析法:LC-MS)を用いて、初産乳牛の跛行と非跛行のメタボロームを鑑別し、同定した代謝物の予測精度を評価することを目的としています。研究の目的は、1)跛行時の尿からメタボロームの予測精度を評価すること、2)移行期に採取した尿からメタボロームの予測精度を評価することです。これらの技術が成功すれば、予防戦略の一環として、跛行を早期に予測するツールの開発に活用できる可能性があります。

材料と方法

300 頭規模の研究用牛群に収容されている未経産牛の 2群から尿サンプルを採取した。コホート 1 は現在の初産牛、コホート 2 は分娩前(3週間)に募集し、泌乳 70日(DIM)までモニターした未経産牛であった。行動性スコアを毎週記録し、跛行は 2週連続で 2 以上 [0 – 3 スケール(AHDB)] と定義した。尿サンプルは跛行牛と DIMが一致した非跛行牛から採取し、液体窒素で急速凍結して -80℃で保存した。コーホート 2 では、分娩前後(3週間以内)にプロスペクティブにサンプルを採取し、跛行の結果が判明してからサンプルを選択した。サンプルはアンターゲットLC-MS(Q-Exactive Plus質量分析計、Dionex U3000 UHPKCシステム搭載)を用いて分析し、半定量的なメタボロームデータを作成しました。このデータを一連の機械学習手法を用いて分析し、予測精度の面で最も優れたモデルを同定しました。

結果

コホート 1 には合計 90 頭の未経産牛(跛行 45 頭、非跛行 45頭)が含まれました。コホート2には、未経産牛30頭(跛行15頭、非跛行15頭)が含まれる。跛行時に採取したサンプルで最も性能の良い機械学習モデルは、跛行を 82%の精度で予測しました。分娩前に採取したサンプルでは、予測精度は73%、分娩後に採取したサンプルでは、最も性能の良いモデルの予測精度は75%であった。

結論

この研究により、非標的メタボロミクスを用いて未経産牛の跛行と非跛行を区別できること、メタボロームを用いて跛行を73~82%の精度で予測できることが実証されました。さらに、跛行牛と非跛行牛のメタボロームの違いは、分娩前3週間以内という早い段階で明らかになりました。このことから、この技術を利用したツールを開発すれば、跛行予防策に役立つリスクの高い牛を早期に特定する大きなチャンスとなる可能性があります。

参考文献

AHDB.2020.Agriculture and Horticulture Development Board (AHDB) Technical Information; Mobility Scoring [Online].Available: https://dairy.ahdb.org.uk/technical-information/animal- health-welfare/lameness/husbandry-prevention/mobility-scoring/#.XqrlhWhKjIU (Accessed 30th April 2020).より引用。

32. ホルマリンに関する一つの健康的な視点  フットバス

アルネ・ヴァンフート、エスメ・ヤンセン

Animal Health Service, Driebergen-Rijsenburg, Netherlands vanhoudt.arne@gmail.com

目的

オランダの酪農家におけるホルマリンフットバスによるホルムアルデヒドの職業的暴露レベルを調査し、この暴露が確立された安全基準内にあるかどうかを研究すること。

材料と方法

20軒の酪農場で定点アクティブエアサンプリングを行い、フットバス使用時のフットバス横とミルキングパーラー内の空気中ホルムアルデヒド濃度を測定した。さらに、気象条件が空気中のホルムアルデヒド濃度に影響するかどうかを評価するために、測定中の温度、相対空気湿度、CO2、気圧を気候モニターで収集した。構造化面接により、潜在的な曝露経路、曝露時間、予想されるホルマリンフットバス濃度、および可能性のある交絡因子を決定した。フットバスのホルムアルデヒド濃度は、大気中のホルムアルデヒド濃度との関連性を評価するために測定された。

結果

フットバスの使用時間は1.0~1.5時間であった。フットバス付近のホルムアルデヒドの空気中濃度は、

検出限界未満から0.316ppmの範囲で、7回の測定で長期8時間時間加重平均の職業暴露限度(OEL)を超えていました。短期的な15分時間加重平均のOELを超える濃度はなかった。ホルムアルデヒドの濃度は、一般的に搾乳パーラーで低くなっていた。しかしながら、2つの農場では、搾乳パーラーでのホルムアルデヒド濃度が8時間OELを超えた。一般的に、フットバスのホルムアルデヒド濃度は、牛の通過前と通過後に測定した場合、ほぼ同じでした。大気中のホルムアルデヒド濃度とフットバス濃度、フットバスの蒸発面、気候条件、サンプリングの高さ、フットバスからの距離との間に強い関連は見られなかった。

結論

オランダの酪農家労働者は、作業時間やホルムアルデヒドの大気中濃度から、安全基準値内に収まっていると思われる。しかしながら、農場でかなりの量のホルムアルデヒドが検出される可能性がある。したがって、本研究は、ホルマリンの代替の重要性と酪農家労働者への暴露リスクに関する情報提供の必要性をさらに強調するものである。

33. 牛趾皮膚炎  病変のMスコアのためのオンライントレーニングツール

Arne Vanhoudt1 and Dörte Döpfer2

1Animal Health Service, Driebergen-Rijsenburg, Netherlands2 University of Wisconsin School of Veterinary Medicine, Madison, Wisconsin, USA vanhoudt.arne@gmail.com

目的

Mスコアを用いて趾皮膚炎の病変を分類するための独立したトレーニングを可能にする。

材料と方法

事前に撮影した後肢の趾写真を、コンピュータビジョン・人工知能システムと3人の専門家(学者、民間コンサルタント、フット削蹄師各1名)が採点した。採点者 3名が同意した写真のみがトレーニングツールに採用されました。

オンライントレーニングツールで構成されています。

  • 病変部の最終的なMスコアの算出に必要なステップを示したデシジョンツリーで各ステップとMスコアについて短い動画で解説しています。
  • この決定版は、東京で開催された「Lameness in Ruminants Congress 2019」のポストコングレスワークショップで発表されました。
  • トレーニング用の写真に点数をつけ、その点数を即座にフィードバックできるようにしたものです。

学習の進捗状況を確認するために、ユーザーは学習環境に入る際に、あらかじめ設定された写真のセットを採点するよう求められる。トレーニング終了後は、シャッフルされた同じ写真群がユーザーに提示されます。トレーニングの所要時間は、経験や採点速度に応じて30~60分程度と予想され、トレーニングを終えたユーザーは、開始時と終了時の両方の評価で、進捗状況のフィードバックを受けることができます。

ユーザーには、職業、M-scoreの使用経験年数、雇用形態、性別、年齢などの情報を提供していただく予定です。匿名での学習環境の利用が可能です。

ユーザーの同意を得た上で、トレーニング前とトレーニング後のデータを比較し、趾皮膚炎のMスコア記録におけるトレーニングツールの効果を定量的に評価する予定です。

結果

結論

このオンラインツールは自由に利用でき、牛の趾皮膚炎病変の正しいMスコア分類を向上させるのに役立ちます。

34. オランダの酪農家 19 牛群における、

リスク評価と獣医師の助言による趾皮膚炎の管理に関する観察的研究

Arne VanhoudtとKarin Orsel

Animal Health Service, Driebergen-Rijsenburg, Netherlands vanhoudt.arne@gmail.com

目的

第一に、趾皮膚炎(DD)の有病率とDDリスクスコアとの関連を明らかにする。次に、リスクスコアに基づく獣医師の助言が、農家とその獣医師によるDDの有病率と管理に及ぼす影響を明らかにする。

材料と方法

1つの動物病院から定期的に牛群衛生を訪問している19の農場を、2016年と2018年の3月から4月の間に訪問した。選定基準は、(1)DDの存在。(2) 搾乳パーラー内で M スコアリングができること (3)研究に参加する意思があること。酪農家訪問時に DD の有病率を測定し、DDリスク評価(RA)調査を行った。訪問の最後に、酪農家には治療の対象となる M2病変を持つ牛のリストが渡された。DD RA調査は跛行RA質問票(University of Calgary)の暫定版である。DDRAアンケートはカルガリー大学によるもので、22のMCQからなり、足の健康、住居、一般管理に関する項目がある。各回答には公表文献に基づくリスクスコアが付与され、スコアが高いほどDDのリスクが高いことを示す。すべての質問のリスクスコアを合計して、トータルリスクスコア(TRS)を算出しました。2016年と2018年の2名の獣医学部生が農場訪問を行い、公表文献を用いたM-および脚部衛生のスコアリング、趾カラー写真による座学、ヘラに接着した鏡と強力なヘッドライトを用いて約50頭の乳牛の洗浄後脚のパーラー内スコアリングを実施した。乳牛群改良データは、同意を得た上で農場管理ソフトから抽出した。

研究開始前に、酪農家とその獣医師を DD会議に招待した。研究計画とともに、酪農場におけるDDとその制御に関する一般的な情報が提示されました。2016年には、すべての農場訪問の終了後に、DD制御に関するアドバイスを含む1ページの要約をまとめ、酪農家とその獣医師に電子メールで送信し、2018年には、各農場訪問後14日以内にこれをまとめ、電子メールで送信しました。研究の終わりに、農家とその獣医師は再びグループミーティングに招待され、匿名化された結果が発表されました。

TRS(最大リスクスコアの%)および牛群のDD有病率(牛のレベル)について記述統計量を算出した。TRSを予測因子、DD有病率を結果変数とし、年を因子、牛群をランダム効果として線形混合モデル(LMM)分析を用いて、TRSとDD有病率の関連を検証した。予測因子としてのΔTRS(2018~2016)と結果変数としてのΔDD(2018~2016)有病率の間の関連は,散布図により可視化した.

2019年、農家と獣医師は、両調査年に与えられたアドバイスをどうしたか、メールで尋ねられた。

結果

表1.オランダの19の乳牛群におけるTRSとDDの有病率の記述統計量

バリアブル平均値SD最小最大
TRS (%)201642131365
 201841132068
DD有病率(%)201639131559
 201849102769
ΔTRS (%)-19-1716
ΔDDの有病率(%)1011-1431

*SD = 標準偏差

LMM解析により、TRSの高さはDD有病率の高さと関連し(0.45、95%CI 0.19-0.73)、2016年と比較して2018年のDD有病率は高かった(10.48、95%CI 3.47-17.50)ことが確認された。散布図では、ΔTRSとΔDD有病率の間に重要な関係はないことが示された。

2016年および2018年に行ったアドバイスに対する行動に関するメール調査では、農家からの回答率は53%(10/19)であり、2016年に4農家、2018年に7農家がDD管理に何らかの変更を行ったと回答しています。獣医師からの回答率は、2016年は89%(8/9)、2 018年は90%(9/10)であった。彼らは農家とアドバイスやDD管理について話し合っていたが、大多数がフォローアップの不足を認めていた。

結論

DDRA調査は、酪農場におけるDD防除の長所と短所の認識を高めるために利用することができる。しかし、DDRA調査に基づく獣医学的助言は、酪農家と獣医師の双方に、現場条件下でのDD蔓延の減少につながる行動変容を起こすには不十分である。

Journal of Dairy Scienceに掲載されました。DOI https://doi.org/10.3168/jds.2020-18730

35. 乳牛の跛行の改善に向けてファームアドバイザーの関与と行動を促進する

ジェラルド・クレイマー、エリン・ウィナンズ 米国ミネソタ大学獣医学部ミネソタ州セントポール校

gcramer@umn.edu

目的

質的な参加型手法を用いて、跛行管理アドバイザリーグループの形成を促進する。その目的は、1)跛行アクションプランを策定するためにアドバイザーの相互関与を促進し、2)インタビューとテーマ分析を通じて参加者のグループに関する経験を調査することにある。

材料と方法

米国ミネソタ州から 13 名のアドバイザー(削蹄師 5 名、栄養士 4 名、獣医師 4名)を募り、企画会議、ワークショップ、跛行アドバイザリーグループ会議に参加し、10の酪農場の跛行アクションプランを策定した。アドバイザーは、跛行管理グループの経験や互いの交流を記録するため、プロジェクト終了時にインタビューを受けた。インタビューは音声録音され、逐語的に書き起こされ、主題分析により共通のテーマが特定されました。

結果

参加者からは、プロジェクトに対する好意的な意見が多く、ディスカッションの質や他のアドバイザーとの交流の機会について感謝の声が聞かれました。アドバイザーは、報告書や農場の情報を共有することで、他のアドバイザーとのコミュニケーションが向上し、他のアドバイザーに連絡を取ることに自信がついたと報告しました。課題としては、跛行管理の問題を酪農家の目標や優先順位に合わない場合に酪農家に持ち込むことの難しさ、また参加者が他のアドバイザーの知識や意図に疑問を持つことが報告されました。

結論

この研究は、アドバイザーの関与を促進する有望な方法について述べているが、さらなる関与が跛行管理の農場での改善につながるかどうかを判断するためには、さらなる研究が必要である。

36. 職場の運動介入による体力向上効果。  蹄ケア企業「アンカ」の事例

D.Zalduendo1 , A. Lecertua.2, G. Delgado-García3 , and O. García-Taibo3

1Duck2

Witrein

3Pontifical University of Comillas (CESAG) info@witrein.com

はじめに

職場の機械化により、特に削蹄師のように元々身体的負荷の高い職種では、反復作業が蓄積され、必要な身体活動量が減少しているのが現状です。このような状況は、反復性ストレス傷害や座りっぱなしのライフスタイルに関連するリスクにより労働者の健康を脅かし、欠勤率の増加や生産性の低下を招いています。この問題を解決するために、職場における身体トレーニングプログラムが拡大し、いくつかの健康関連効果が得られています。その中でも、高強度インターバルトレーニングは、短時間の活動でもQOL(生活の質)や体力に良い影響を与えることが分かっています。

目的

したがって、本研究の目的は、職場で実施される(HIIT)介入が、削蹄師のサンプルにおける筋力の成果に対する効果を分析することであった。

材料と方法

蹄ケア会社(アンカ)の社員11名(事務員5名、削蹄師6名)を対象に、2ヶ月間のトレーニング介入後、前試験と後試験の前実験デザインを実施した。トレーニング(Wi trein)は、1時間のセッション4回と15分のセッション13回の全身および多関節運動で構成された。評価として、ダイナモメータを用いた最大筋力テスト9回を実施した。

結果

肩の内旋・外旋、肩の伸筋、股関節の屈筋、膝の屈筋のテストで大きな効果量(p < 0.05;Cohen´s d>0.8)を示し、残りのすべてのテストで記述的なレベルでの進歩の傾向が観察され、筋力に著しい改善が見られた。

結論

これらの結果は、職場での運動介入は従業員の体力を向上させ、より良い体調に貢献することを支持するものである。今後、これらのプログラムのプロトコルを改良するとともに、運動がもたらす身体的、心理的、社会的な効果をさらに研究し、企業に移転して従業員の福利厚生と生産性の向上に貢献することが必要である。

37. イングランド北部  における畜産動物の跛行の多重スケールな現実

ハル大学 Niamh Mahon、Beth Clark

イングランド、ハル

n.mahon@hull.ac.uk

目的

本論文は、イングランド北部の羊と牛の跛行について、農家とファームアドバイザーを対象とした詳細な質的調査から得られた知見を報告する。Annemarie Mol(2002)による人間の病気である動脈硬化に関する人類学的研究を参考に、羊と牛の跛行の複数の現実、それらが農家、農家アドバイザー、家畜によって制定される跛行のスケールとどう関連しているか、異なるステークホルダーグループ間での跛行管理に関するメッセージの伝達にどのような影響を及ぼすか、について検討する。

材料と方法

イングランド北部の農家29名と、英国在住のファームアドバイザー21名(獣医師、フット削蹄師など)に行った詳細なインタビュー結果を利用したものである。データ収集の前に倫理的な承認を得ており、参加者全員が参加前に書面または口頭で同意している。インタビューは、2019年9月から2021年3月の間に行われた。当初は対面で行われ、後のインタビューはCovid-19の制限により遠隔で行われた。すべてのインタビューは音声録音され、逐語的に書き起こされた。転写文は、著者らが作成したコードブックを用いてNvivoソフトウェアでコード化され、テーマ別に分析された。また、11の農場でインタビュー対象者とともに「農場散策」を行い、その際にメモと写真データを作成し、フィールドワークによる観察も行っている。我々は、インタビュー対象者が跛行との関わり方や跛行の管理方法について説明する際に出てくる尺度的枠組みを用いて調査結果を提示する。この枠組みは、足、動物、農場、そして国家というスケールを探求するものである。

結果

足部では、跛行は内臓と感覚的なもので、嗅覚、触覚、視覚が関与しています。跛行の状態は、農家やアドバイザーによって、動物の体の他の部分から切り離されて観察され、対処されます。農家、削蹄師、時には獣医がこのスケールで積極的に関与しますが、動物自身はそうではありません。動物のスケールでは、感覚的な描写はまだ言及されているが、視覚が支配的であり、特に動きの観察という点ではそうである。例えば、動物の典型的な行動や個体の歴史を知ること、動物の感情の描写など、人と人以外の関係が重要になります。これは、生産データや動物の血統などの農場の記録によって助けられる。このスケールでは、動物は農家やアドバイザーと一緒に跛行を「行う」積極的な共同創造者となる。農場規模では、動物の群れの様子や行動、例えば、群れや管理グループ、年齢別の群れ、また品種や種間の違いなどが重要となってきます。農場の地理や歴史、季節や気候の変化に関する知識は、跛行を知り、管理する上で役に立ちます。全国規模では、跛行は道徳的な問題となり、良い福祉がどのように理解され、実践されているかを考慮することが、跛行を理解し、対応する上での鍵となります。跛行は統計としてアドバイザーからよく言及されます、例えば、泌尿器科内の平均率やパーセンテージなど。この統計は、個々の動物の問題というよりは、むしろ全国の牛群や羊の群れの問題です。これらの統計は、跛行の発生率のベンチマークや、小規模な規模での診療を評価するためのツールとして使用されます。

結論

本論文では、羊と牛の跛行に対する新しい見方を提示し、跛行の複数の実態が、跛行が成立するさまざまなスケールとどのように関連しているかを説明する。これらの発見は、跛行の管理に関するメッセージが、例えば農家、獣医の専門家、政策立案者の間で伝達される方法に影響を与える。まず、農家とそのアドバイザーに向けたメッセージの構成について考えるとき、跛行がどのように知られ、どのように実行されるかについて、よりよく理解する必要があることを示唆する。第二に、これらのスケールで跛行を把握する方法には重複がある。これらを特定することで、関係者グループ間のコミュニケーションをより効果的に狙える機会を提供します。

38. 非劣性試験によるフリーストール乳牛の 趾皮膚炎に対する 2

種類のフットバス濃縮液の制御効果の評

Sair Ordaz、Kelly Anklam

米国ミネソタ大学獣医学部ミネソタ州セントポール校

shepl044@umn.edu

目的

我々の第一の目的は、市販の濃縮フットバス(Healmax®)が硫酸銅濃縮フットバスよりも趾皮膚炎(DD)の新患予防に劣らないかどうかを判断することであり、第二の目的は、慢性DD患者のコントロールにおける両製品の効果を比較検討する。

材料と方法

2021年12月より、1323~2292頭/hdのホルスタインおよびホルスタイン交配牛群5頭が試験に登録された。処置はペンレベルで試験製品(HM;2.5%濃度)または硫酸銅(CS

;5%濃度)フットバス溶液にランダムに割り当てられた。フットバスは4d/wk、1日1回、4ヶ月間稼動させ、200~400頭ごとにフットバスを交換する。試験開始前のベースライン評価を含め、全ての泌乳牛は2週間ごとに搾乳パーラーで訓練された観察者により DD の採点を受ける。M ベースのスコアリングシステムを用い、0点は病変がないことを示し、4H、4P、2Pは病変の重症度が高くなるカテゴリであることを示す。牛群レベルのデータは、各農場訪問時に農場の DairyComp 305 ソフトウェアから抽出されます。DDの成績は脚部レベルで測定されます(後脚のみ)。試験のサンプルサイズの計算には、新たな DD 感染の発生リスクを 5%、非劣性マージンを 25%とした。データは線形混合モデルを用いて分析し、牛と牛群レベルの影響を考慮する。

結果

この研究は現在進行中であるため、3/5 農場におけるベースライン(研究開始後 -1週間)および研究中間点(+8 週間)での DDスコア有病率の変化に関する予備的分析を示す。有病率はペンレベルの平均値で示し、病変のスコアは2本の後肢のうち最も高いスコアに基づいている。各病変カテゴリーのスコアの割合は、Farm1と3では、ベースラインと中間点の評価において、処理間でほぼ同じであった。Farm2 では、中間評価時(HM = 63%, 95% CI: 56-70; CS = 64%, 95% CI: 58-71)よりも、ベースラインで 0 と判定された牛の数が少なかった(HM = 35%, 95% CI:28-42; CS = 34%, 95% CI: 28-40)。その結果,中間評価では,より重症の病変のスコアが減少した。この農場では、病変の種類に応じたスコアの割合は2つの処理間でほぼ同じであり、HMとCSのペンの各病変のカテゴリの割合はいずれの時点でも4%以内の差であった。3農場では、中間評価で 0 点となった牛の数がベースラインと比較して CS ペンで 64%(95% CI: 56-71) vs 73% (95% CI: 67-80) と、HM ペンで 76% (95% CI: 70-83) vs 78% (95%) と大きく増加している。CI: 72-85)。これらの記述的な結果は予備的なもので、最終的な分析は牛の動き、年齢、泌乳期 を調整するために牛レベルで行われる予定です。

結論

ペンレベル分析の予備的な結果では、市販のフットバス濃縮液は、DDステージの維持において硫酸銅と同レベルの性能を発揮していることが示唆されました。

39. 泌乳初期の乳牛に夏場に使用する新しい水冷式キュービクルマットレスは、牛の行動に影響を与え、跛行の発生を減少させるか?

臨床無作為化試験

Anne Relun、Anne Lehebel、Lucas Bougle、Mélanie Tourillon、Nadine

Brisseau、Raphaël Guatteo

フランス

・ナント市

Oniris Nantes anne.relun@oniris-nantes.fr

目的

水冷式キュービクルマットレス上の牛が泌乳初期に起立時間を減らし、摂食時間を増やすと仮定し、高温期に使用する新しい暑さ軽減システム-水冷式キュービクルマットレス-が泌乳中期からピーク時の跛行発生率を減らすことができるかどうかを評価すること

材料と方法

2021年6月14日から12月31日まで、フランス西部の商業酪農場で無作為化臨床試験が実施された。所轄の倫理委員会がこの実験を承認していた(認可番号 CERVO-2021- 14)。分娩時、牛は隣接する2つの牛舎のうちの1つにランダムに割り当てられ、従来のキュービクルマットレス(ルイジアナマットレス;フランス、ビオレ-アグリ)またはキュービクルウォーターベッド(アクアクリル;フランス、ビオレ-アグリ)が設置された。牛は約 150 日後に別の牛舎に行動させた)。

15分ごとに記録された牛舎の気候パラメータ(気温、相対湿度)から温湿度指数(THI)を算出した牛の行動はコンピュータビジョン(AIherd;フランス)を用いて連続的にモニターした。さらに、3軸加速度計とマイクロフォニックセンサーからなる首輪(Lely Qwes HR; Lely France)を用いて、毎日の反芻と摂食の時間を記録した。すべての処置は酪農家が登録した。試験の最初と最後に、専門の削蹄師が牛の脚を削った。歩行は 2 週間ごとに 4人のうち 2 人が訓練された観察者によって採点された。

やや暑い日は、3時間から12時間の間にTHI>68が発生した日、中程度の暑さの日は、THI>68が12時間以上、12時間未満に発生した日として考慮された>72 以上、および THI >72 となる時間が 12 時間以上の非常に暑い日。1日の平均起立時間、給餌時間、摂食時間、反芻時間、カウコンフォート指数(CCI:ストールに接触している牛のうち横になっている牛の割合、SUI:ペンにいて、給餌せず、ストールに横になっている牛の割合、 SSI:介入グループ(Louisiane vs.Aquaclim)を考慮し、線形回帰分析で分析した。介入グループ(Louisiane vs.Aquaclim)、牛の特徴、治療法、THI指数を共変量として考慮し、線形回帰分析で分析した。跛行の発生率は、共変量として介入グループ、牛の特徴、THI 指標を考慮した Cox比例ハザード回帰モデルによって分析した。

結果

試験開始時、牛は主に趾皮膚炎に罹患しており、介入群では病変が活発な牛の割合が有意に高かった(対照群と介入群でそれぞれM1またはM2の病変を少なくとも1つ持つ牛は28/4442/51、p = 0.04)。6 月 14 日から 9 月 30 日の間、102 日がやや暑く、26 日が中程度、16日が非常に暑かった。この期間に 83 頭の牛が分娩した。最初の 30 日間は、中央値で6 日間がやや暑い(最小~最大:0 ~ 12 日間)、1日間が中程度に暑い(最小~最大:0 ~ 7 日間)、0日間が非常に暑い(最小~最大:0 ~ 5 日間) とされた。

分娩後最初の評価で健全であった 58 頭(対照群 32 頭、介入群 26 頭)のうち、41 頭が150 DIM 前(対照群 75%、介入群 65%)、平均 68 DIM(対照群 69%、介入群68%)、p=0.42 で跛行を発症した。

跛行の発生率に関する生存期間分析では、2群間に統計的有意差は認められなかった。 DIM2日目から14日目の間に最大THI>72の日が少なくとも1日あった場合(p  = 0.09)、またはDIM2日目から14日目の間に中温または非常に暑い日が少なくとも3日あった場合(p = 0.07)、跛行のリスクが増加する傾向が見られたのみであった。

行動に関する結果は、本稿執筆時点では得られていません。

結論

夏に使用した水冷式キュービクルマットレスが秋の跛行を減少させる可能性はあるが、この研究では証明できなかった。確固とした結論を出すには、サンプル数を増やし、より蹄の病変が起こりやすい牛群でのさらなる研究が必要である。

牛の行動に関する結果は、まだ未定です。

40. 乳牛の趾皮膚炎の有病率に対する蹄マットによる皮膚保護剤および消毒剤の間欠塗布の効果

H.A.G. van den Boomen、R.H.P.H.M. Jansen MS

Schippers

Etten-Leur、Noord-Brabant、オランダ h.vandenboomen@schippers.eu

導入と目的

趾皮膚炎は、乳牛の踵の皮膚を細菌(Treponema spp.、D. nodosus)が侵し、蹄の角の上の皮膚に非常に痛い病変が生じる疾患である。そのた、動物福祉や技術成績の低下、経済的損失の原因となることがあります(Palmer and O’Connell, 2015; Solano et al, 2017)。

現在の生産システムでは、趾皮膚炎の治療と予防のためにフットバスが一般的に使 用されています。フットバスには硫酸銅やホルムアルデヒドなどの殺菌剤を入れた溶液を入れ、150~200頭の乳牛がその中を歩きます。フットバスの欠点は、手作業による充填、有機物による汚染と効果の減衰、皮膚の健康状態の悪化です。

自動蹄ケア用の新しいソリューションは、蹄の健康状態の向上に貢献することができます(Speijers etal.、2010)。また、消毒とスキンケアのプログラムを組み合わせることで、手作業を減らすこともできます。このプロジェクトの目的は、自動予防蹄ケアコンセプトが乳牛の趾皮膚炎の有病率に与える影響 を調査することです。

材料と方法

試験されたコンセプト(MSオートフーフクリーン)は、投薬ユニットをフーフマットに接続し、蹄を洗浄するものです。マットの長さは200cm、幅は100cm、奥行きは10 0cmです。

7.5cmとしたマットには、蹄の周りの皮膚を洗浄し、育成する溶液(脂肪アルコール C10、エトキシル化、シトラールを含むPH皮膚中性溶液、MS HoofClean)と消毒液(MS FormaDes)を間欠的に(1日に6~9回)充填した。充填は自動で行われ、1日に何度も行われました。本研究では、このコンセプトを搾乳ロボット(n=3)および搾乳パーラー(n=3)を備えた実用的な酪農場でテストしました。

フーフマットは搾乳ロボットの出口に設置されました。搾乳パーラーのある農場では、搾乳ロボットの方が搾乳パーラーよりも牛がマットの上を通る回数が多い(1日4~6回)ため、出口に2枚の連続したマットを設置しました(1日2~3回)。

趾皮膚炎の有病率は、研究の開始時と終了時、すなわち約3ヶ月後に、オランダ国家記録システムの独立した削蹄師が、削蹄時にスコア化しました。スコアは3つのカ

テゴリーに分けられた。M1:初期病変、M2:活動性病変、M4.1:慢性趾皮膚炎(ICA R基準による)。

結果

フーフマットを使った研究の結果は、表1にまとめてあります。

表1.新しい自動蹄ケアコンセプトの趾皮膚炎に対する効果

 n趾皮膚炎を持つ #hooves 
  治療法  農場  牛スタート終了
  M1  M2  M4.1  合計  M1  M2  M4.1  合計新着事例
1.搾乳ロボット牧場の蹄マット3315121614022272321111528
有病率  38%19%13%70%23%10%3%36%9%
2.ミルキングパーラー牧場のフーフマット  3  371  52  63  27  142  29  27  9  65  19
有病率  14%17%7%38%8%7%2%17%5%

フーフマットコンセプトを適用した結果、趾皮膚炎を発症した蹄の数が約50%減少し、搾乳ロボットとミルキングパーラーの両方の農場で新しい症例の発生が少なくなりました(表1)。このコンセプトを導入しても、搾乳ロボットへの訪問頻度に悪影響はなく、倫理学的観察でもフーフマットに対する回避行動は見られませんでした。

結論

蹄マットを介して保護剤と殺菌剤を断続的に塗布するという新しいコンセプトの初期試験で、乳牛の趾皮膚炎が大幅に減少することがわかりました。このコンセプトは

、既存の趾皮膚炎の感染を減らし、新たなケースの発生を防ぐことができました。したがって、今回の農場試験から、保護剤と消毒剤の併用が乳牛の蹄の健康増進に寄与する可能性があることが示されました。

参考文献

パルマー、M.A.、N.E.オコネル。2015.乳牛の趾皮膚炎。危険因子と感受性の動物間変動の潜在的原因に関するレビュー。アニマルズ(バーゼル).5(3):512-535.

Solano, L., H.W. Barkema, C. Pickel, and K.

Orsel.2017.趾皮膚炎の予防のための標準化されたフットバスプロトコルの有効性

。ジャーナル・オブ・デイリー・サイエンス。100(2):1295- 1307.

Speijers, M.H.M., L.G. Baird, G.A. Finney, J. McBride, D.J. Kilpatrick, D.N. Logue, and N.E. O’Connell.の各氏。2010.乳牛の趾皮膚炎の治療における異なるフットバス液の有効性。 Journal of Dairy Science.93(12):5782-5791.

41. 事例紹介低ストレスでの牛の扱いに関するトレーニング。スペインの削蹄師に関する認識と影響

Daniel Zalduendo、Adrián González Sagüés ANKA。

Orkoien, Navarra, Spain daniel@anka.com

目的

主な目的は、削蹄時の適切な牛の取り扱いによって、動物福祉を向上させるための学習方法を確立することである。このポスターの目的は、低ストレス牛の取り扱いトレーニングが、スペインの削蹄師の日常業務に与える認識と影響を評価することである。

材料と方法

動物福祉の向上を目的に、2020年から牛の低ストレスな扱いに焦点を当てたトレーニング計画を開始しました。COVIDの状況により、オンライントレーニングと対面でのミーティングを組み合わせました。私たちは3つのレベルで取り組みました。

最初のレベルはスペインとポルトガルの削蹄師協会(APPB)でした。APPB

の傘下で、さまざまなアクションが推進されました。これらのトレーニングは、オンライントレーニング(A.Gonzalez、2020年11月)に始まり、農場でのトレーニング(サマー削蹄スクール、2021年9月)へと続きました。APPB会員の間で低ストレスな牛の取り扱いを促進するため、最高の牛の取り扱い者を選ぶ仮想コンテストが開催されました。会員がビデオを送り、会員全員によって最も優れたものが選ばれました。このコンテストは、2年連続(2021年、2022年)で開催された。

次に、企業レベルでは、月に一度、事例発表や経験の共有を目的とした朝食会を開催しています。2021年、この会議の主なテーマは、ストレスの少ない牛の扱い方でした。

3番目のレベルは農場レベルです。このレベルは、農場労働者のトレーニングと削蹄当日の直接介入を組み合わせたものです。上記の朝食会から、削蹄師が改善の余地があると判断した農場をいくつか選びました。農場の責任者と話し合い、合意した後、アンカの獣医師がその農場に赴き、スタッフの研修と削蹄当日の直接介入を行うことを目的としています。また、農家の方々の声を録音し、WhatsAppで送信しました。

2022 年初めに APPB 会員全員(78名)にアンケートを送付した。アンケートのソフトコピーは、WhatsAppの拡散リストと協会の電子メールリストを使用して送信されました。この種のトレーニングが日常業務に与える影響を評価するために、11の質問が選ばれた。

すべての質問は1~5で評価され、1が影響なし、5が最大影響であった。

介入を行った農場にも同様のアンケートを送付した。この要旨を発表する時点では、農家の意見はまだ収集中である。

結果

協会員の72%がアンケートに回答した。その結果、訓練前の低ストレス牛の扱いは、中程度である (5点満点で

3.06点)と考えています。低ストレス牛のトレーニングの重要性については、ほとんどの人が非常に重要であると考えています(5点満点で4.89点)。このトレーニングが日常業務に与える影響については、影響が大きい(5点満点中3.96点)と回答しています。また、低ストレス牛管理技術を使用した後の最も重要な影響 は、牛の福祉、乳生産、削蹄師の福祉であるという意見でした(アンケートで最も上位の3項目)。

結論

スペインの削蹄師は、ストレスの少ない牛の扱いは重要な課題であり、投資する価値があると認識しています。オンライントレーニング、農場でのトレーニング、ゲーム(コンテスト)の組み合わせは、削蹄師に低ストレス牛の扱いを促進する良い方法のように見えます。削蹄中の低ストレスな牛の扱いが実際に与える影響を評価するために、さらなる研究が必要である。

謝辞

そのプロジェクトに参加したAPPBメンバーに感謝したい。

42. 乳牛の趾皮膚炎に対する有機酸とティーツリーオイルによる局所治療と認可されたオキシテトラサイクリンによる局所治療の有効性を比較する無作為化比較試験

Nick Bell and Jenny Allan Bos International Ltd.

イギリス、ロングクリチェル

jenny.herdhealth@gmail.com

目的

本研究は、有機酸(サリチル酸を含む)とティーツリーオイルを混合した市販の趾皮膚炎外用剤(Konquest hoof gel, Provita, Northern

Ireland)と、オキシテトラサイクリンを含む認可外用抗菌スプレー(陽性対照)の効果を比較することを目的としています。

材料と方法

イギリスの酪農家 6軒から乳牛を登録した。牛の趾皮膚炎は、削蹄時に踵を直接観察し、活動的な趾皮膚炎病変があるかどうかをスクリーニングした。趾皮膚炎病変の定義には、Mスコアスケールを使用しました。後趾に進行していない(M1、M2、M4、M4.1)趾皮膚炎病変がある牛は試験に登録することができた。

その後、牛は乱数発生器を用いて治療群に無作為に割り当てられた。一方の治療群( Gel)には、メロリン創傷被覆材を使用し、軽い凝集性包帯の下で病変部に塗布されたコンクエスト蹄ゲルを投与した。陽性対照群(スプレー)には、オキシテトラサイクリン・スプレー(エンゲマイシン、MSDまたはテラマイシン、Zoetis)を、清潔で乾燥した病変部に包帯なしで局所的に塗布した。30秒間の乾燥後、スプレーを病変部に再塗布した。

採用された牛は、治療後 28 日目にパーラーで病変の M スコアを盲検で再評価されました。病変部は 2 つの M スコア(登録時と治療後 28 日目の Mスコア)を持つことになりました。病変はその後、治癒/治癒と思われるもの、改善、静止、悪化のいずれかに分類された。

これらの分類の定義は、治癒・見かけの治癒 M1, M2, M4, M4.1 を M0 または M3、改善 M1~M4, M2, M4.1 を M1、静止 M1, M2, M4, M4.1 を同点、悪化 M4 を M1, M2, M4.1

とするものである。

このクラスは、治癒/見かけ上の治癒と治癒していないものとに分けられ、治癒とは活動性病変からM0またはM3まで進行した病変、治癒していないとはM0とM3以外の分類まで進行した病変と定義されました。

サンプルサイズの計算では、28日後の治癒率に10%の差があるとして、検出力80%、信頼区間95%を使用しました。その結果、各群で142例が必要であった。

RCVSを通じて倫理的な承認を得て、RCVS倫理審査委員会の承認を得た。

統計解析は、Microsoft ExcelとR(R Core Team 2020)を用いて実施した。

結果

症例は2019年1月から2022年1月まで登録された。合計320症例が登録され、284症例についてフォローアップデータが収集された。登録時の320件の病変のうち、147件はMスコア2(46%)、56件はMスコア1(18%)、54はMスコア4(17%)、47はMスコア4.1(15%)であった。

284例が28日目に再診され、スコアリングが行われた。その結果、71.1%が治癒、16.5%が改善、3.2%が悪化、9.2%が静止と判定された。

治療群間の M スコアの進行は、Spray 76.30%、Gel 66.44% で治癒、Spray 14.80%、Gel 18.10% で改善、Spray 6.70% 、Gel 11.40% で静止、Spray 2.20%、Gel 4.02%で悪化であった。統計解析のため、症例は治癒例(n=202)と、改善例、悪化例、静止例を含む非治癒例(n=82)に分類された。スプレーとジェルの2つの治療グループをカイ二乗検定で比較したところ、2つの治療グループの間に有意差は認められませんでした(P=0.16)。

結論

2つの治療グループは、Mスコア分類を使用した場合、病変治癒率に統計的な差は見られませんでした。この試験において、プロビタゲルは、個々の動物の治療において、オキシテトラサイクリン・スプレーの単回治療と同等の効果を示しました。本製品は、合併症のない趾皮膚炎病変に対して、農場での抗生剤の使用を減らすのに役立つ可能性がある。

43. 乳牛の白色線病治療における経皮フルニキシン・メグルミンの評価

Roger Bellet Elias and Gerard Cramer

ミネソタ大学獣医学部

米国ミネソタ州セントポール

rogerbellet@gmail.com

目的

白帯病(WLD)を発症した泌乳牛の治癒および繁殖成績に対する経皮的フルニキシンメグルミン製剤の効果を評価する。

材料と方法

本研究は、2019年にスペイン北東部にある2.500頭の泌乳牛を有する商業酪農場で実施された。牛は、片方の蹄にWLDがあり(他の蹄病変がある場合は除外)、泌乳日数が0

~120日、登録前30日間に他の健康問題(乳房炎、子宮炎など)や医療行為がない場合に研究に参加しました。登録日(0 日目)に WLDに罹患した蹄の削蹄と健常な蹄のブロック治療を全頭で実施した。さらに、牛はフルニキシン注腸を0日目に単回投与する抗炎症治療群(FTD群、フィナディン®トランスダーマル50mg/ml、MSDAH)と抗炎症治療を行わない群(対照群)のいずれかに無作為に割り付けられた。牛は登録後7日目から21日目の間に削蹄シュートで再評価された。病変部の経過は、蹄が再建され、血液が付着していない場合を治癒とした。さらに、受胎率は、登録後 -30 ~+60日の間に授精した動物(n=31)について評価した。各動物について以下のデータを記録した:泌乳日数、パリティ(初産婦対多産婦)、患肢(前肢対後肢)および蹄(内側対外側)、サイズによる病変の大きさ(小対大)、治癒率および受胎率。データは SPSS を用いた Chi square´s 検定により分析した。18.0 (SPSS, Chicago, USA).

結果

50 頭の牛が試験に参加した(23 頭は一次産牛、27 頭は多次産牛)。対照群は 28頭、FTD 群は 22頭であった。)登録された病変は小病変33例、大病変17例で、前肢に29例、後肢に21例、蹄は外側に31例、内側に19例であった。

その結果、50%の症例が経過観察時に治癒に至らなかったことがわかりました。この評価では、20%の牛で新しいブロックを設置する必要がありました。後部内蹄に WLDがある牛は、対照群と比較して FTD 群では治癒率が高かった [10/17 (58.8%) vs. 3/14 (21.4%);p<0.05]。さらに、後肢の後部内蹄に病変があるFTD群の牛は、対照牛に比べて治癒率が高かった[4/4(100%)vs.1/3(33.3%), p=0.05]。一腹娩出牛を分析したところ、FTD群では対照牛に比べて治癒率が高く[8/14 (57.1%) 対 2/9 (22.2%); p=0.09]、肢と蹄の間の相互作用を示す証拠はなかった。

蹄の病変が大きい牛は小さい牛に比べて受胎率が低下した [12/22 (54.5%) vs. 0/9 (0%); p<0.05]。

結論

WLDの治癒率は全体的に低く、今回の結果から、後方内蹄のWLD病変に対する治癒率向上のための補助療法として、フルニキシン経皮の使用を検討する必要があることがわかった。

*WLD = White Line Disease, FTD = Finadyne Transdermal。

44. USDAオーガニック認可の治療法が足  腐敗に与える影響の評価

Cassie Krebill、Jan Shearer Iowa State University

米国アイオワ州エイムズ市 krebill@iastate.edu

目的

趾間フラン病は、治療が不適切な場合、重篤な跛行や後遺症を引き起こす可能性のある感染症です。この病気は、趾間皮膚の物理的な擦り切れや裂け目によって引き起こされ、多くの場合、皮下組織の感染症を引き起こします。臨床的な趾間フランの特徴は、重症度によって左右対称の腫脹、発赤、悪臭が見られることです。従来型の酪農場で足腐病を治療する場合、早期発見、壊死組織の除去、抗生剤治療が業界の標準となっています。USDA認定の有機酪農場で足腐病患者を管理するには、非抗生剤療法を使用する必要がありますが、これらの製品の評価はほとんど報告されていません。エビデンスに基づく治療法の推奨がないため、有機酪農家は足腐病と診断された動物の跛行が長引き、治癒が遅れるというリスクを抱えています。この前向き無作為化臨床試験の目的は、米国の有機酪農場で足腐病治療のための4つの局所的な非抗生剤代替品の有効性を評価することであった。

材料と方法

2018年4月から2020年12月にかけて、240頭の泌乳乳牛が登録され、4つの治療群に無作為に振り分けられた。各動物のロコモーションスコアは、動物の治療前に訓練を受け た獣医師によって記録されました。各評価では、動物を削蹄シュートに拘束し、病変 部を洗浄し、壊死組織を除去した。さらに、直腸温と全身の足の腫れと皮膚亀裂の有 無の身体的評価が記録された。登録された動物は、a)硫酸銅と水、b)7%ヨードチンキ、c)有機蜂蜜、d)過酸化水素の4つの治療群のいずれかに無作為に分けられた。すべての処置は、軽い包帯と一緒に適用された。動物はD7、14、28、56、および112日に再評価を受ける予定であった。無作為化処置はD0、7、14日に適用された。統計手法には、a)各観察日の絶対運動量スコア、およびb)前回の観察からの運動量スコアの変化、の混合線形モデルが含まれる。治療効果×日数効果の全因子モデルを構築した。また、 Cox比例ハザード回帰を用いて、回復までの時間(運動スコア=1、足の腫れがなくなるまでの日数、またはD112以前に右打ちをした場合と定義)の生存分析も実施した。この研究はUSDA認定の有機農法で行われたため、従来の農法における治療のゴールドスタンダードである全身性抗菌剤治療群を含めることはできなかった。すべての動物 は、治療の失敗に関連する福祉問題をモニターされ、動物の福祉を損なうことなくそのような状況を管理するためのプロセスが実施された。

結果

本試験の結果、いくつかの治療群間で回復までの時間に統計的に有意な差が認められた。すべての治療群で、D112までに一貫してロコモーションスコアが低下した。過酸化水素処理群は、ヨウ素処理群(参照カテゴリー)よりも早蹄コモーションスコア1

に戻り、腫れの兆候を示さなかった。その過酸化水素処理牛の回復の比例ハザードは、ヨウ素処理牛と比較して 1.577倍高かった(p=0.028)。ハチミツ処理した牛のハザード比はヨウ素を投与した牛と比較して 1.49倍になったが、統計的有意差には至らなかった(p=0.054)。過酸化水素は他の治療グループと比較して、趾間フラン病の管理に最も効果的な抗生剤であることが証明されましたが、ヨウ素は常に結果を悪化させ、病変の治癒に長期的な悪影響を及ぼしました。

結論

過酸化水素は、最も病変の治癒が早い治療群であった。過酸化水素と蜂蜜の両方を、最も治癒の遅い治療法であるヨウ素と比較すると、有意差があった。過酸化水素は、趾間フランに関連する嫌気性細菌に対する酸化作用により、より迅速な治癒反応を誘発する可能性がある。試験終了時には、すべての治療群に治癒の証拠が見られた。本研究の制約上、比較対象となる抗生剤治療群がなかったため、過酸化水素と抗生剤治療の比較についてコメントすることはできない。

45. DD病変の予防を目的とした、アルミニウムおよび亜鉛を含む製品の

ミルキングパーラーにおける予防散布の予備的結果について

シャルロッテ・クレーガー

ドイツ・ミュンヘン 蹄の健康協会(Praxisgemeinschaft für Klauengesundheit

c.p.kroeger@web.de

目的

趾皮膚炎(DD)は、肉牛および酪農家における国際的な問題であり、主にTreponema spp.によって引き起こされる(1,2)。この牛における最も重要な感染性蹄病の感染は、侵食性および痛みを伴う病変で皮膚を損傷する(3)。農場での優れた予防戦略は、治療費を削減し、動物福祉を向上させ、より良い長期的効果を高めることができます。調剤量と跛行動物の数を減らすためには、農場での長期的な戦略を確立する必要がある(4)。この研究では、硫酸アルミニウム複合体と硫酸亜鉛一水和物を含む製品を、DDに罹患した乳牛群での予防散布液としてテストしています。この製品がDDの発生に影響を与えるかどうかを評価する予定である。

材料と方法

この試験はドイツの 2 つの異なる酪農場で行われ、それぞれ平均 70頭の牛を搾乳しています。搾乳牛群に加え、乾乳牛と今後 2ヶ月以内に分娩予定の未経産牛も試験に組み入れました。定期的な削蹄の際に、削蹄シュートで全ての牛と未経産牛の DD(DD-M0~DD- M4.1)を追加でスコア化し、発見された病変に応じて治療しました。DD-M1 病変(1.5 cm 以上)、DD-M2 病変、DD-M4 または DD-M4.1 病変を持つすべての牛に 66% Methyl-salicylic acid 軟膏を 6 日間塗布しました。DD-M0, DD-M1 <1,5 cm, DD-M3, DD-M4 <1cmにキレート銅と亜鉛のスプレーを噴霧した。すべての包帯を外した後、開放性DD病変は残っていなかった。病変の種類と重症度は、両後肢および両農場で均等に分布していた。

このように、1頭の動物の2本の後肢をそれぞれ治療群、対照群として指定することが可能でした。削蹄から 14日後に、ミルキングパーラーでバックパックスプレーヤーによる予防散布を開始しました。使用した製品は硫酸アルミニウム複合体と硫酸亜鉛一水和物を含む。試験製品は、最初の 5 週間は週 3 回、それ以降は週 2 回、1 日 1回の搾乳時間に散布されました。未経産牛と乾乳牛は、ヘッドロックで固定した状態で散布しました。

4週間ごとにパーラーで牛の後肢を採点し、4ヶ月ごとに削蹄シュートでの再評価を農場で同時に行っています。

結果

最初の採点では、合計139頭の動物が削蹄シュートで採点されました。採点された各病

変は、病変の大きさと重症度に基づいて値が割り当てられる(DD-M1=1~3点、DD- M2=30~60点、DD-M3=4~6点、DD-M4=15~17点、DD-M4.1=20点)。終了時の合計点数は、コントロールと比較して、病変の陽性または陰性の進展、したがって治療の効果を評価するための比較可能な値である。コントロール群 DD-M2病変が全サイズで32個(43%)、DD-M3病変が0個(0%)、DD-M4病変が全サイズで26個(35%)。と全サイズのDD-M4.1病変16個(22%)であった(合計スコア2.081)。治療群では全サイズDD-M2 39個(50%)、DD-M3 0個(0%)、全サイズDD-M4 20個(25%)、全サイズDD- M4.1 20個(25%)で補完された(total score 2.152)農場でのプロトコール実施 21 日後に、搾乳パーラーで 138頭の採点が行われた。対照群には、すべてのサイズのDD-M2が11個(12%)、DD- M3が0個(0%)、すべてのサイズのDD-M4が69個(79%)、すべてのサイズのDD- M4.1が8個(9%)あった(合計スコア 1.316)。治療群では、DD-M2 1個(1%)全サイズ、DD-M3 9個(13%)全サイズ、DD-M4 60個(85%)全サイズ、DD-M4.1 1個(1%)全サイズで補完された(合計スコア:948点)。

結論

最初の試験週間という短期間の後、データは対照群と比較して治療の有意なプラス効果を示しています。治療によるこれまでのポジティブな効果の発展を観察するためには、より長いフォローアップ期間が必要です。統計学的な有意差があるかどうかも、統計的な分析が行われ、学会で発表される予定です。

46. 牛におけるTylosinの静脈内投与による趾間

phlegmonfootrot)の局所治療

M.Pineda1 , Y. Trillo2 , A. Pico1 , and P. Malet 31

PicoVets, Spain

2Lideres Bienestar, Spain3 Hoof trimmer, Spain marcpb@hotmail.es

はじめに

趾間フレグモーネ(趾間フラン)(IP)は、牛の代表的な感染症である。乳牛や肥育牛に跛行を引き起こします。重症の場合、タイロシンやセフティオフールなどの抗生剤の非経口投与にあまり反応しないことがあります。農家が十分な注意を払わず、獣医師の監督なしに治療している可能性があります。IP治療においてキノロン系抗菌薬の静脈内局所投与で行われた研究がいくつかあるようです。(Varsano et al., 2015.; Celani et al.,2017)。抗生剤の使用に関する現在のEU規制により、キノロン系とセファロスポリン系(カテゴリーB)は、その使用を正当化する臨床検査の場合のみ使用することができます。本研究の仮説は、IPはキノロン系の使用ではなく、タイロシンの局所静脈内投与によって治療できるのではないかというものである。

目的

本研究の目的は,タイロシンの局所静脈内投与と止血による IP 治療の有効性を 3日間連続で評価することである.

材料と方法

本研究は、2019年5月から2020年2月にかけてIPと診断された19頭の牛を対象に実施された。罹患牛種はホルスタイン18頭、肉牛1頭(Asturiana de los Valles)であった。キュービクル付きフリーストール(n=10)、タイストール(n=4)、または毎日放牧地から出るタイストール(n=5)に収容された。静脈内投与の30分前から止血帯を維持した。この止血帯は3つの平らなゴム製コンプレッサーで構成されていた。

止血後,全身投与量の1/3のタイロシン(PHARMASIN 200 MG/ML)を伏在静脈,頭静脈または総背側趾静脈から投与した(PHARMASINタイロシン200 MG /MLを10cc).さらに2日間投与を繰り返した.抗生剤の投与は、動きの問題を避けるため、蝶式Venofix 23G 0.65x20mmと30cm長のプラスチックコンジットを用いて行われた。

治療効果を評価するために、Sprecherら,1997の5段階評価に基づいて、1日目、3日目、5日目、15日目にロコモーションスコア(LS)を評価した。また、1、2、3、5、15日目に付属蹄下1cmと付属蹄上1cmで四肢周径の測定を行った。

結果

IPはすべての肢で診断された。右前肢(5.3%;n=1)左前肢(10.5%;n=2)、右後肢(36.8%;n=7)、左後肢(47.4%;n=9)であった。LSの区切りは以下の通り:1日目-LS5(31.6%; n=6)、LS4(52.6%; n=10)、LS3(15.8%; n=3);3日目-LS4(36.8%; n = 7)、LS3 (31.6%; n = 6)、LS2 (31.6%; n = 6); 5日目 – LS4 (10.5%; n = 2)、LS3(31.6%; n = 6) とLS2 (57.9%; n = 11); 15日目 – LS4 (5.3%; n = 1), LS3 (5.3%; n = 1), LS2 (5.3%; n = 1)(31.6%、n=6)、LS1(57.9%、n=11)であった。

付属蹄の上1cmで測定した周長の減少は、1日目から2日目(73,7%、n=14)、2日目から3日目(57,9%、n=11)、3日目から5日目(68,4%)で、0,5cm以上であった。

1日目から15日目までは1cm以上減少した(89.5%;n =17)。付属蹄の下1cmで測定した周長の減少は、1日目から2日目まで(63,2%;n=12)、2日目から3日目まで(57,9%;n=12)、0,5 cm以上であった。11)、3日目から5日目まで(78,9%;n=15)、5日目から15日目まで(84,2%;n=16)、そして1日目から15日目までは、減少した

結論

タイロシン投与は19匹(LS 3, 4, 5)に実施した。15日間の結果、19匹中17匹は跛行なし(LS 1,2)となり、経過日数とともに跛行が減少した。

1.本研究では,タイロシンの静脈内局所投与が,キノロン系抗菌薬やセファロスポリンの非経口投与に代わる有効な治療法であることが確認された.

47. ホルスタイン牛の蹄角病変誘発モデルの開発。

跛行研究の次のステップとして、治療および予防的介入の評価を可能にする。

エリス・シェプリー、サラ・ワグナー

米国ミネソタ大学獣医学部ミネソタ州セントポール校

gcramer@umn.edu

目的

本研究の目的は、将来的に蹄底潰瘍の疼痛管理および予防的治療戦略の評価ツールとして利用可能な蹄底潰瘍誘導モデルを開発することであった。

材料と方法

この研究は3つの段階を含む反復プロセスで、乳牛の蹄底潰瘍発症の危険因子との関連性を考慮して選ばれた複数の課題を採用した。8頭のホルスタイン未経産牛が、- 14~84 DIMの第1段階(P1;n = 4/グループ)に登録され、対照群(CON1)または治療群(BLK-R1)にランダムに割り振られました。同じ集団が泌乳中期に登録された Phase 2 (P2; n= 4 /group) は 135 から 235 DIM で、牛は 2 つのチャレンジ処置(BLK2 または BLK-R2)のいずれかに割り当てられた。フェーズ 3 (P3) では、-28 から 84 DIMに登録された 12 頭のホルスタイン未経産牛 (n = 4/グループ) を、3つのグループのいずれかにランダムに割り付けました。BLK-R3、BLK-LPS3、またはCON3の3群に無作為に割り付けた。チャレンジ期間(期間:P1 28日、P2およびP3 42日)中、BLK-R1、BLK-R2およびBLK-R3の牛は、右後肢の外側蹄に蹄を打ち、様々な期間および頻度で横臥制限を行うというチャレンジを行った。BLK-R3 の牛は DMI も制限された。BLK-LPS3 牛は BLK-R3 牛と同じ制限を受け、さらに産後 3 週間は 1回/週でリポ多糖(LPS)チャレンジを行った。対照牛(CON1およびCON3)には課題を与えなかった。臥床時間は、脚に装着した歩数計を用いてすべての段階で連続的に測定した。運動量の視覚的評価と蹄の評価は、各段階の試験期間中の様々な時点で実施した。また、体重計を用いた体重分布測定(P2、P3)、血液、乳汁、反芻、蹄のサーモグラフィー測定(P3)も報告された。本研究は概念実証を目的としたものであるため、結果指標の統計解析を可能にするサンプルサイズは選択されなかった。結果は記述的に評価された。

結果

どのフェーズにおいても、蹄底潰瘍を誘発することに成功した誘発モデルはなかった。しかし、P2(BLK-R2=5、BLK-LPS3=4)およびP3(BLK-R3=3、BLK-LPS3=4)のチャレンジ処理牛では、蹄底潰瘍発生の前兆である右蹄後部での足底出血が報告された。= 2, con3 = 0)。P2 と P3ではブロックの配置と様式が変更され、歩様にも変化が見られ、P2 と P3の挑戦牛のブロックされた蹄にかかる体重の割合が減少した。さらに、P3牛の蹄温が上昇したことから、BLK-R1と比較してこれらの処理では蹄のブロックが影響を及ぼし、病変の結果が良くなった可能性が示唆された。横臥制限は制限日の総横臥時間を変化させることに成功したが、非制限日の横臥時間が増加したことから、横臥時間の補償が行われたと考えられる。

また、P1 と P3 の間で横臥制限の効果は同等であったが、P1 投与牛は CON1投与牛と同様に歩様変化や蹄の病変を認めなかった。さらに、P1 と P3で横臥制限はほぼ同じであったが、P1 治療牛は CON1 と同様、歩様の変化や蹄の病変を示さなかった。P3 で追加した代謝課題(DMI 制限および LPS課題)は、P2で得られた結果に対して明確な影響を与えず、血糖値、NEFA、カルシウムには、蹄の健康に影響を与えるほど負のエネルギーバランスを引き起こすのに必要な代謝ストレスを示唆する顕著な差は見られなかった。BLK-LPS3牛のβ-ヒドロキシブチレート濃度が高く、乳量が低下していることから、蹄底潰瘍の原因となりうる経路を呼び起こすのに必要な負のエネルギー状態の誘導にある程度成功している可能性があるが、頭数が少なく、生産量にばらつきがあるため、今回の試験結果からそれを見極めることは困難である。

結論

蹄ブロック、横臥制限、代謝ストレスという蹄底潰瘍の発生に関連する3種類の課題を3回の繰り返しで誘導モデルに適用したところ、蹄ブロックが最もうまく病変を誘発したようですが、すべて蹄底潰瘍には至らなかったようです。今後の反復実験では、蹄ブロックの応用はもちろんのこと、横臥制限の時間や頻度を変更し、強制歩行の可能性も含め、誘導モデルの成功率を高める方法を検討する必要があります。

48. 牛の趾皮膚炎。Trick or treat

Arne VanhoudtとMirjam Nielen

Animal Health Service, Driebergen-Rijsenburg, Netherlands vanhoudt.arne@gmail.com

目的

趾皮膚炎(DD)のM1、M2、M4.1(active)病変に対する酵素アルジノゲル(アルジノゲル)の効果を、銅および亜鉛キレートを含むゲル(銅ゲル)と比較し、(1)Mスコア、(2)創傷治癒経過を評価指標として検討した。

材料と方法

オランダの 7 つの酪農場の 543 頭の牛の後肢を削蹄し、M-scoringを行った。病変が活発な牛の後肢を本研究に含めた。足部はアルギノゲルと銅ゲル治療群に交互に割り当てられ、0日目と3日目に写真撮影、治療、包帯を行った。7日目に病変部の写真を撮り、病変部がまだ開放創である場合は3回目の治療と包帯を施した。 10日目に治療したすべての病変部を写真撮影し、評価した。この日を治療期間の終了日とした。

DD病変のMスコア改善は、0日目から10日目までにM1病変からM0、M3、M4へ移行した病変、またはM2病変からM0、M1、M3、M4、M4.1への移行、またはM4.1病変から M0、M1、M3、M4への移行と定義された。

治療し撮影したすべての病変部の創傷治癒経過を、獣医創傷治癒の専門医が皮膚壊死、肉芽組織、周囲皮膚と比較した肉芽組織レベル、肉芽組織壊死、創傷収縮、上皮化などを基準として評価した。0日目と10日目の病変部の写真のペアについて、創傷治癒の進行度を「改善」、「同等」、「悪化」、「スコア不能」の4段階でスコア化した。創傷治癒が改善した病変は、前回の観察と比較して、欠損サイズが小さくなった、肉芽組織の色が健康になった(紫がかった色からピンク色になった)、肉芽組織表面の様子が規則的になった、傷が収縮した、周囲の皮膚から上皮化が始まった、のうち少なくとも1つの基準を満たしたものであった。スコア化できなかった創傷治癒の進行は、痂皮物質の存在、糞便汚染の存在、画質不良、その他と特定した。

アルギノゲル群では M スコア評価に 85 頭から 102フィートが、創傷治癒の進捗評価に 85 頭から 101フィートが利用可能でした。銅ゲル群では M スコア評価可能な 86 頭から 110フィート、創 傷治癒経過評価可能な 82 頭から 106フィートが得られた。アルギノゲルまたは銅ゲルとM-スコアの改善および創傷治癒の進行との関連は、ロジスティック回帰分析を用いて評価し、統計ソフトウェアパッケージRで実施した。

結果

0日目から10日目までの全体のMスコアの改善率(活動期から慢性期または治癒期への Mステージの変化)はアルギノゲル群で27%、銅ゲル群で94%であり、アルギノゲルは

病変部のMステージを活動期から慢性期または治癒期に変える点で劣っていることが示された。

アルギノゲルで治療した病変部では,0日目から10日目までの間に63%が改善したのに対し,銅ゲルでは21%であり,銅ゲルは創傷治癒の進行に関して劣ることが示された。銅板で治療した病変の大部分(68%)は、痂皮物質の存在により評価することができなかった。

最終的な多変量解析では,アルギノゲルで治療した病変は,銅ゲルで治療した病変に比べて,0日目から10日目までのMステージがactiveからchronicまたはhealedに変化するオッズ比が20倍減少していた.

改善と判定された無症状病変では,多変量解析モデルにおいて0日目から10日目までの創傷治癒の進行に治療効果を認めなかった.一方、「改善なし」と判定された無瘢痕病変では、アルギノゲルを投与した病変の0日目から10日目までの創傷治癒経過は銅ゲルを上回った(OR: 2.48; 95% CI: 1.07-5.79 )。

結論

銅ゲルはアルギノゲルに比べてMスコアの改善度が高く、病変の大部分が慢性期にとどまり、管理可能な病態となった。一方、アルギノゲルは銅ゲルに比べて創傷治癒の進行が改善されることが確認された。しかし,今回使用した製品はいずれも活動性DD病変に対して高い治癒率(M0ステージへの復帰)を達成することはできなかった。

Mスコアの改善に関する予備的な結果が、オランダの’s

Hertogenboschで開催された「European Bovine Congress 2019」で発表されました。 Journal of Dairy Scienceに掲載されました。DOI https://doi.org/10.3168/jds.2021-20613

49. USDAオーガニック承認外用剤  の蹄底潰瘍に対する効果の評価

Cassie Krebill、Jan Shearer Iowa State University

米国アイオワ州エイムズ市 krebill@iastate.edu

目的

蹄底潰瘍は、蹄角カプセル内の第三趾の懸垂装置の故障と、不均衡な体重負荷により、下層の角質が挫滅・露出することで起こります。不顕性病変はほとんど不快感を与えないが、臨床的病変はしばしば激しい痛みや跛行を引き起こす。臨床的な蹄底潰瘍では、慎重な削蹄と健常な蹄へのブロックの適用が必要です。回復が長引くと、患畜の寿命が短くなる可能性があります。米国農務省(USDA)認定の有機酪農場でこのような症例を管理するには、非抗生剤療法を使用する必要がありますが、そのほとんどは対照試験で評価されていません。この前向き無作為化臨床試験の目的は、臨床的な蹄底潰瘍を持つ動物に対して、非抗生剤の代替品を適用することで、より迅速な病変の再上皮化および運動量の減少によって証明されるように、治癒が改善されるかどうかを判断することであった。

材料と方法

2018年4月から2020年12月にかけて、蹄底潰瘍病変を有する泌乳乳牛173頭を登録した。

治療成績はD0、7、14、28、56、112日に記録し、評価基準は削蹄前の運動量スコア、肉芽組織の存在、新しい上皮の存在などであった。登録された動物は、次の5つの局所治療のうちの1つに無作為にグループ分けされた:a)硫酸銅、b)7%ヨードチンキ、

c)過酸化水素、d)蜂蜜、またはe)無治療。すべての蹄底潰瘍病変は、矯正削蹄の後、包帯で軽く巻き、健常な蹄にブロックを適用し、外用処置(もしあれば)を施した。治療薬はD0、7、14日に適用された。a)各観察日における運動量スコアの絶対値、

b)前回の観察日からの運動量スコアの変化、について混合線形モデルを用いた。治療効果*日効果の全因子モデルが検討された。回復までの時間(運動スコア=1、肉芽組織がないまでの日数、またはD112以前の右打ちと定義)についてのCox比例ハザード回帰も展開された。

結果

本研究の結果,抗生剤代替治療群は,対照治療群(矯正削蹄および外用剤無添加の軽包帯)に優劣を示さなかった.治療成績(運動量および回復までの時間)を比較すると、すべての治療群で有意差は認められなかった(P>0.10)。しかし、本疾患の複雑な性質のため、治癒は長期化し、D56およびD112まですべての群で運動スコア の減少が続いた。

結論

本研究の結果から,本研究で用いた4種類の局所抗生剤代替治療のいずれかを使用するための時間,費用,労力は,投下した費用,時間,労力に対する正当な見返りや,健康および福祉の向上につながるとは考えにくいことが示唆された.この知見は、ほとんどの合併症のない病変には矯正削蹄だけで十分であるという逸話的な議論と一致するものである。この研究では、対照群に対して、ラップの影響をコントロールするために、他のすべての治療に使用されるのと同様の軽い包帯で病変部を包むことを選択しました。ラップをしない場合と比較して、ラップの利点があるかどうかについては、特にコメントすることができない。

50. ウシの蹄のためのバイオメカニクス的にデザインされた新しい装具

Jan Steils1 and Christoph Mülling 21

Tec2-Fit GmbH, Magdeburg, Germany

2ライプツィヒ大学獣医学部獣医解剖学研究所。

ドイツ

jan.steils@tec2fit.de

目的

牛の蹄の解剖学とバイオメカニクスに基づき、蹄疾患の治療において蹄に優しいアンローディングが可能な新しい整形外科用装具を開発すること。

材料と方法

この装具は、異なる合成素材で作られ、2層構造になっています。第2蹄が損傷した四肢の健常な蹄に装着し、第2蹄を緩和することを目的としています。クッション層とサポート層で構成されています。クッション層の硬さは、蹄の硬さに依存する。また、クッション層は、健常な蹄にかかる全体重の付加荷重を軽減するために、踵の領域で延長されている。支持層は、ベアリングエッジの領域で補強されており、この時点で圧力力が蹄の吊り構造によって吸収され伝達されるようになっています。装具の両端は、着脱しやすいように丸みを帯びています。健常者の蹄への装着は、装具の表面にすでに塗布されている活性化可能な接着剤によって実現されます。接着剤は固定されたバリア層ではなく、耐久性のある接続を維持しながら作用力を伝達します。

屠畜場から取り寄せた20頭の牛の遠位肢を、TecScan社の圧力測定フォイルを使って、荷重200kgの圧縮試験装置で蹄と装具の間の圧力分布を測定した。圧力センサーは、蹄と装具またはブロックの間にそれぞれ挿入されました。圧力分布は、まず削蹄した蹄で測定し、次にエポキシ樹脂で接着した装具と木製ブロックで測定しました。そして,1つのセットアップにつき3回測定したデータを比較評価し,統計的に分析した.以下のパラメータが考慮された.荷重面積、圧縮力の大きさ、圧縮力の分布、発生するピーク圧力、圧力の位置と寸法、蹄にある解剖学的構造との相関関係。

結果

削蹄した蹄や木製ブロックと直接比較すると、200kgの荷重下で36qcmという非常に大きな表面積の圧力吸収を実現しました。削蹄された蹄(24qcm)に対する吸収面は1.5倍、接着されたブロック(11qcm)に対する吸収面は3倍に増加しています。データの評価により、足底にかかる圧力や解剖学的に敏感な部位への負荷は、従来の木製ブロックと比較して著しく低いことが示されました。全体の圧力のかなりの部分が、体重を支える蹄のエッジに伝達されます。これにより、ホーンシューズの中で四肢の骨格を支える蹄と骨の接続部に生理的な負荷がかかります。一方、靴底とかかとには、低圧から中圧の均一な負荷がかかります。蹄潰瘍の発生のリスクとなる圧力のピークは、装具を用いた圧力測定では観察されませんでした。

結論

この装具は、蹄の解剖学的構造とバイオメカニクスを考慮しているため、より蹄に優しい圧力負荷と圧力分布が確保されています。さらに、粘着剤が活性化することで、装具の装着がより簡単になり、ブロックの安定性と耐滑性に重要な蹄への装着も非常に正確に行えるようになりました。私たちの圧力測定データは、この装具が圧力による病変による二次的な蹄の損傷を減らし、動物福祉を向上させる大きな可能性を持つ技術革新であることを、これまでのところ実証しています。

次のステップでは、より多くの生きた動物での圧力測定によって、エビデンスを強化する予定です。

51. 趾皮膚炎治療のための抗生剤代替としての一般家庭用製品および

新規可逆的抗菌剤

Jennifer Wilson-Welder1 , Steven Olsen1 , David Alt1 , Rohana Dassanayake2 , William Hart- Cooper3 , and James McManus3

1米国農務省農業研究事業団国立動物疾病センター感染症細菌病研究ユニット(米国ア

イオワ州エームス市

2米国農務省農業研究事業団国立動物疾病センター反芻動物疾病・免疫研究ユニット(

米国アイオワ州エイムズ市

3農業研究事業団西部地域研究センター生物生産研究ユニット。

米国農務省、アルバニー・カリフォルニア、米国

jennifer.wilson-welder@usda.gov

目的

多くの生産者が抗生剤による治療から脱却しつつある中、趾皮膚炎など生産牛の細菌感染症に対する新しい効果的な治療法が必要とされています。規制や有効性試験がないため、科学的な裏付けがほとんどない自家製の「秘伝のタレ」が氾濫しています。趾皮膚炎に対する迅速で効果的な治療法が必要である。さらに、バイオセキュリティーを維持し、病気の感染を減少させるために、加工設備、家畜エリア、時には作業員自身の除染に、効果的で環境に優しい消毒剤が必要とされています。

メソッド

バイオプロダクツ研究グループは、広範なスペクトルを持つ可逆的な抗菌剤のクラスを開発しました。これらの化合物は、使用時の濃度は細菌を除去するのに非常に効果的で、安全で刺激性がなく、環境中に希釈されると不活性な生分解性のサブコンポーネントに分解されます。標準的な抗菌試験方法を用いて、趾皮膚炎に関連する嫌気性菌やトレポネーマ、グラム+およびグラム-乳房炎の原因菌、人獣共通感染症病原体を含む家畜のいくつかの細菌病原体の増殖を防ぐ有効性について、削蹄師に使用されたという資料とこれらの新しい可逆的抗菌剤のライブラリーを評価しています。

結果

この作業は現在も継続中です。自家製ソースに含まれる多くの成分は、特に希釈した場合や糞尿と接触した場合、ほとんど効果を発揮しません。初期の結果では、いくつかの可逆的抗菌化合物は、非常に低い作業濃度(0.05%v/v未満)で広範囲の好気性および嫌気性細菌の成長を抑制する効果があり、かつ糞尿の存在下でも有効であることが示されました。候補化合物の中には、わずか5分の接触時間でグラム細菌を完全に死滅させることができるものもあった。

結論/影響

新しい可逆性抗菌剤は、環境中に残留せず、使用コストが低く、さまざまな細菌種を抑制または死滅させる効果が高い。このクラスの化合物は、家畜生産者が細菌性疾患

の治療や予防に有効な製品として開発されることが期待されています。

52. スウェーデン製削蹄機の形状と寸法に関する性能削蹄した蹄の形状

フリーダ・オーカーストレム、エフゲニイ・テレジェンコ・ヴァクサー

ウプサラ、スウェーデン frida.akerstrom@vxa.se

目的

研究の目的は、スウェーデンのプロの削蹄師によって行われた削蹄後の蹄の形状と寸法の変化を説明することである。

材料と方法

スウェーデンのプロの公認削蹄師 14名を対象に、予防的な削蹄を日常的に行って

いるかどうかを評価しました。参加した各削蹄師について、同じ牛群に属する最低 8 頭の牛の後肢の寸法が測定されました。選ばれた牛は主にホルスタイン種で、主に第一泌乳期か第二泌乳期の牛でした。牛は無作為に選ばれましたが、明らかな蹄の角の病変がないことが条件でした。蹄角の病変が無いという条件は、削蹄師が日常的に行っている削蹄方法によって何を達成したいのかを知るため、また削蹄師内や削蹄師間の比較を可能にするためのものです。削蹄後の蹄は、決められたプロトコルにしたがって写真撮影を行いました。調査した蹄の寸法は、外側(外)蹄の蹄先長さ(背壁)と蹄先角度(背壁×接地面)、同じ足の外側(外)蹄と内側(内)蹄の後部の高低差、外側・内側蹄のモデリング幅、外側蹄の蹄先部の足底厚さである。外側蹄と内側蹄の間の壁後部の高低差とモデリング幅はプロファイルゲージを用いて測定した.携帯型超音波診断装置(Dra minski社,iScan2)を用いて,足指部の足底厚を測定した.削蹄後の蹄の形状および寸法の牛内、蹄の削蹄師内、蹄の削蹄師間のばらつきは、残差(制限)最尤法で分析し、全分散に対する分散成分の割合として表示した。異なる蹄の測定値に対する分散成分の推定と記述統計は、Minitabソフトウェア(バージョン19.2020.1)を用いて実施した。

結果

削蹄後の蹄の形状は、次の平均測定値によって特徴づけられた:蹄長さ79.2 mm(SD5.9、範囲 63.1-103.5 mm)、蹄角 49.7 度(SD3.3、範囲 38.5- 60.7度)、蹄底厚さ 9.0 mm(SD2.2、範囲 4.6-17.1 mm)、蹄の内側と外側の高さの差0.9 mm(SD3.9 、範囲 -12.0-16.0 mm)。1 mm)、内側と外側の蹄の高さの差 0.9mm(SD 3.9; 範囲 -12.0 – +16.0mm)、蹄の全幅に対する割合で示した平均造形幅は、外側蹄で 63.8%(SD 14.4; 範囲18.1-96.2% )、内側蹄で 70.0%(SD 12.6; 範囲 26.5-91.8% )であった。

蹄の削蹄師による違いは、靴底の厚さのばらつきに最も大きな影響を与え、そのばらつきは全体の39.1%を占め、蹄後部の外側と内側の蹄の差の測定では最も小さくなった。

(4.4%)であった。また、足底の厚さは牛の違いによる影響が大きく、全体の37.2%を占めたが、足指の長さは牛の違いによる影響が大きく、35.6%を占めた。外側と内側の蹄の高さの違いや、モデルリングの幅については、牛の影響は見られなかった。牛の種類による削蹄の一貫性は、外側蹄の高さの差とモデリングの幅を考慮すると非常に低く、このことは、特定の蹄の削蹄師によって説明される測定値の変動(反復性の変動)が高い割合(それぞれ、これらの測定値の変動の70.2%)であることを示しています。さらに、つま先の長さと角度の一貫性も低く、特定の削蹄師によって説明される再現性の変動は、50.4%と48.7%であった。牛体内削蹄の一貫性が最も高かったのは足底の厚さで、特定の削蹄師によって説明されるばらつきは23.7%であった。

結論

調査の結果、プロの認定を受けたスウェーデン人蹄・削蹄師は、平均して現在のスウェーデンの機能的蹄・削蹄の勧告に沿った削蹄を行っていることがわかった。しかし、個々の蹄・削蹄師による再現性のばらつきが大きく、動物間の違いでは説明できないことがわかった。削蹄中の個体差の理由は、現在進行中の研究プロジェクトでさらに調査し、蹄の健康との関係から、どの削蹄方法がベストプラクティスであるかを明らかにすることを目指します。

53. 削蹄の評価 ・削蹄への適合性 方式

Nynne Capion and O.S. Nicolajsen University of Copenhagen Copenhagen, Denmark nyc@sund.ku.dk

目的

ほとんどの乳牛は生産期間中に削蹄を受けます。予防的な削蹄の目的は、蹄の形と機能を正常に保つことで、病変、特に蹄角崩壊病変(CHDL)とそれに伴う跛行を予防することです。長年にわたり、いくつかの研究が削蹄のポジティブな効果を示しています(Manskeら、2002年、Gomezら、2013年、Stoddard、2018年)。毎日何百万頭もの牛が削蹄され、牛はその結果について多くのステップを踏まなければなりません。したがって、我々は継続的に蹄の健康を改善するために、蹄刈りの標準を評価する必要がある。本研究の目的は、後肢の削蹄の結果を評価することである。

材料と方法

削蹄技術は、6つの牛群の205頭の後肢(削蹄師1人あたり29~37頭)を、6人の異なる経験豊富な削蹄師が、White  Line  Atlas法(White and Daniel, 2017)に従って削蹄して評価しました。削蹄の評価は、訓練を受けた獣医の修士課程の学生2名が行った。コークスクリュー、シザー、非対称、その他の異常がある蹄は除外した。削蹄師は2人が単独で、2チームが左右どちらかのみを担当し、2チームでは1人の削蹄師が両方の後肢を削蹄した。

削蹄は、脚の高さで5つのパラメータを直接測定して評価しました。

  • バランス;同じ高さの対角線ゾーン3からゾーン1、水平なソール
  • ヒール支点;ゾーン2とゾーン3の境界線 内側蹄
  • ヒールの高さ;ゾーン3全体で同じ高さ
  • つま先のブレイクオーバーポイントを正しく評価、ゾーン1の最大1/3
  • 地面に対して垂直であるべき軸の壁、ゾーン1全体で同じ高さ

本研究のために測定したパラメータは、蹄の削蹄の結果を左右する重要なものであることを、すべての削蹄師が認めている。5つのパラメータそれぞれについて、2名の獣医学部生が削蹄方法に適合しているか、適合していないかの評価を行った。削蹄の不正確さは、各パラメータについて、脚レベルで測定したときの非適合者の割合として算出した。

結果

バランスの不正確さは,削蹄師の違いで0~26%の間であった.削蹄師の違いによる精度の差は、踵支点0~94%、踵高さ0~21%、ブレークオーバーポイント0~24%、軸方向壁0~6%でした。全パラメータの平均誤差は12.5%であり,削蹄師間で3.4~23.1%の幅があった.

6 名の削蹄師のうち 3 名は、左右の脚の精度に大きな差があった。3名の削蹄師は両方の後肢を削蹄していた。左脚に比べ右脚の方が不正確な割合が高く、平均21%の差があった。

結論

削蹄後の左右の後肢の蹄の形状に違いがあり、1人の削蹄師が両足を削蹄した場合、その差はより顕著になりました。ある程度の精度は予想され、いくつかのパラメータでは、左右の足の違いは牛にほとんど影響を与えない可能性があります。しかし、削蹄師による違いは、より低いレベルの不正確さを得ることが可能であることを示しています。不正確さは削蹄によって説明できるかもしれませんが、削蹄前の蹄の形状に影響を与える他の要因を排除することはできません。その理由は、足に対する削蹄師の位置が両足とも同じであることや、グラインダーの保護シールドが動きを制限しており、これらの物理的障害に対する補正が不十分であることが考えられます。削蹄が不均一であることの影響はまだわかっていません。いくつかのパラメータについては、これが蹄内および蹄間の重量負荷に影響し、CHDLの有病率を増加させる可能性があります。また、ある牛群では片側でより多くの CHDLが記録されていることから、両脚の違いも説明の一部となる可能性があります。

参考文献

Gomez, A., N. Cook, J. Gaska, and D.

Döpfer.2013.未経産牛を分娩前に刈り込むべきか?46th AABP, Milwaukee, USA, p 266の議事録。

Manske, T., J. Hultgren, and C. Bergsten C.2002.スウェーデンの乳牛の蹄の健康に及ぼす削蹄の影響。Preventive Veterinary Medicine, 52, 113-129.

ストッダード、G.2018.削蹄と乳牛のウェルビーイングの関係性の評価。博士論文。ミネソタ大学趾・コンサーバンシーから取得、https://hdl.handle.net/11299/196526。

ホワイト、R.、V.ダニエル。2017.牛の足刈りに関する論文-ホワイトラインアトラス法.第2版.Edition.

54.跛行の進行、痛みを伴う蹄の病気の最初の兆候と明らかな跛行との時間的な関係

Katharina Grimm and Isabella Lorenzini Praxisisgemeinschaft für Klauengesundheitミュンヘン(ドイツ)

grimm@praxis-klauengesundheit.de

目的

この研究の目的は、蹄の病気が発症するどの時点で、その結果としての跛行が人間の観察者に見えるようになるかを調査することです。

材料と方法

この目的のために、搾乳中のシメンタール牛 638 頭の蹄の健康状態の参考として、2週間ごとに手動で観察した運動量(fLMS)を 1 年間に記録しました。これらの牛は 5つの農場(自動搾乳システム 2 箇所、搾乳パーラー 3 箇所)に住み、それぞれ162、117、180、92、87頭の動物が飼養されていました。さらに、全ての搾乳パーラーまたは搾乳ロボットの出口にカメラを設置し、フォーカスされた牛の運動量スコア(dLMS)を毎日観察した。GrimmとLorenziniによるスコアリングシステムは、1=健全、2=不健全、3=跛行の3段階で構成されています。分類は2つのステップで行われます。まず、動物の全体的な動きを観察し、歩行が非対称であれば「跛行」とする(3)。次に、左右対称の歩様を持つ動物について、背中の反り、立位時の代償姿勢、頭部の揺れなどを観察する。これらの特徴が1つでもある場合、その牛は「不健全」(2)、それ以外は「健全」(1)と判定されます。

fLMS=3の動物は削蹄シュートで検査し、翌日中に治療した。fLMSが3回連続で「不健全」と判定された動物も検査した。跛行が発生した日(LMS=3)を特定するため、毎日、跛行が確認された最後の日(dLMS=1)までさかのぼってビデオ撮影を行いました。

結果

試験期間中、合計11,753のLMSが記録され、243の跛行(fLMS=3)が観察され、治療された。ビデオ解析の結果、動物が健全であった最終日(dLMS=  1)から目に見える跛行が発生するまでの平均期間は 9.3日間であることがわかりました。fLMS=2 の動物の 52%が削蹄シュートで検査した際に、急性の蹄病変または疼痛テストに陽性反応を示しました。つまり、急性跛行ではなく、わずかな歩行異常の症状を示しただけの動物の半数以上が、すでに運動時の痛みに悩まされていたことになる。残りの48%の半数は、その後数週間のうちに急性跛行を発症した。

結論

乳牛の目に見える跛行の詳細な時間的進展に関する文献には、これに匹敵する研究は見つかりませんでした。しかし、この調査の結果、蹄の病変が目に見える跛行として現れる期間は、これまで考えられていたよりもかなり短いことがわかりました。

これまで跛行は通常、年に 1 回、2 回、3回の定期的な削蹄で評価されます(評価されるとしても)。この間隔では、急性の蹄病変を適時に認識し治療することができず、蹄の損傷や動物の痛みを防ぐことができないことが分かっています。

また、牛は跛行などの痛みのサインを隠して、格好の餌食になるのを避ける傾向があります。急性の跛行が観察者に見えるようになったとき、跛行の原因となる基礎疾患はすでに進行していることが多いのです。このことは、fLMS =2と判定された動物の詳細な検査で確認されました。従って、牛の蹄の健康状態を評価する際に、歩行形質のような外から見えるものだけに頼らないことが非常に重要なのです。採点システムでは、牛の痛むプロセスを示す内在的な要因も測定する必要があります。これらはより早く、より少ない労力で検出することができ、その結果、タイムリーで、さらなる痛みとコストを防ぐ治療につながるのです。この試験が行われたプロジェクトで発見されたように、跛行発症の初期に発生する行動やパフォーマンスの変化を自動的に測定し、分析することが有望なアプローチとなります。

55. 全米削蹄師協会(National Association of Cattle Foot Trimmers)

プロの削蹄師のための英国の代表機関。

ジェームズ・パトリック・ウィルソン、ニール・バレット Herd Health Consultancy, Cornwall, United Kingdom james.herdhealth@gmail.com

目的

全米牛脚部削蹄師協会(NACFT)は、牛脚部削蹄業界における信頼性と専門性の向上に取り組んでいます。さらに、当協会は、会員とベストプラクティスを共有することを目的に、様々な継続的専門能力開発イベントを開催しています。

材料と方法

NACFTは、1997年に削蹄師、獣医、学者、その他関心のある専門家のグループによって開始されました。発足以来、NACFTとその組織委員会は、農家と削蹄師の双方と幅広い知識交換を行ってきました。その内容は、”Healthy Feet Programme”Agriculture and Horticulture Development Board (AHDB)が開発した跛行抑制プログラム)の推進から、農家、削蹄師、獣医、その他牛の運動能力に関心のあるすべての人に開かれた年次英国跛行会議の運営まで、多岐に渡っています。NACFTは現在、英国全土から約150名の削蹄師が会員としてウェブサイトに掲載されており、様々な関連会員(主に関連職種)も掲載されています。この間、主要な目標は、乳牛の福祉、英国乳牛群の跛行状態の改善を促進し、全ての削蹄師が高い安全基準で作業していることを確認することでした。

結果

NACFT

は、英国牛獣医師会(BCVA)、農業園芸開発局(AHDB)、その他の団体と協力し、削蹄師が牛の足の健康を取り巻く原則と法律を議論する会議に代表として参加できるように努めています。過去12ヶ月間、NACFTは独自の「継続的専門能力開発」(CP D)デーを運営し始め、会員に公開し、動物の取り扱い、跛行制御、専門性(他の多くのトピックの中で)に関して、最新のベストプラクティスを広めています。目的は、年間を通じて英国内でこのような日を数多く設け、会員全体にベストプラクティスを広めることです。

さらに、NACFT はさらなる協力関係を築こうと努力しています。これは、現在協 力関係にあるグループと、新たな関係を築こうとしているグループの両方に関してで

す。この協力関係の中で、NACFTは削蹄師の代表として全国の牛群レベルで起こる重要な議論に参加するだけでなく、英国全体の乳牛の行動性を向上させたいと考えています。

結論

NACFT

は、協力とベストスタンダードプラクティスの推進を通じて、英国酪農家の運動能力の向上を促進するために活動しています。他の業界団体や個人との協力は、ベストプラクティスの跛行管理を一貫して普及させるための鍵です。

56. 糞尿消化槽のメタン生成菌に対する蹄浴製剤の影響

ゲルウェン・ランマーズ・イントラケア

Veghel、オランダ glammers@intracare.nl

目的

蹄病の予防に使用されるフットバス製剤は、通常、使用後にマニュアピットに廃棄されます。硫酸銅が消化器の性能に悪影響を及ぼすことは、以前から実証されています。したがって、蹄浴製剤が糞尿消化器に与える影響を評価することは重要である。糞尿消化槽は、バイオガスの生成にメタン生成細菌を使用する。本研究の目的は、2種類の蹄浴製品(イントラフーフフィットバスおよびイントラエコバス)がメタン生成菌の増殖速度に及ぼす影響を調査することであった。

材料と方法

実験はOpure BV (Ede, The Netherlands)が実施した。試験濃度は、最悪の実用条件(小さな消化器と長い滞留時間)に基づき算出されました。毎週200リットルの蹄浴に5%の製品溶液を使用した場合、消化器内の製品濃度は60mg/lとなる。そこで、10、20、50、100、250mg/lの製品濃度を評価しました。

メタン生成細菌は、酢酸を主基質とする嫌気性リアクターで35℃にて増殖させた。細菌は、生成物濃度の有無にかかわらず、低い基質レベルで5日間培養された。生成されたメタンの量を測定して化学的酸素要求量(COD)を算出し、リアクター供給CODは補正するために毎日調整された。

5日後、細菌をふるい分け、基質量が多い場合の最大メタン生成活性を評価した。ふるい分けした細菌の乾物含量(g/l)および揮発性懸濁物質(VSS)率を測定した。10 gのメタン生成細菌を新しいリアクターに添加した。開始時と7時間後にリアクター圧力と生成されたバイオガスのメタン濃度を測定した。最大メタン生成率は、式(生成したCH4の総ml(0℃、1気圧)×2.85(CH4のCODへの変換)/((7h/24h)×10g細菌××g乾物×%VSS含有量))=kg COD/kg VSS/dを用いて算出した。コントロールからの乖離は最大で5%。5%は阻害とみなされなかった。

結果

最初のコントロールの平均活性は1.13 COD/kg VSS/dであった。10から250mg/lのイントラエコバスで培養した後のメタン生成活性は1.07から1.15であり、コントロールの95から102%であった。第2コントロールの平均活性は1.17 kg COD/kgVSS/dであった。10から250mg/lのイントラフュージョンバスで培養した後の活性は1.11から1.22で、これはコントロールの95から105%であった。すべての偏差は、メタン生成細菌を阻害しないことを反映し、規定の5%の範囲内にあると感じた。

結論

フットバス製品は、250mg/lまでメタン生成細菌を抑制することができなかった。消化器が100mg/l以上の製品濃度に達することは非常にまれであるため、両製品はバイオガス堆肥消化器を有する農場で安全に使用することができる。

57. ブラジルの肉牛における足の怪我と姿勢の障害。治療の実際的な展望

Luciano M. Marega Marega Hoof Care Marília, São Paulo, Brazil

luciano.marega@hotmail.com

ブラジルの牛の飼育頭数は2億2千万頭と推定され、そのうち90%が肉牛で、ゼブー種が主体である。生産段階の80%は放牧で行われている。年間屠殺頭数4400万頭のうち2 0%はフィードロットからのもので、1億頭の繁殖牛のうち15%が人工授精を受けている。そのため、自然交配用の若い雄牛の需要は大きく、多くのブリーダーが遺伝子改良に力を注いでいる。

このように、ブラジルでは、肉牛生産チェーン(繁殖、再繁殖、肥育)と、市場の大きな需要に応えるための若い雄牛生産チェーンの2種類の畜産活動が行われているのである。肉牛生産チェーンの家畜は放牧で管理され、仕上げの段階でのみ集中的な補充を受けるため、中型の家畜となります。発育途中の若齢牛の体重増加は1.10ポンド/日(500g/日)以下で、離乳は250kg(551ポンド)で行われます。運動器系に負荷がかからず、姿勢の乱れも問題ありません。

食肉生産チェーンにおける動物の跛行の主な原因は足病変で、主に慢性足病変、趾間過形成とその合併症、慢性損傷(ガバロ)、パラディジット足病変、踵部潰瘍があります。蹄葉下膿瘍、白帯病、趾潰瘍、慢性蹄葉炎など、蹄葉炎に関連した傷害も終端飼育場では発生します。これらの動物は削蹄師による補助が少なく、運動機能障害のある動物は屠殺されます。

雄牛生産チェーンでは、動物は生まれたときから濃厚飼料を与えられるので、1.10ポンド/日(500g/日)以上、最大4.40ポンド/日(2kg/日)、8ヶ月で992ポンド(450kg)という高体重動物であり、大人になると2866ポンド(1300kg)以上となり、運動器 に過負荷をかけてしまうのである。運動器系の主な障害は姿勢障害で、主に生後16 ヶ月までの幼獣に見られます。また、跛行の主な原因は足部足部皮膚炎です:趾間 過形成、慢性足部皮膚炎、趾間痰、踵部潰瘍などです。若いオスではソドミーが踵潰瘍の主な原因である。また、体積・体重の大きい成獣では、縦裂病、軸索裂病、白帯病が見られる。

このグループは付加価値が高く、削蹄師によるアシストも多い。

足趾皮膚炎は外科的治療と術後治療を行い、30~60日以上持続する「LTHB(Long Time Hoof  Bandage)」と必要に応じて整形外科的装具を使用します。早期発見・早期介入により治療の予後が改善され、LTHBは慢性足部皮膚炎の戦略的コントロールに貢献しています。若齢動物の処分の原因となる姿勢の障害は、主に “bow legs “と “out fetlock”である。このような障害を持つ動物は繁殖用として市場に出回ることはなく、生産コストの高い動物であるため、ブリーダーに大きなダメージを与え、経済的な負担を加えている。人工授精や体外受精に多額の資金を投入しているため、その価値は高い。これらの動物は屠殺される運命にある。弓脚とアウトフェトロックの多発は、ブリーダーの大きな懸念材料となっています。これらの障害の発生は、ここ10年間で増加しています。これらの障害は、離乳期(7〜9ヶ月齢)の雌雄の動物の50%に、また16ヶ月齢の動物の30%に頻繁に認められます。これらの障害は、動物の成長期から姿勢が定まる生後16ヶ月までの間に発生します。このテーマに関する無作為化科学研究は、現在までにほとんど行われていない。

病因は3つの要素に関連していると思われる。すなわち、ある家系では有病率が高いようであることから遺伝、500g/日以下の体重の動物群では有病率が非常に低いことから高体重、そして骨形成期に蹄葉炎エピソードが発生し、足底出血や壁応力線などの臨床的徴候が有病率の高い動物群でしばしば見られることである。

弓脚は、動物の前肢のうち、正面から見て手根骨の高さに見られる障害で、あまり多くはないが、上腕骨橈尺関節の高さにも見られる。アウトフェットロックは前肢と後肢の両方で見ることができる。したがって、前からも後ろからも見ることができる。臨床症状は両病態とも同じで、動物によって反応が異なる。私たちが「第一段階」と呼ぶ最初の臨床症状は、生後3〜4ヶ月の頃、前足を地面に正しく支持できないことで証明されます。四肢は平行で整列しています。まるで内側の蹄の蹄の裏に感度があり、動物が防御的な姿勢をとったかのようです。

第2ステージ」では、側蹄の微妙な変形が観察されました。四肢は整列し、平行を保っています。

第3ステージ」では、蹄の変形と軽度の骨関節逸脱が認められます。第4期」では、蹄の変形がひどくなり、骨関節性にもなります。矯正治療の成功は、予後が良好で動物が矯正的なクリッピング技術に反応する場合、第1および第2段階での早期発見と介入にかかっています。第3ステージでは、予後が保留である場合、動物は単純なクリッピング技術に反応しない。シューイングテクニックを用いると好転反応が見られる。状態の安定化が見られ、多くの症例で逆転さえしています。

第4ステージでは、予後が悪い場合、クリッピングやシューイング技術による治療効果は見られませんでした。

生後7ヶ月と12ヶ月の機能的な削蹄は、ブラジルの牛の姿勢障害の発生を抑えることに貢献しているようです。